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これからどのように年齢を重ねていこうか

こんにちは、産婦人科医高尾美穂です。

今回は、皆さんに年齢の重ね方。

こんなお話をしてみたいなと思っております。


そのきっかけになったのが、私が以前にツイートをした、正しく年齢を重ねることというツイートを、Twitter上でご自身なりにまとめてくださった方がいらっしゃいました。

どんな内容だったかというと、20代はこんなことしようか。
30代はこんなことを目指そうみたいな、年代別の取り組みたい、何かしらの目標の記し方をしたわけです。

今回は、また少し違った年齢の重ね方を、言葉でシンプルに言い表すと、どんな感じになるのかみたいなものを考えてみたいと思います。

経験の重要性

まず、私たちが社会に出て、何か誰かのために役に立っていきたいと思った時に、何が必要になってくるのか。

これがまず経験だと思います。

例えば、20代のような社会に出て間もない年代においては、色んなことを経験することが大事だろうと。

この経験というものが、それこそバラエティに富んでいることが、1つ大切だろうと、私は思っています。

同じ世界にいると、同じような経験しかしない可能性が高いですよね。
失敗にしても、成功にしても、同じような繰り返しになってしまう。

そうならないように、自分の今いる場所を、違うところに移ってみる。
お医者さんの世界だと、病院だけいれば、当然一番失敗も少ないし、成長速度も早く見込めたりするわけです。

しかし、そうではなくて、自分が普段いる場所ではないところで、色んな経験をしてみる。

例えば、仕事以外での取り組みという意味で言うならば、ジムでの活動もありです。私だったらソフトボールのチームに社会人に入っていました。

こういった、本当だったら別にやらなくてもいいような取り組み。
ここで、バラエティーに富んだ経験が積めるのではないだろうかと思います。

こういった経験を積む際に必要になってくるのが、バイタリティ。
これは、ある意味エネルギーですよね。
自分がこれもやっちゃおう、あれもトライしてみよう。

こうやって思えるようなバイタリティというものは、おそらく若いからこそバイタリティあふれる取り組みがしやすいのではないかなと思います。

失敗しても、もう一度起き上がるようなイメージで、色んなことに取り組む。
それが、バラエティーに富んだ経験になっていくはずです。

ひとつ何か仕事に就いてしまうと、その仕事に関する出来事ばかりが人生で起こりがちです。

そこの幅を広げるという意味よりは、自分の可能性を、自分で狭めないイメージで、まずはバラエティーに富んだ経験を、バイタリティーにあふれるエネルギーを持って取り組む。
こういうイメージなのかなと考えています。

スペシャリティを育てる

次にしていきたいことが、どんどん自分の得意分野を深掘りしていく。
これがスペシャリティということになるのだろうなと思います。

自分のスペシャリティが何なのか。

これは、おそらく多くの方が、自分にはそんなに特化したスペシャリティはないと感じるでしょう。

なぜかといったら、多くのことが、他の人にもできるかもしれないからと考えてしまうからですよね。

しかし、多くの人ができる。

この事は、なんとなく全体を見るとそうかもしれません。
しかし、もっと細い目で見ていけば、他の人と、自分の違いを考えてみる。これがある意味自分の強みですよね。

こういったものが、何から生まれてくるかと言えば、最初にお話をしたバラエティに富んだ経験から生まれてくると思うのです。

つまり、色んな経験や取り組みをしてきたからこそ、他の人とは違う考え方を思い浮かべられる想像力が、私たちにプラスに作用してくるのではないでしょうか。

だからバイタリティーを持ち、バラエティーに富んだ取り組みをした後というのは、その幅広い自分のこれまでの経験の中で、どこを深掘りしていこうかと考えてみる。

これがスペシャリティになってきて、それが他人との差別化になってくるのだろうと思うわけです。

この他人と違う点があるということ自体は、間違いなくそこが売りになります。

同じ仕事をしている人が、何百万人といる中で、自分にしかできないこと。自分しか経験していないことが、ある意味特色になっていくわけです。

だからこそ、バラエティに富んだ経験をしていく。

その中で、私たちにとって「スペシャリティ」というものを、見つけることができる環境に、自然となっていくのではないでしょうか。

これを裏返して言うのであれば、自分のスペシャリティというものを探していくにあたって、狭い範囲の中で探すよりも、広い経験の中で探した方が、当然ですが、自分に何があっているのか。
何が強みなのかを見つける、もしくは気がつく方法としては、より望ましいのではないかと思うわけです。

自分自身が、どんな特徴を持った人でありたいのか

その後少しずつ、どんな自分を目指していけばいいかとなってくると、これがきっとオリジナリティです。

自分自身が、どんな特徴を持った人でありたいのか。

このオリジナルというような言葉を考えてみる際に、先程お話をしたスペシャリティに、この自分自身が深掘りした強み。ここから、自分のオリジナルが生まれてくる。

つまり、オリジナルを生むためには、幅広い経験をしていないと生めないという話です。

まずバラエティーに富んだ経験をバイタリティを持って、積み重ねていった中で、幅広い世界に触れて自分のスペシャリティというものを探していく。
そうすると、やっと自分のオリジナルに辿り着けるのではなかろうか。

自分のオリジナリティというのは、ある意味満遍なく、一通り学んだり、経験したりした後でないと生めないということですよね。

「守・破・離」という言葉が日本にもあります。
守る。
それを破る。
そして離れる。

この考え方の、「守る」という部分は、教科書的な部分がきちんとできるということです。
それが、バラエティーに富んだ経験。

つまり、今までに分かっていること、世の中ですでに報告されていることを教科書的なことがベースにある。

そこで初めてスペシャリティ。

自分なりの特徴というものと、そしてそこからさらに「守・破・離」でいうならば「離」に当たる部分。

今までの世の中にあることから離れて、オリジナリティを出していくイメージなのだろうなと思っています。

そして、最後に何が現れてくるかと言うと、これがパーソナリティです。
自分自身の人柄であったり、仕事などとは離れた状態の、人となり。

こういったものが、最終的に私たちが社会の中で自分自身を見てもらうために、必要となってくるのだろうと思います。

つまり、仕事の上での自分というものを見てもらっている間は、ある意味まだ積み重ねている途中ということになると思うのです。

私だったら産婦人科医としての高尾美穂。
これは、産婦人科医という仕事をしている私という人を、推してくれているという状態になるわけです。

しかし、最終的にはこの産婦人科医という冠を外した高尾美穂そのものが、パーソナリティという意味なのだろうなと思うのです。

つまり、自分自身がどういう人であるかということは、仕事には左右されない状態に、いずれは至るだろうと考えられます。

これが、私たちそもそもの人となり。

人として世の中にどういう貢献ができるのか。
そして、それがどう評価されるのか。
他人からどう評価されても、別に正直どうでもいいと思います。

しかし、自分自身が世の中に対してどんな役に立てているのか。
どんなふうに役に立てているのか。
これが貢献ということになるわけで、誰かのどんな役に立っているのか。

誰かの役に立てているという状態こそが、私たちにとっては、自然に喜びが生まれるきっかけになるだろうと思います。

そう考えると、年代がだんだん高くなっていく中で、自分自身がどんな人であるのかということは、仕事とは関係のないところで評価を受け、周りの人たちにとって喜んでもらえるようなパーソナリティーに、自分自身が至っていく。

こんなような年齢の重ね方を、私は目指していけたらいいのだろうなと思っております。

まとめ


このバイタリティー、バラエティ、スペシャリティー。
そして、オリジナリティー、パーソナリティー。
こういう言葉というのは、よく世の中で聴く言葉だと思います。

自分自身がどんな自分になっていきたいのかということを考えた時に、やはりバラエティーに富んだ経験。

そして、そこでスペシャリティを見つけていくには、世の中で何度も報告されているような教科書的な経験というものがベースには、絶対に必要です。

そこから、初めてオリジナリティーが出て、そして自分自身を磨いていく中でパーソナリティというものが、世の中で評価されるようになる。
このような流れなのだろうなと思います。

下積みというものが必要だよという表現をすると、なんとなく皆さんがっかりしたりもするかもしれません。しかし、土台という部分が、間違いなく大切だと言う考え方を、私自身は持っているタイプの人間です。

だからこそ、土台をおろそかにすることなく、その上に積み上げていく中で、自分自身が形から少し外れてみる。

そこから自分らしさを出し、それが自分自身のパーソナリティにつながっていく。
こんな年齢の重ね方ができたらいいなと思っております。
皆さんのこれからの中で、少しでも参考になっていただけたら嬉しいなと思っております。



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