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2021年上半期ベスト映画

上半期終了時点での劇場での新作洋画の鑑賞本数は18本。
さすがに、社会人になって以降で最も劇場での年間の新作映画鑑賞本数が少なかった1995年(4月から9月は仕事がめちゃくちゃ忙しく、10月から12月は窓際族にされメンタルをやられていた)の22本は上回るとは思うが(ちなみにこの年は邦画はゼロ)、今年の年間の洋画鑑賞本数はかなりの低レベルになるのは間違いないと思う。

その理由は今年の最初の数ヵ月は間違いなく洋画の供給不足だった。
しかし、春に米国のNYやLAでの映画館の営業再開に伴い洋画新作の供給が再開されたにもかかわらず、日本で洋画を見る機会が減っているのは、日本のシネコンで新作が上映されても、上映回数が少ないために見ることができないからだ。

邦高洋低と呼ばれる興行になって久しいが、コロナ禍になって、今年の春くらいまでは新作洋画、特にハリウッドのメジャー系作品の供給がほとんどストップしていた一方で、その間にチェックしきれないほど、ものすごい量の邦画(アニメ含む)が公開されていたのだから、そりゃ、映画ファンの興味は邦画にうつってしまうし、映画館側だって、洋画は金にならないから上映回数を減らそうとなるのは当然だと思う。

そんなわけで上半期公開作品で興収10億円を超えた洋画は「モンスターハンター」のたった1本しかないという異常事態になっている。
しかも、「モンハン」って元は日本のコンテンツだし、この映画には、日本の映画会社が出資しているし、日本の女優も出ているから、純粋な洋画とはいえない部分も多いからね…。
つまり、洋画は全然、見られていないってこと。

まぁ、洋画に限らずだけれど、映画館離れは加速しているよね。

●緊急事態宣言の影響で公開日程の変更が相次ぎ、新たな日程を追うのが面倒になった。

●緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の影響で、映画館が時短営業になったため、仕事やバイト終わり、夜勤前などに映画館に行けなくなった。

●緊急事態宣言の影響で公開日程が変更された作品と、元々、公開予定だった作品が相次いで同時期に公開され、見たい映画を全て見るのが難しくなっているのに、そのせいで、それぞれの作品の上映回数が少なくなっているから、見る機会がなくなっている。

そんなことが重なれば、映画館に行くの面倒になるよね…。日本の映画業界は観客のことを考えていない!

制作会社・配給会社・宣伝会社・興行会社だけじゃ映画業界は成立しないんだよ!観客がいてはじめて成立することを考えて上映スケジュールを立てろ!

そうした状況の中、かろうじて見ることができた洋画の中から選んだ上半期のトップ5は以下の通り。

《上半期洋画トップ5》

①ファーザー
アンソニー・ホプキンスのアカデミー主演男優賞受賞は、アカデミー賞が白人高齢男性のものだからではない!本作の彼の演技を見たら大納得!
そして、どこまでが事実で、どこまでがそうでないのかが明確にされていないのに、あきることなく見せてくれる演出や脚本、編集もお見事!
というか、認知症を題材にしたヒューマン・ドラマかと思ったら、ホラーだった…。

②どん底作家の人生に幸あれ!
チャールズ・ディケンズの名作文学「デイヴィッド・コパフィールド」が原作なのに、こんな邦題をつけてしまう日本の映画業界に失望した。
作品自体は良作!

③ノマドランド  
まぁ、消去法でいけば、アカデミー作品賞はこれしかないよね。アカデミー作品賞は、時代の空気感をうつすものだから、米国では政権交代が起き、米エンタメ界は現政権を支持しているということを考えれば、前政権時に問題となった格差社会を批判する本作は作品賞を取りやすいよね。
しかも、監督が女性でアジア人というのは、女性やマイノリティ優遇という今の政権の人事にも通じるものがあるしね。

④クルエラ
⑤ラーヤと龍の王国
劇場公開と同時に売店でブルーレイを売るアニメのイベント上映は歓迎するくせに、劇場公開と同時に配信するディズニー映画の上映はボイコットするという全興連の方針は矛盾だらけ。
なので、全興連への抗議の意味も込めて、この2作品を選出。まぁ、普通なら上半期トップ5に入るほどの出来ではないが、何しろ、洋画鑑賞機会が喪失されている現状では、これを選ばざるをえないって感じかな。

洋画に対して、邦画は新作を劇場で57本も見ている。このペースでいけば、年間換算は初の邦画のみでの100本超えも確実な情勢だ。
ところが、上半期トップ5に入れたいと思う作品が数えるほどしかない。
結局、映画館で映画を見ること自体が好きだから、大量に供給されている邦画を見ているが、コロナ禍に強行公開されている邦画って、出来が悪いから、興行成績の不振を言い訳できるこの時期に公開している作品が多いんだなってのよがよく分かる。

ハリウッドが延期に延期を重ねて、やっと、米国でのワクチン接種が進んだタイミングで「ワイスピ」最新作を公開し、大ヒットさせているのは、それだけ、埋もれさせたくないという自信があるからなんだろうね。

そんな凡作・駄作だらけの邦画の中から選んだ5本は以下の通り。
ちなみに、邦画好きの連中や映画マスコミは、やたらと、「ヤクザと家族 The Family」とか、「すばらしき世界」といった、ヤクザにも人権を与えろ系の作品を絶賛するが、あんな社会の害悪は一生つぐなってもつぐいきれないほどのことをやっているんだから、人権なんてなくても仕方ないと思う。血筋にそういう輩がいて迷惑だったので、そんな綺麗事にはふざけんなという気持ちしかありません。なので、この2本は評価しません!

《上半期邦画トップ5》

①まともじゃないのは君も一緒
この作品くらい振り切っていれば、朝ドラ「おかえりモネ」の清原ちゃんの演技も批判されないのにねって思う。つまり、「モネ」は脚本や演出が悪いってこと。

②シン・エヴァンゲリオン劇場版:||
これをこのポジションに選んでしまうくらい、上半期の邦画は凡作・駄作だらけだった。
綾波やアスカにガチ恋しているような古参オタは本作を批判しているようだが、ここまで、きれいにまとまった完結編はないと思う。
テレビシリーズ、旧劇と2度も、きちんと最終回を描くことに失敗していたことを考えれば、今回は上出来!

③砕け散るところを見せてあげる
清原ちゃんの“うっす!”と挨拶するシーンだけでも見る価値があると思う。トップ5内に複数の清原ちゃん出演作品を選んでいることからも分かるように、彼女が出ている映画を見るのが大好きです。

④すくってごらん
ツッコミどころだらけだが、まぁ、和製ミュージカル映画としては上出来では?ももクロ赤みたいな娘と知り合ったら、誰でも好きになっちゃうよね。

⑤プリンセス・プリンシパル Crown Handler 第1章
イベント上映のアニメを5本のうちの1本に選んでしまうほど、いかに凡作・駄作の公開が多かったってことかな。本作は完全に「裏切りのサーカス」だったけれど、面白かったから良しとしよう。

《上半期ワースト(洋画、邦画問わず)》

名も無き世界のエンドロール

世の中には、映画をエンドロールまできちんと見る人をバカにする連中が多い。
映画館なんかでは座ってエンドロールを見ていると、“とっとと席を立て。お前はマナーがなっていない”みたいな態度を示す客が結構多い。
個人的には、こういう連中は大嫌いだ。
エンドロールを見ないのはそいつの勝手だが、きちんと見ている人間の邪魔をするんじゃない!

そもそも、絶賛するにしろ、酷評するにしろ、映画を批評する資格があるのは、エンドロールを含めた映画の全てをきちんと見た人間だけだ!
(瞬きくらいはしていいよ)

そして、エンドロールを見ている人間をバカにしている映画制作者にも腹が立つ。
ハリウッドのコメディ映画のエンドロールでよく、“まだ見てんの?とっとと帰りなよ”ってメッセージが出てきたりするのは、きちんとエンドロールを見ている人へのサービスだから、別にバカにしているわけではない。

でも、本作はエンドロールという言葉をタイトルに入れておきながら、エンドロールを見る人をバカにしているので腹が立った。

エンドロールの最後に後日談が出てきたと思ったら、すぐにブツって終わって、後日談を描いた配信ドラマの宣伝になったのは酷すぎる!

マーベル映画とか、日本のテレビアニメの劇場版とかで、エンドロールの終わりとか最中に次回作を匂わすカットを入れるのは全然問題ないんだよね。同じシリーズの映画同士をつなぐ映像なんだから。

でも、配信ドラマの予告を入れるのはなしでしょ。映画じゃないんだからさ。そういえば、「太陽は動かない」のエンドロールでテレビドラマ版のダイジェストが流れていたのもクソだったな。

結局、配信会社やテレビ局ってのは、映画に対する愛がないってことだね。
Netflixはエンドロールに入ると強制的に広告画像がデカデカと提示されて、エンドロールは縮小されてワイプ画面での表示にされてしまうからね。
それに、日本の地上波なんて“本編ノーカット”という言葉を使うくらい、エンドロールを見せる気がないしね。

そりゃ、そんな配信会社やテレビ局が作った映画ばかりになれば、映画ファンが満足する邦画も減るわけだ。

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