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買うのをやめることに決めた雑誌

最近、雑誌を買う意味がなくなってしまったなというのをつくづく実感する。

その理由は大きくわけると2つ。情報の遅さと情報の少なさだ。

まずは情報の遅さについて。
インターネットの発達によって情報は世界に同時に届けることができるようになった。
紙の新聞(一般紙のほとんど)はそれでも日曜日や祝日、年末年始、新聞休刊日以外は朝刊と夕刊の2回発行されるし(日曜日や祝日、年末年始は朝刊のみ。休刊日は夕刊のみの発行)、朝刊と夕刊の両方が休刊となるのは1年のうちで1月2日しかない。だから、ネットとのタイムラグは最小限で抑えられている。
でも、雑誌となると、週刊にしろ、月刊にしろ、ネットで情報が発せられてからそれが誌面になるまでにはかなりの日数が経過してしまう。月刊誌の製本スケジュールを考えたら、下手すれば1ヵ月以上前の情報が掲載されることになるわけだしね。

続いて情報の少なさについて。
古い情報だらけの雑誌なんて意味ないとなれば、そりゃ、買う人は減る。
だから、取材費や人件費など雑誌を作るための予算は削られていく。その結果、全体のページ数は減り、カラーページも減る。そして、価格も上がるから、さらに客離れが起きる。
また、若い人はネットで見た情報だらけの雑誌なんて買うのは無駄だと思っているから、買うのは中高年ばかりになる。そして、彼等に合わせれば文字を大きくしなくてはならなくなる。かといって、文字を大きくした分、ページ数を増やすということはできない。 結局、掲載する情報を減らすしかないんだよね。

12月時点で毎号買っている雑誌は、表紙や巻頭特集、付録などが推しのアイドル絡みの時だけ買うグラビア雑誌とか、特集内容が興味深いものの時だけ買うエンタメ系雑誌などを除くと、以下の5誌だ。

日経エンタテインメント!
BURRN!
rockin'on
キネマ旬報
リスアニ!

このうち、日経エンタテインメント!、BURRN!、rockin'onの3誌の購入をやめることを決意した。

2019年の消費増税以降、金の減りがはやくなったという自分の経済事情が最大の理由だが、それと同時に先述した情報の鮮度というのも大きな判断理由になっている。

購読を停止する3誌はいずれも月刊誌だ。
キネマ旬報は月2回の発行だから、月刊誌に比べれば、まだ鮮度はある。
また、リスアニ!は季刊誌だから、逆に3ヵ月分の動きをまとめて把握するという役目も果たしていたりする。
要は今の世の中では月刊誌というサイクルが一番、情報収集という意味では使いものにならないということだ。

各誌の購入をやめる理由は以下の通りだ。

日経エンタテインメント!

売れなくなった雑誌の多くはジャニーズやイケメン俳優を表紙やグラビアに起用することが多い。
何しろ週刊プレイボーイですら山下智久を表紙にしたくらいだ。
それはつまり、女性の方が購買力があるということ。

差別的だと言われるかもしれないが、あえて言わせてもらうとすると、女性は水商売や風俗でオタ活の軍資金を稼ぐことができるが、男でホストなどで稼ぐことができる人間なんてわずかしかいない。

何故、男の購買力がなくなったかといえば、賃金が上がらないのに、税金や公共料金は上がる。そして、ステルス値上げのみならず最近は原料高や円安を背景に本当の値上げも増えているからだ。

本来、円安は円の価値が下がることなのに、特定の企業に配慮して円高は景気に良くないと洗脳してきたバチがあたったといった感じかな?
だから、趣味に使える金なんて減るわけで、ましてや、古い情報だらけの雑誌なんて真っ先に“リストラ”の対象となる。
自分がいくつかの雑誌の購入をやめた理由もこうした財政的なものだしね。

でも、そうしたオタ活に金を使える女性に媚びた誌面作りをした雑誌というのは、本来の読者からすると、全然、欲しい情報ではない。
多少、鮮度が落ちてもいいから従来の路線の情報が欲しい。というか、本誌に限っていえば、発信されてから時間が経った情報でも、日経グループならではの経済ニュース的視点で分析してくれることを期待しているのに、ジャニーズやイケメン俳優のグラビアなんていらないんだよね。

それから、記事に見せかけたタイアップ、要はステマが多すぎる!

ここ数年、年末になるたびに購入をやめようと考えていたが、今年は本気でやめようと思う。ページ数も減ってペラペラだしね。
1997年の創刊号は何故か買わなかったけれど、2号からは買っていたんだよね…。

今後は特定のアイドル、例えば、乃木坂とかHKTとかにフォーカスした増刊が出た時だけ買うって感じになりそうかな。

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BURRN!

読者層が高齢化しているし、編集・ライター陣もロートル化しているので懐古記事だらけというのがまず買う必要がないと思う最大理由だ。

また、洋楽HR/HM雑誌のはずなのに邦楽アーティストの記事の分量が増えているのも納得がいかない。
それは邦楽アーティストに特化した別冊の「BURRN! JAPAN」やガールズバンド特集号も頻繁に出している不定期刊行の「METALION」があるのだから、それでやればいいんだよ。

百歩譲って、LOUDNESSなど全米アルバムチャートにランクインしたアーティストを取り上げるならともかく、洋楽HR/HM好きの99%(特に40代以上)が嫌っているB'zを表紙&巻頭特集にしたりするんだから呆れてしまう。
さらに、やたらとガールズバンドをプッシュしているのは、パブ案件にしか思えない。
そのくせ、邦楽アーティストで唯一、全米ロックチャート及びハードロックチャートで首位を獲得したBABYMETALは無視状態(メタリカのオープニングアクトを務めた時だけは仕方なく取り上げたけれど)というのはポリシーがなさすぎる!

金をもらえば誰でも取り上げるし、枕営業みたいなものもあるなんてウワサもされているが、それが本当に思えてくるほど、年々、BURRN!の内容は酷いからね。

立ち読みのみで済ませていて、かなり好きなアーティストを特集している時だけ買っていた時代を含めると30年近い付き合いだけれど、今後は不定期刊行の「METALION」でどうしても気になる特集をしている時だけ買うって感じになりそうだ。

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rockin'on

BURRN!同様、懐古記事だらけなのが買うのをやめようと思った最大の理由だ。というか、懐古記事だけならまだいいんだよね。過去のインタビューの再掲が多すぎるんだよ!そんなの雑誌としての価値ないでしょ。別冊とかムックでやってくれよって感じだ。

あと、米民主党が正しい。Black Lives MatterやMeTooの理念には何の曇りもないみたいな主張をしておきながら、過去にアジア人に対する差別的な言動を取っていたビリー・アイリッシュに対する批判的なコメントはしないし、コロナ禍での強行開催が批判されたスパソニに関しても全面的なマンセーコメントしか発していない。

さらに、こちらは洋楽ではなく、JAPANの方だが、東京五輪開会式に関わるはずだった小山田圭吾が過去に障害を持つ同級生をいじめて楽しんでいたことが明らかになった際に、ロッキング・オンは過去に小山田の悪行を面白おかしく報道していたにもかかわらず、小山田を擁護していると捉えられても仕方ないような対応をしたことも不信感が募った要因だ。

こうした矛盾だらけのリベラル思想には腹が立って仕方ない!

また、洋楽の最新情報を届ける雑誌のはずなのに新譜レビュー欄をカラーでなく白黒にしてしまったのは、最新情報を届ける気がないと批判されても仕方ないと思う。
というか、レビュー欄だけならまだいい、最近はコールドプレイの新譜リリースに合わせたインタビュー記事ですら白黒だ。もう、最新情報を届ける雑誌としての責務を果たしているとは言えないと思う。

オルタナ旋風が巻き起こった90年代初頭あたりから読みはじめ、90年代半ばには毎号買うようになっていたし、2000年代末あたりからのロートル路線は笑いながら黙認していたけれど、さすがに今回の小山田容認、スパソニマンセー路線でガマンの限界に達した。

今後は年末のベスト・アルバム発表号みたいな時は買うかもしれないが、基本は買わないことにした。なので、ベスト・アルバム発表号で恒例となっている付録のカレンダーを使うのも今年でやめることにした。

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