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BTS: Yet To Come in Cinemas

女性グループだろうと男性グループだろうとK-POPのライブに男が参戦するのはなかなかハードルが高い。カップル・夫婦・子連れならともかく、男だけの集団や男のボッチ参戦だと非常に肩身の狭い思いをする。まぁ、ライブの運営・チケット販売サイドも女性優先で当選者を決めているようなフシもあり、これまでに応募して(NiziU含む)当選したライブはTWICEの1回だけしかない。これが現時点では唯一参戦したK-POPのライブだ。だから、肩身の狭い思いすらなかなかできないのが現状ではあるが。

女性グループですら、なかなか男には参戦の機会が訪れないのだから、さらに男性グループとなると参戦は難しく、仮に当選したとしても会場では圧倒的なマイノリティになるわけだから居場所のなさを感じるのは間違いないと思う。

しかし、それでもBTSのコンサートには行ってみたいと思っていた。
コロナ禍になり来日公演が行われなくなってしまったところへ来て、グループは活動休止を発表。さらにメンバーが兵役に就いたということで、日本公演が次に行われるのはいつになるのか分からないという状態になってしまった。というか、活動再開されるのかどうかだって分からない。

それから、米国のBillboardがチャートを集計する際に組織的なダウンロードによるセールスポイントに制限をかけるようになったこともBTSのオワコン感を助長してしまった…。
自分はネトウヨではないので、BTSの人気は捏造だとは思っていないし、良い曲もたくさんあると思う。でも、欧米のヒットチャートでの成績という面では捏造とは言わないまでも、良く言えば組織票、悪く言えばチャート操作(どちらも好意的な言い方ではないか…)のようなものはあったと言わざるを得ないと思う。

2020年には英語曲“Dynamite”、ジョーシュ685とジェイソン・デルーロとのコラボ曲“Savage Love”、韓国語曲“Life Goes On”の3曲が総合チャートであるBillboard Hot 100でナンバー1ヒットとなった。
また、2021年にも英語曲の“Butter”と“Permission to Dance”、コールドプレイとのコラボ曲“My Universe”と3曲が首位を獲得した。
しかし、Billboardが集計方法を変えた途端、活動休止前最後のシングル(コラボ曲を除く)である2022年リリースの“Yet to Come (The Most Beautiful Moment)”は最高位13位に終わってしまった。ベニー・ブランコとスヌープ・ドッグとのコラボ曲"Bad Decisions"は何とかトップ10入りしたが、それでもギリギリトップ10入りの最高位10位だった。

結局、欧米のヒットチャートでの好成績は韓国人やコリアン系欧米人を中心にしたアジア人・アジア系欧米人が組織的に複数回のダウンロード購入をしていることによって成り立っていたことが明らかになってしまったんだよね。まぁ、ネトウヨでなくても悪い印象を持つようにはなるよね。

本当にBTS人気があるのは韓国や日本などアジア地域に限った話だというのがチャートの集計方法の変更で明白になり、世界のBTSアピールが難しくなってしまったので、個人的には活動再開は難しいんじゃないかなという気もする。

仮に3年ほど経って活動再開したとしても、その頃には1人を除いてメンバー全員が30代になっているわけだし、アイドル的な人気やヒップホップ的なイメージに支えられていたのだから、聞かせるボーカル・グループといったタイプではない彼等が今まで通りに活動するのは厳しいと思う。
活動休止前にアダルト路線の新曲でも出していれば良かったんだけれどね。まぁ、BTSが日本向けに出していた日本語オリジナル曲はバラードやミディアム系が多かったから、復活するとしたらこの路線なんだろうが、K-POPファンはこうした楽曲はあまり好みではないようだから、アダルト路線での復活も難しい気がするな…。

そんなわけで、本作は活動休止に入る直前に行われた釜山公演を収録したものだ。これが本当にラスト・ライブになってしまうのかどうかは分からないが、たとえ、操作されたチャート成績であったとしても、ひと時代を築いたグループの一区切りを記録したものとしては見る価値のある作品だとは思う。

基本的にはコンサートから余計な間とか一部MC、本編とアンコールの間などをカットしただけのいわゆるライブビデオなので映画としてどうこう論じるようなものではなかった。

なので、単なるパフォーマンスや会場の雰囲気の感想になってしまうが以下に列記したいと思う。

韓国ってとっくの昔に声出し解禁していたんだね。コロナに対する国や自治体の対策、国民の感染症への意識は日本と似たようなものなのに、エンタメ界の対応はかなり異なるようだ。日本ではつい最近、スタジアム・アリーナ級の会場での声出しが解禁されたばかりだしね(それでも、会話程度とかの制限をつけているところもある)。

あと、ライブの進行の仕方が日本のアイドルのライブとほぼ同じであることにも驚いた。

開演から3曲ほど盛り上がり系の曲を歌って、メンバーの自己紹介&MCをするなんて完全にそうだ。まぁ、MC中にバック・バンドが伴奏しているのは日本のアイドルではあまり見かけないけれどね。というか、日本のアイドルのライブは生バンドの伴奏がついていないことの方が多いが…。

煽りでメンバーが“楽しむ準備できてますか?”ってやるのはまるっきり同じ。

ライブ開催日およびその付近で誕生日を迎えるメンバーをファンや他のメンバーが“サプライズ”という設定で祝うのもそう。
ところで、日本では“Happy Birthday to You”って、そのまま英語詞で歌うことが多いけれど、日本以外の非英語圏の国って、韓国もそうだけれど自分の国の言語の歌詞で歌うことが多いよね。多分、日本の慣習がおかしいんだとは思うが。

あと、これも“サプライズ”という体で観客がブロックごとにペンライトの色を変えて文字や記号を作りメンバーへのメッセージを発信するというのをやるけれど、これもやっていた。まぁ、大抵は生誕委員とかFC、運営などからの“指示”でやっているんだけれどね。

やっぱり、韓国芸能界のベースって日本の芸能界にあるんじゃないかって気がしてきた。

日本の芸能界が米国のショウビズ界をアレンジしたように、韓国芸能界も日本の芸能界をアレンジしたのでは?

セトリについても一言。同じようなタイプの曲を3曲ほど歌って、次のパートへ行くという構成も日本のアイドル系ライブでよく見かけるパターンだよね。

披露した楽曲については、おそらく、デビュー当初から追っていたファンには嬉しいセトリなんだろうけれど、日本のオリコンのチャート上位に入るようになったり、Billboard Hot 100のトップ40内に続々とランクインしたりするようになった2017年辺りからBTSに注目するようになった自分のようなライト層からすると、ちょっと物足りないかなと思ったりもした。“Fake Love”とか“Life Goes On”、“Permission to Dance”など、聞きたいなと思った曲が何曲もあったしね。
そして、自分のようなライト層からすると、“Dynamite”、“Boy with Luv”、“Butter”と洋楽路線の曲を3連発でやったブロックが一番楽しかった。

《追記》
観客は推定オーバー40の女性ばかりだった。BTSが若い女性に人気があるという話はウソだったのか?結局、ヨン様の頃の韓流ブームと同様に男性K-POPグループのコアなファン層はオーバー40の女性なのか?

もしかすると、K-POPのファンって男性グループはオバサマがコア層で、若い女性が好きなのは女性グループみたいになっているのかな?

しかも、QRコード式のチケットに慣れていないというか普段、映画館に行かない中高年ばかりのせいか、全然、入場の列が進まなかった。

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