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東日本大震災を扱った映画って微妙な作品が多いなと改めて思った「やがて海へと届く」

浜辺美波がビターズ・エンド配給作品に出演するというのは正直言って驚きだった。

ブレイクのきっかけとなった「君の膵臓をたべたい」以降の出演映画は、「咲-Saki-阿知賀編 episode of side-A」や、「賭ケグルイ」シリーズといったテレビドラマの劇場版を除けば、主演・助演問わず、前作までは全て東宝配給作品だった(東宝映像事業部作品含む)。声優として出演した3本のアニメ 映画も東宝作品だ。
そりゃ、東宝シンデレラオーディション出身者なんだから、活動の場が東宝作品中心になるのは当たり前なんだけれどね(山崎紘菜のように他社作品が多い人もいるが)。

また、出演作品の減少も気になるところだ。
ブレイク以降で見てみると出演作品数はこんな感じだ(劇場公開映画とテレビドラマに限定)。

2018年
映画3本(うち主演・ヒロインは1本)
ドラマ5本(連ドラ2本、SP1本、ゲスト出演1本、単発1本)
2019年
映画4本(アニメ 含む、全て主演もしくはヒロイン)
ドラマ2本(短期集中1 本、SP1本)
2020年
映画4本(主演2本、ゲスト1本、ゲスト声優のアニメ 1本)
ドラマ3本(全て連ドラ)
2021年
映画2本(主演1本、ゲスト声優のアニメ1本)
ドラマ2本(連ドラ1本、単発1本)
2022年(現時点)
映画1本(本作、主人公の親友役)
ドラマ1 本(連ドラ)

明らかに去年から減少している。

一瞬、東宝以外の地味な映画に出演したことや、出演作品が減少していることは、恋愛報道の影響で人気が落ちてしまったのではないかと思ってしまった。

確かに彼女のファンには可愛いという理由で推している人が多いと思う。つまり、彼女の人気はアイドル的なものだと言える。

でも、“恋愛スキャンダル”が出たのは去年9月だ。出演作品はそれより前から減少していたし、本作はどう考えても、それより前に撮影されているはずだからそれはない。

となると、彼女が所属する東宝による猛烈プッシュ期間が終わり、脱アイドル女優を目指して、今後の活動方針を模索している。だから、東宝以外の映画会社の作品に出演したり、ドラマも含めて出演作品が減ったりしていると見るべきなのかなという気もする。

同じ東宝の先輩、長澤まさみのここ数年の出演映画を見てみると、「マスカレード」シリーズや「コンフィデンスマンJP」シリーズといったホームの東宝作品もあれば、ハリウッドメジャー、ワーナーの邦画作品「すばらしき世界」や左寄り独立系スターサンズの「MOTHER」、中国映画「唐人街探偵 東京MISSION」もある。そういう風になることを目指しているってことなのかな。

そんなわけで、ミニシアター向け作品の浜辺美波はどんな感じなのかと、怖いもの見たさな感じで見てみることにした。

主人公の親友役ということは、W主演なのかなと思っていたが、実際に見てみると、岸井ゆきのの単独主演作だった。
それにしても、岸井ゆきののブサ可愛い、ダサ可愛いみたいなキャラ設定って、ずっと続いているよね。本作でもそうだったし。
朝ドラ「まんぷく」で、そういう扱いのキャラを演じたせいで、そのイメージが定着してしまったのかな。
個人的には、地下アイドルとか風俗嬢で、彼女みたいなタイプがいたら、ガチ恋状態になってしまうと思う。

とりあえず、出番は少ないけれど浜辺美波は可愛いかった。彼氏がいようが、いまいが、とりあえず、結婚するまでは、何とかアイドル的人気は保てるような気がする。結婚しても、ファン離れを起こさないためには、初婚時の宮﨑あおいみたいに文句のつけようのない演技力をつけることが必要だとは思う。まぁ、宮﨑あおいは再婚後、仕事をセーブするようになってしまった=露出が減ったので、人気・知名度が自動的に低下してしまった面はあるけれどね。

話自体はツッコミどころだらけだった。

猫のポーチは結局、どうなったんだよ!
あと、におわせ百合展開もなんだかなという気がする。

それから、主人公は家具の仕事をしたいと言っていたのに、何故、ホテルのバー(レストラン?)の仕事をしているんだ。
しかも、その上司が昔はメタリカが好きだったと言っていたが、メタリカ好きな人はヘビメタ なんて言葉は使わないぞ!
ヘヴィ・メタル(ビではなくヴィ!)とか、メタルと言うはずだ。

さらに、その上司が自殺した際に主人公は有給を取るが、何故、彼氏でもなんでもない同僚と一緒に過去を巡る旅に出かけたんだ?
それとも、彼氏でなくても気になる存在とかだったのか?だったら、そういう描写をきちんと入れろよ!

そして、一番の問題点は東日本大震災の描写だ。本作に限ったことではないが、こうした作品って、どれも中途半端なんだよね。
朝ドラ「おかえりモネ」も、映画「護られなかった者たちへ」もそうだし、本作もそうだが、大震災発生時や直後の描写がないんだよね。

●日本人なら誰でも知っているから、わざわざ、そのシーンを入れなくても理解してもらえる。
●遺族や生存者のPTSDを引き起こす可能性がある。
●日本の映画やドラマではリアルに地震や津波を再現するだけの予算がない。

この辺が理由だとは思うが、そういう描写を一切描かないのなら、東日本大震災を題材にする意味はないと思うんだけれどね。

そして、そういうシーンがないことをごまかすために、本作ではイメージ的なアニメーションと、モキュメンタリー的な要素が取り入れられている。

前者に関しては、何となく津波に飲み込まれた親友の描写はされてはいるが、ぼんやりとした描き方なので、やっぱり、イメージ映像のようにしか見えない。

後者に関しては、わざわざ、インタビューに応じている人が言い間違いを訂正するところをそのまま見せたりとか、同ポジのカット編集で見せたりして、実際の被災者インタビューのように見せているが(おそらく何人かは素人を起用していると見受けられる)、それって、地震や津波、その後の被害といったものの描写がないためにリアリティに欠けていると分かっているから、やっていることでしょ?

だったら、そんなメタなことはやめて、たとえ、10秒でもいいし、安っぽいセットでの撮影でもいいから、発生の瞬間を見せるべきなのでは?

あと、この手の東日本大震災を題材にした作品って、登場人物が、ただ“震災”と言うことが多いのも違和感があるんだよね。

東日本大震災のわずか5年後には熊本で大地震があったし、16年前には阪神大震災があったわけだしね。
それどころか、最近だって、震度4や5クラスの地震はたびたび発生している。まるで、東日本大震災以外は震災ではないみたいな言い方は気になって仕方ないかな。
極論を言えば、震度1の地震で、食器棚から皿が落ちて割れたりしたケースだって、“震災”なわけだしね。

全体としては、カルト映画一歩手前の作品って感じだったかな。

最近の邦画でよく見かける、別視点で描いた既出シーンを終盤に見せて種明かしするという構成もなんだかなという気がする。
邦画信者って、こういうのをすぐ絶賛するけれど、そんな構成はクソだよ!
きちんと脚本の書き方を学んでいたら、こんなことはしない!

ぶっちゃけ、完全な夢オチにしてもらった方が納得できたかも…。

まぁ、浜辺美波の可愛いさと、岸井ゆきのの不思議な魅力で何とか見られたけれどね。

《追記》
そういえば、スマホになってから留守電のメッセージの消去ってしたことないなということを思い出した。そして、ふと今使っているスマホの履歴を見たら、かなり昔のメッセージも残っていた。
そもそも、メールだショートメールだLINEだってあるから、留守電にメッセージを残すという習慣ってなくなりつつあるしね。

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