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更年期中の女性の不眠と漢方薬

こんにちは、宇都宮市・天明堂薬局の中山です。

暑い日々、寝苦しい夜を過ごされている人も多いと思います。
不眠になる原因は様々ありますが、更年期障害も不眠の原因になります。

そのポイントは陰陽のバランスです。

更年期中の女性は陰が低下し陽が高まる

漢方には陰陽学説というものがあり、この世のものは全て陰か陽の特徴を持つと考えています。

具体例を挙げると分かりやすいと思います。

陽→男、昼、太陽、温かい、外向き、行動、上昇、軽い
陰→女、夜、月、寒い、内向き、静止、下降、重い

という具合です。

陰陽は時に強弱があったり、敵対したり、互いを支えあったりしていますが、大切なことは陰陽のバランスが保たれていることです。
昼間は陽の時間帯なので、明るい場所で活動的に過ごすことが理想的ですし、
夜は陰の時間帯なので、暗い場所で穏やかに過ごすことが理想的です。

さて、ポイントは【男は陽、女は陰】と考えられているところです。

女性が更年期に入ると、卵巣機能が急激に低下します。
これすなわち【陰が急激に低下する】です。

急激に陰が低下してしまうと相対的に陽が高まってしまいます。
その結果、心も体も【陽】の性質が強くなり、イライラ・火照り・多汗などいわゆる典型的な更年期障害の症状があらわれます。

睡眠は陰である

さて、睡眠は陰と陽、どちらだと思いますか?
夜、ベッドで横になり、動かず、思考も体も静止している
この状態は間違いなく【陰】ですよね。

更年期中の女性は心身が陽の状態になってしまうため、陰の時間帯になっても陽が高く結果的に寝付けない・眠りが浅くなる、という症状が目立つようになります。

これが更年期中の女性の不眠の原因なのです。

清熱補陰薬で快適な睡眠を

このように陰が低下し陽が高まっていることで不眠になっている場合はどの様に改善するのか?
その答えは実にシンプルです。
陰を補って陽を下げる漢方薬を服用すればよいのです。

代表的な漢方薬には天王補心丹があります。
もし天王補心丹だけでは十分に陽が下がらないのであれば、もう少し陽を下げる漢方薬を併用するのも良いと思います。
この辺りは体質や生活習慣によって異なってくるのでカウンセリングの上で判断したいところです。

また、更年期中の女性は夕食に香辛料の入った料理を食べるのは絶対にNGです。

香辛料は体を温めるため、さらに陽に傾けてしまいます。

夕食のカレー、麻婆豆腐、アルコール、たばこ、は不眠になりやすくなるので控えてくださいね。

まとめ

一口に不眠と言っても原因は様々です。
『眠れないから睡眠薬』ではなく、『どうして眠れないのか?』原因を探り、それに合わせたバランスを整える漢方薬を服用するとよいでしょう。

女性は誰しもが通る更年期。
もし不眠で悩まれているんであれば、陰陽を整えてみませんか?
きっと良い睡眠がとれるようになりますよ?

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