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トライアスロン参加者の年齢構成の変化(横浜トライアスロンの場合)

はじめに

前回佐渡国際トライアスロン大会の年齢構成の変化について書いたけれども、より距離が短い横浜トライアスロンも同じように高年齢化が進んでいるのか確認してみた。横浜トライアスロンはスイム1.5km、バイク40km、ラン10kmの所謂オリンピックディスタンス(OD)の距離で行われている大会。山下公園を中心会場として行われていて、観光名所の氷川丸の横を泳いで、普段は入れない埠頭の中をバイクで走り、ランは山下公園から赤レンガ倉庫の間を走る。バイクはホテルニューグランドの前で折り返すので応援の観客も多い。
また、エイジグループのレースの前日にはエリートクラスのレースも行われるので、前日にオリンピックに出ている人達のレースを間近で見る事もできる。

使用データ

横浜トライアスロンのデータは2011年から2023年のものがネットに公開されていた横浜はコロナ中の2020年は開催しなかった。横浜は抽選なので、参加者の年齢分布は応募者と同じと考えて良いと思われる。

男子参加者の年齢分布

男子参加者の割合をグラフにしてみた。佐渡国際トライアスロン大会と同じような傾向で、年を追うごとに参加者の年齢層が高くなってきているのがわかる。2011年の大会の参加者は約64%が45歳未満だったけれども、45歳未満の参加者の合計は年々減少していて、2023年大会では32%まで下がった。2011年の年齢構成と2023年を比べてみてわかるのが、40-44歳の割合の低下とそれに比較して50-54歳と55-59歳の増加だ。

横浜トライアスロン男子参加者の年齢分布

数字を詳しく見てみるとどのように変化しているかがわかる。下表は上のグラフの元になっているデータである。黄色でマークしているのが、その年の大会で一番参加者が多かった年齢層である。2011年から2015年までは40-44歳の年齢層が一番多かったが、2016年から2021年まではその一つ上のグループの45-49歳が最多となり、コロナ後の2022年と2023年はさらにその上の50-54歳が一番多くなっている。50-54歳のグループは2011年には92人しか参加していなかったが年々参加者は増えていて、2023年には238人と2011年から2.5倍も増えている。55-59歳のグループは2011年には31人しか参加していないが、2023年にはその4.7倍の148人にまで増えている。

横浜トライアスロン男子参加者の年齢分布

グループ毎にどのように人数が変化してきたかを折れ線グラフにしてみたのが下のグラフ。よく分かるのがオレンジのセンの40-44歳のグループの割合が顕著に低下している。その下の35-39際の水色のセンも減少傾向にある。その反対に増加傾向にあるのが、50-54歳、55-59歳、そして60-64歳である。

横浜トライアスロン男子参加者の年齢層の変化


女子参加者の年齢分布

女子の参加者は2011年の82人から2023年の170人と倍以上増えているが、佐渡と同じく少ないため傾向としてはあまり顕著に現れていないが、男子と同じく高年齢化は進んでいる。

横浜トライアスロン女子参加者の年齢分布

2011年に一番参加者が多かったのは35-39歳のグループだっかが、2012年から2014年は40-44歳、2015年は40-44歳と45-49歳がほぼ同じで、40-44歳が2018年までは最多グループだったが、2019年に45-49歳が最多になり、コロナ後の2022年と2023年には男子と同じく50-54歳が最多グループとなっている。

横浜トライアスロン女子参加者の年齢分布

平均年齢の変化

毎年の参加者の男女別の平均年齢を計算したものが下のグラフ。2011年と2012年のデータは年齢は含まれていなかったので2013年から2023年の11年間の変化がわかる。男子は2013年参加者の平均年齢は40.7歳だったが、2023年は48.2歳まで増えている。女子も同様に35.5歳から44.0歳に4.5歳増えている。

横浜トライアスロン参加者者の平均年齢

考察

佐渡国際トライアスロン大会と同様にオリンピックディスタンスの横浜トライアスロンでも年齢層は高くなってきている。ロングの大会とODの大会ともにほぼ同じ傾向で、44歳未満の参加者は横ばいか減少傾向である一方で45歳以上の参加者は増加傾向である。
トライアスロンに中年以降で参加する人はマラソンから来る人がかなり多い。10年前ぐらいからのマラソンブームをきっかけに中年になってマラソンを始めた年齢層がトライアスロンにも挑戦を始めるケースが多いのではないかと思う。一方でロードバイクの価格高騰や日本の景気が良くないので若い年齢層の参加者が増えないのではないかと思われる。
佐渡と横浜を比べると佐渡の方が男女とも佐渡の方が平均年齢が5歳ほど高い。トライアスロンを始めていきなりロングに挑戦する人もいるけれども、多くの人は数年間ODやミドルを経験してからロングに行くので、それが佐渡の方が年齢層が高い理由ではないかと思う。

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