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2020年 俺的ベスト・アルバム20(その1)

2020年のベスト・アルバムを20のうち、まずは前半10枚を紹介していこうと思います。世の中の流行とか、シーンにおける重要性だとか、そんなことは度外視してとにかくコード、メロディ、アレンジ、サウンド・プロダクションなど個人的にツボだったアルバムです。なので、この20枚から今年の流れを分析……みたいなことをするつもりはありません(分析しようもない)。選びながら、「ああ、俺って相変わらずこういう音楽が好きだよなあ」と思った次第。

最近はジェンダーバランスというワードをよく見かけますが、僕は昔からベストアルバム選考の際に女性アーティストの作品を多めに(半分か、それ以上)選ぶ傾向にあります。もちろん、意識してそうしているわけではなく。今年も20枚中13枚が女性アーティスト(もしくは、女性ヴォーカル)の作品です。だからどうしたというわけじゃないんですが、基本的に女性の声が好きなんですよね。男性ヴォーカルも、どちらかというと中性的な声が好きなようです。

それぞれの作品につき「まずはこの1曲!」という動画を貼っておきますので、それを聴いて気になった方は是非ともアルバム単位で聴いてみてください。ちなみに順不同です。

2020年は散々な年でしたが、個人的には仕事に恵まれ、プライベートも充実した日々を過ごしました。これもひとえに皆さまのおかげです。ありがとうございました。


「En Garde」 Ethan Gruska

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フィービー・ブレジャーズとも親交の深いイーサン・グルスカの新作。随所にビートルズの遺伝子を感じさせるし聴いていてとにかく気持ち良かった。

「The Slow Rush」 Tame Impala

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サウンド・プロダクションの快楽をここまで追求したアルバムは、他にないのでは。音楽性は違えど、個人的には初期レニー・クラヴィッツやブレンダン・リンチが生み出すサイケデリアに近いものを感じました。

「Waken」Cuushe

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待ちに待ったCuusheの新作。ひとまずこうして新作をリリースしてくれたことに感謝したいのですが、そういった背景は抜きにして傑作です。唯一の日本語詞が乗った「Spread」で涙腺崩壊。

「Swimmer」Tennis

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デビュー10周年を迎えた彼女たちの通算5作目。ちょっと初期のカーディガンズを思い出しました。

「All In One」Jaunt

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プリファブ・スプラウト愛がふんだんに詰め込まれたアルバム。男女混成コーラスのアレンジに悶絶。

「Linanne La Havas」Linanne La Hava

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ジャマイカ系の母とギリシャ系の父の間に生まれたシンガー・ソングライターによるサードアルバム。ミルトン・ナシメントやジョニ・ミッチェルあたりを彷彿とさせるネオソウルの担い手……と思いきや、レディオヘッドのカヴァーも秀逸でした。

「Woman In Music Pt. III」HAIM

HAIM_WIMP3_ジャケット写真

カリフォルニアの三姉妹バンドによるサード。レイドバックしたオーガニックなバンドサウンドと、アメリカーナに軸足を置いたポップなメロディ&コーラスは健在。ポール・トーマス・アンダーソン監督による、ニューカラーっぽいアートワークも最高です。

「græ」 Moses Sumney

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前作『アロマティシズム』からおよそ5年ぶり、サンダーキャットやラシャーン・カーター、ミゲル・アトウッド・ファーガソンら数多くのアーティストとコラボしながら制作された2部構成の意欲作。

『songs』Adrianne Lenker

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ビッグ・シーフのエイドリアン・レンカーによるソロ。マサチューセッツの山小屋で、デジタル機器を一切使用せずにレコーディングされたのは、アルバムタイトル通り、エイドリアンの歌とアコギのみ。時折挿入される鳥のさえずりや雨音が心地よすぎて泣けてくる。今年はこのアルバムにたくさん救われました。

「Sundry Rock Song Stock」Yves Jarvis

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前作「The Same But By Different Means」もベストアルバムに挙げましたが(確か)、よりサイケデリックでアブストラクトでフォーキーにシフトした本作も最高。

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