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人事データ分析の始め方②相関

お読みいただきありがとうございます。このnoteで普段は主体的に生きるために、人生で何をしたいかを探す自己分析、転職・留学などの転機に向けたスキルアップ、その後のライフイベントに関して綴っています。ただ今回も引き続き私が普段行なっている事業に関わる人事データ分析に関して書こうと思っております。

はじめに

今回は人事データ分析の始め方②として実際にデータの関係性みる分析手法に関して書こうと思います。

対象の読者イメージ

こちらの記事はすでに人事データ集めは始めているけど何もできていないという感覚をお持ちの方向けです。すでに”ゴリゴリ”エクセル回してますとかピープルアナリティクス をされている方向けでは引き続きありません。

ちなみに一つ目の記事はこちら↓

ちなみにツイッターでも人事経営子育て分析などに関して呟いておりますのでフォローいただけたら嬉しいです。

データ分析で最も大切なもの

前回のnote(↑)でも書きましたがデータ分析の手法を知るとやってみたくなりますが、そこはグッとこらえて一番大切なことを思い出しましょう。それは

分析を始める前になんでやるのか?目的や解決したい課題を考えること

なんの目的でこの分析をやるのか?の設定が超超超超超大切!

解決できたら嬉しい課題→課題が解決した時に変化する数値の設定→その数値を下げるのに効いていそうな数値の抽出

こんな流れで私はよく考えます。

今回のnoteでの解決できたら嬉しい課題は「離職率を下げる」として、課題が解決した時に変化する数値は離職率に従業員満足度が関係がある(従業員満足度が高ければ高いほど離職率が下がる)、従業員満足度が自社で高い社員はなんとなく論理的で感情的な人が多そうだという認識があると仮定します。

相関

分析はなんのためにするのか?その一つの理由は

"なんとなくそうかなが本当にそうなのか検証する"

ということです。なんとなくの暗黙知では実際役に立っているのかいないのかわかりません。

下げたり上げたりしたい課題解決にそう数値と関係がありそうな数値に本当に関係があるのか?これを分析してみましょう。

①まず(離職率に関係があるとわかっている)従業員満足度のデータを取ってくる。

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こんな感じでダウンロードしてきます。メールアドレスや社員番号が整っているとvlookupというエクセルの機能で結合する際便利です(ミツカリにも社員番号を登録する機能が付きダウンロードの際便利になりました!)。

(ここでは満足度総合で表されている従業員満足度の総合値が本当に離職に効いているのか?とか、使うべきは”満足度総合”かサブ項目例えば環境に対する満足度なのか?の精査に関しては割愛します。)

②次に論理的で感情的であることを数値的に示すデータを持ってくる。

これは適性検査の結果、アンケート、360度評価のようなみんなの意見でもいいですし、この仮説を思いついた人の主観的な数値でも良いと思います。一旦数値にしてデータで見てみるのはとても大事!(もちろん相関を高めるために恣意的に主観的な数値を使うのはダメ🙅‍♀️🙅‍♂️ですよ)

今回はミツカリ適性検査のデータで”論理的であることを好む”を表す論理重視(⇆想い重視)と”感情の出しやすさ”を表す情熱型(⇆冷静型)のデータを使います(この検査の結果が仮説を立てた時の”論理的で感情的な人”をきちんと表現しているかの精査は厳密には必要になります)。

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こちらのオレンジで網がけしている部分を使います。

③相関係数を取ってみる

相関係数(そうかんけいすう、英: correlation coefficient)は、2つの確率変数の間にある線形な関係の強弱を測る指標である[1][2]。相関係数は無次元量で、−1以上1以下の実数に値をとる。相関係数が正のとき確率変数には正の相関が、負のとき確率変数には負の相関があるという。また相関係数が0のとき確率変数は無相関であるという[3][4] 。(Wikipediaより引用)

こちらが相関係数の定義です。二つのデータ例えば従業員満足度と論理的な傾向という二つのデータが

・片方が増えるともう一方も増える

・関係がない

・片方が増えるともう一方が減る

のどの関係があるのかというのを-1〜1の値で表現したものとでもいいましょうか。

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ちなみにそれぞれのデータをXYと置くと散らばりと相関係数の図でのイメージは上記のようになるようです(出典:Wikipedia)。

相関係数をエクセルで計算する場合は

=correl(データセットA ,データセットB)

という関数を使用します。

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今回は論理重視に行けば行くほど(ミツカリの数値上はマイナスに表現)また情熱型に行けば行くほど(ミツカリの数値上はプラスに表現)満足度総合が上がる関係にあるということがわかりました。

相関係数はそれぞれ-0.49と0.6なのである程度相関があると言える数値かなと思います(この辺りの絶対値でいくつ以上の相関係数があればいいのか論争は割愛いたします)。

なんとなく関係があると思っていたものが相関があると言えることがわかりました。

因果は相関の一要素にすぎない

ここで

おっし!じゃあ論理的で感情を表す人を採用した方がいいぞー!

とすぐに言えるのかはには注意が必要です。まず相関と因果というのは似て非なるものだからです。

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上記のような関係を意識しつつそれでもこれを意思決定に使えるか、使えるならどの程度かなどを考えていくのが大切な作業です。

例外を大切にする

最近お客様との対話の中で気づいたのですが例外を大切にする姿勢は人事データ分析でとても大事だと思っています。特に人事というものはデータ分析で全ての結果がデジタルに表せるようなものではないからです。

わかりやすいように満足度が高いor低い×論理的で情熱的であるorないかでマトリックスを作って見ました。

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今回の分析でいうとAのゾーンに入る方は分析および予想通りと言えます。ただ多くの場合は例外として論理的で情熱的ないのに満足度が高い人(Bのグループ)や論理的で情熱的なのに満足度が低い人(Cのグループ)が出てきます。この人たちをどうやって可視化するか?やどのような対応を考えるべきか?は次回書いていければと思ってます。

最後に少し宣伝”ミツカリ”に関して

ミツカリは

人と企業のミスマッチを無くして仕事に不幸を感じている人をなくす

をビジョンに掲げたサービスです。現在2700社以上のお客様にご利用いただき、15万人にご受検いただいています。

・40%近い離職が5%になった

・内定承諾率が2.5倍になった

・2万人全社の性格データ分析でピープルアナリティクス の基礎データとして利用している

・配属後の離職が1/8になった

といったたくさんの事例が出てきております。今回の記事を読んで人事データ分析やミツカリに興味を持っていただいた方がいらっしゃいましたらinfo@mitsucari.comにメールかtwitter (@takanori52)にメッセいただけたらとてもとても嬉しいです! 

自己分析、教育、自己啓発などの情報を引き続き発信していきますので、気に入っていただけたら是非是非サポートいただけたら嬉しいです!