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2021年4月の読書振り返り

暑いのか寒いのかよくわからない日が続きます。これが春。


福岡市を経営する

10年前の2011年2月に初めて訪問して以来、何かと縁があり、観光だけでなく、イベント登壇などのお仕事、また福岡マラソンへの参戦(2019年)など様々な機会で福岡を訪問しています。今年も既に2度ほど訪問しています。

いつも行くたびに「福岡は活気あるなぁ」と感じるのですが、その要因の一つに、高島市長という存在があるという認識を持っていました。また、毎回お世話になっているfgn を通じて、高島市長はスタートアップへの理解と支援に積極的なんだなぁという認識も持っています。ただぼんやりとしたイメージしか持っていなかったので、今回改めて高島市長を知るために本書を手にとってみた次第です。

本書のタイトル通り、市を運営するということは、会社を経営することと同じなんだなと思った。老舗のそれなりに大きな企業が業績不振、組織のモチベーション低下のような状態に陥って、旧経営陣が退任し、新たに外部からとびきり若い経営者を社長として雇い入れた。そんな感じ。ゼロからイチにするのも難しいが、既に50くらいあるところに飛び込んで数字を上げていくってのは相当難しい。しかし彼はそれを実現した。経営本としても興味深い内容だったし、何より硬直化した組織の人に読んでもらいたい。

先日こんなエントリを書いた。

地方でスタートアップが盛り上がるには、いくつかの条件があるのではないかと思っている。現状考えてる条件は以下の4つ。この4つが全てそろっていると盛り上がる。「行政のやる気」「都市の規模」「若者の数」「ロールモデル」例えば福岡がその良い例だ。

福岡でできたことが他の自治体でできないわけがない。福岡の事例を参考にしながら、全国各地でスタートアップが盛り上がって欲しいし、そのお手伝いができたらいいなと思ってる。

北魏史 洛陽遷都の前と後

本書と同じ東方選書の『五胡十六国』という本を以前に読んだが、その五胡十六国時代を終わらせた北魏の話。

内容はとても専門的。世界史の教科書のような趣き。制度改革や、官制改革など行政の細かな施策が書かれている。この本の本来のターゲット的にはこれでいいのだろう。覚悟が弱かった。

面白かったのは北魏では南朝に比べて女性が活躍していたということ。もちろん現代社会と比べると女性の権利はだいぶ小さいものだっただろうけど、儒教文化が濃い中華において「女性の活躍」というのは興味深い。鮮卑族国家である北魏は南朝に比べて儒教の影響が少なく、遊牧民的文化が強い。そのせいかもしれない。仏教の流行も同じ理由だろう。

五胡十六国〜南北朝ときて隋による統一と唐の再統一に流れていくわけだが、多民族を内包した国家ということで北魏が後世に与えた影響は大きいだろうなと思った。少なくとも「中華」の物理的範囲は広がった。

ルンバを作った男 コリン・アングル「共創力」

『ルンバ』で有名なアイロボット社創業者のコリン・アングル氏の半生を綴った本。翻訳本ではなく筆者が直接取材して書いたもので、ちょっと珍しい。筆者の取材実績もあるとは思うが、『ルンバ』第二の市場である日本というのも取材を受けた理由かも。

「共創力」というタイトルではあるが、基本はコリンがどういう育ち方をして、どういうきっかけでアイロボットを創業し、そして『ルンバ』を生み出したのか、と彼の半生を追った内容。いくつか「共創力」を発揮して乗り越えた事例が書かれている。大企業とのアライアンス時の話などは「たしかにな」と感じた。さらっと読める文量ではあるが、ところどころに経営者としてのTipsがある。

ストリートモデル

インターネットを始めて、すぐに個人サイトを作った。1999年の暮れのことだった。トップページにはストリート系のモデルの画像やジュディマリのYUKIちゃんの画像を貼った。たいして面白い日記を書くわけでもなく、単なる妙齢のフリーターのサイトに何らかの価値をつけるために可愛い女子の画像を貼ったのだ。いや、そんな「価値」とか考えてなかったな。単に可愛い女子が好きだっただけだ。

やがて謎のWeb系バイトにありつき、新百合ヶ丘まで2時間以上かけて通い始めた。職場にはスキャナがあったので、定期的に雑誌をスキャンし、モデルたちの画像を取り込んでいった。お金がなかったので、雑誌はもっぱらブックオフで購入。あざみ野店にはよく通った。『mini』や『spring』『Zipper』『CUTiE』などを買った。

今宿は当時ストリート系モデルの頂点にいた。個人的には花楓や田中美保などの方が好みであり、一番好きなモデルは横山優貴だった。しかし今宿は別軸で好きだった。存在感が半端ない。一枚の写真で物語を語れるモデル。別格の存在だった。自信に満ち溢れているように感じたが、本書を読むと実はそうではなかったことがわかった。ストリートモデル全盛の時代、その先頭を突っ走ってきた彼女の意外な一面を知ることができた。

また、本書に掲載されている当時の写真がめちゃくちゃ懐かしく、おじさんはノスタルジーに浸りました。



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