見出し画像

2021年1月の読書振り返り

Clubhouseで持ちきりの界隈ですが、Android勢の僕は全くの蚊帳の外。蚊帳の外から様子を伺いながらtoCサービスの現状と未来を考えたりしています。


アイアンハート

僕が若かりし頃はカリスマベンチャー経営者としてすごい存在だった。グッドウィル、コムスンを大きく成長させたのはもちろん、それ以前にはジュリアナ、ヴェルファーレを仕掛けた人としても知られていたので「すごすぎる」と畏怖の念を抱いてた。

その後、階段を転がるように、そしてそのまま奈落の底に落ちてしまったかのように姿を消した。いろんなことが言われてたと思うし、僕自身も「(過去も追われているわけだから)何らかの問題のある人なんだろうな」と思ってた。(2006年、2007年くらいはいろんな起業家が姿を消した。)

そんな折口さんの著書が出たということで読んでみた。表舞台から姿を消したあと、どこで何をしてたんだろう?と思いながらページを進めた。思いの外、ずっと元気そうだった。いや、常人で耐えきれないようなストレスがかかっていたはずだ。でも彼はそれを跳ね除け「元気そう」に活躍し続けていた。まさに「アイアンハート」のなせる技。やはりすごい。

本書は「折口さんの半生」「経営哲学やノウハウ、現在関わっている起業家の紹介」「子育て奮闘記」の3つに内容が分かれる。一冊の中でこんなにテーマが変わるのも珍しい。「子育て奮闘記」は次男のアメリカでの大学受験に向けての日誌のようなものだが、アメリカの大学の仕組みなどが詳しく書かれていて、それはそれで面白かった。「経営哲学やノウハウ」はちょっと意外な部分もあって興味深い。何しろすごい実績の持ち主なのでどれも参考になる。

関係ないが、8年前くらいに渋谷の謎のお店で折口さんをちらっと見かけたことがある。それだけ。

地政学世界地図:超約 国際問題33の論点

「地政学」という言葉はそんなにメジャーではないかもしれない。ちなみにwikipediaには「(地政学とは、)地理的な環境が国家に与える政治的(主に国際政治)、軍事的、経済的な影響を、巨視的な視点で研究するもの」と書いてある。日本人には感覚的に遠い分野なのかもしれないが、ミクロな視点で言うと日本国内にも地政学的な問題点は数多存在するだろう。

本書では世界における33の論点についてそれぞれ述べられているが、一つあたりのボリュームが少ないのでリズムよく読めた気がする。各論点で気になるものは別途深ぼっていけばいい。

よく知られるパレスチナ問題やバルカン半島などは知っていることも多かったが、スーダンとエジプトの「空白地問題」など、存在は知っていたが、理由は知らなかったことなどが書かれてて面白かった。それに世界各地で様々な問題があるんだなと再認識した。ちょうど「クーデター」が発生したミャンマーについての項目もあったが、軍事政権と民主政権の争いだけじゃなく、宗教、民族が複雑に入り組んだ国ということを初めて知った。


この記事が参加している募集

読書感想文

街歩きで生計をたてて生きていきたい...