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2020年7月上旬の読書振り返り

予想以上に読書ペースが上がったので、上旬中旬下旬の3部構成で今月はやっていこうと思う。引き続き「ビジネスに寄り過ぎないように」意識したラインナップとなっています。


ツイッター創業物語

読みたいなと思ってて読んでなかったこの本をついに読んだ。

これまで読んだ「創業物語」の中でも群を抜いて酷い。本の出来のことではなく、そこに書かれている人たちが酷い。そして同時に既視感がすごい。Twitterと僕らのやってきたものの規模感は圧倒的に違うので比べるのはおこがましいが、僕らの中で起きていたことを思い出させた。

この本を読むと、巷における「ジャック・ドーシー神話」は何なのだろうか...という気持ちになる。読み終えて「ジャックすごい」とは絶対ならない。また「伝説のコーチ」ビル・キャンベルに対しても「なんだあいつ」という気持ちになった。数ヶ月前「1兆ドルコーチ」を感動しながら読んだのは何だったのだろうか...。そしてエヴについてあまり知らなかった僕だが、サービスの思想などは共感できる部分が多いなと気付かされた。

歴史というのは多面的で、この本に書かれていることが全て真実だとは思わない。しかし、それにしても酷い創業メンバー間の軋轢。典型的な「経営陣の成長に関係なくサービスが伸びてしまった」ケース。

美辞麗句が並び、演出された事件、そして克服して成長...みたいなよくある創業秘話とは一線を画す内容なので、ある意味おすすめではある。

キング牧師とマルコムX

高校生くらいの頃にマルコムXが「流行った」ことがあった。1992年(日本では1993年)に映画が公開されたのがきっかけだと思う。そもそもこの時期にマルコムXを取り上げた映画が作られたのかは、おそらく1991年のロサンゼルス暴動の影響であろう。この本はそれらの社会的な流れを受けて1994年に発売された。そして約25年の時を経て再版され、書店の店頭に平積みで並んでいる。もちろんそのきっかけは今年5月に起きたジョージ・フロイドの死であろう。

30年前にマルコムXの話題がいろんな雑誌などで取り上げられているのは知っていたし、映画のことも知っていた。しかしそこまで興味を持てなかったので、知識としてはあまり無かった。対比されるように紹介されていたキング牧師のことも同様によく知らない。「暴力的なマルコムXと平和的なキング」みたいなベタな認識を持っていた。

この本は1994年当時、日本でも話題になっていた、しかしその活動や生い立ちなどについてよく知らなかったキングとマルコムXについて、日本の人たちに「ざっと概要を説明」したような内容だなと感じた。彼らについて知識を持ち合わせていなかった僕としてはそれなりに得るものはあったが、もっと詳しい人には物足りないかも。

彼らについて誤解してた部分を認識でき、考えを改めることができたし、こういった分野について考えるきっかけを持てたのは収穫だった。与えられ、考え、行動する。それは学習も福祉も通ずるものがある。

ブラック・ダリアの真実(上、下)

「ブラック・ダリア?なんか聞いたことあるな」と奥さんが借りてきた本を見て思った。スマホで「ブラックダリア」と検索すると紫色になったWikipediaのリンクが。そうだ、最近「未解決事件」を調べてた際に少し眺めたんだった。Wikipediaを読んだ時にはあまり引っかからなかったけど、奥さんが「面白かった」というので読んでみることにした。上下巻で合計900ページの大作。

1947年、アメリカ、ロサンゼルスで起きた猟奇殺人事件。未解決のまま50年以上の歳月が過ぎた2003年にスティーヴ・ホデルというロサンゼルスの元警察が書いたのがこの本。本の中でホデルが「犯人」を推測しているわけだが、これ以上はネタバレになるのでやめておこう。「事実は小説より奇なり」とはよく言ったものだが、このドキュメンタリーはまさに小説以上に小説のような話だ。「こんな筋書き、荒唐無稽過ぎて逆にドラマにならないな笑」というレベル。

膨大な証拠、緻密な調査を行い「犯人」を導き出しているが、もちろん事実は闇の中。いまだに「未解決」には変わりはない。とはいえ、本書の推測はかなり説得力があり、おそらく間違いないだろう、と僕は思ってる。

(Amazonで新刊を探すと謎に価格が跳ね上がってる。興味のある方は中古か図書館で借りてくるのをおすすめする。)

ワークマンは 商品を変えずに売り方を変えただけで なぜ2倍売れたのか

ワークマンが好調なことは知っていた。アウトドアブランド「ワークマンプラス」が好調だという認識であった。

ワークマンがアウトドア、カジュアル向けに新たに商品を作った、と思っていたが、実はそうではなかった。本書の冒頭部分で「ワークマンが扱う1,700種類の商品から一般受けしそうな商品320を切り出して”ワークマンプラス”という新業態で売った」と書いてあり軽い衝撃を受けた。

本書は「立役者」の土屋哲雄氏の話を中心にワークマンの改革や強み、大事にしてることなどが書かれている。内容はそんなに重くないのでザッと読めるがそこかしこにTipsが盛り込まれていて、いくつか付箋を貼った。

とにかくこの時代においても業績を伸ばしてる「知ってるようで知らない」ワークマンについて概要だけでも知っておいた方がいいかもしれない。それには本書はうってつけだ。

薬屋のひとりごと

第一話を試し読みして「面白そうだ」と全6巻をまとめ買いして読んだ。「おもしろい」とツイートしたところ予想以上に反響があった。

主人公の猫猫が淡々としていて、テンションが高くないのが個人的には良かった。テンション高い主人公だと疲れる。謎解き要素も良いバランスで含まれてるので幅広い年齢層に受け入れられそうだ。今後の展開も楽しみ。


7月から少し街に出てるんですが、その都度本屋に立ち寄り数冊買ってしまっているので積読が溜まってきました。それではまた。
takanori1976の本棚

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