見出し画像

世界一無責任なコミュマネ術#2- コミュニティにおける余白とは関りしろだ-

はじめに


 こんにちは、モテアマス三軒茶屋のながりなです。
 人は家族や職場、地域、学校、友人など大小さまざまなコミュニティに所属しています。とりわけシェアハウスは暮らしや人間関係、はては仕事までシェアする、非常に密度の高いコミュニティです。

本連載「世界一無責任なコミュニティマネジメント術」は、三軒茶屋にある約30名(ファッション住民を含めると約60名)が住む大豪邸シェアハウス「モテアマス三軒茶屋」を率いる主任カズキタの、コミュニティマネジメント術についての至ってまじめな連載です。
前回は、場にソフトの価値をつくりだす主任の仕事3つのポイントについてご紹介しました。


今回は、コミュニティにおける余白のデザインと機能についてお伝えしていきます。

コミュニティ運営や場づくりをしているあなたに
王道コミュマネでは解決できない問題へのヒントを手にしていただければ、これほどうれしいことはありません。

<今後の連載予定テーマ>
◆付き合い方やコミュニケーション
◆コミットメントの高め方
◆メンバー募集
◆ルールの取り扱い
◆問題の取り扱い など

ヒト・モノ・コトがあふれるコミュニティの余白とは


物があふれ、仕事に追われ、物質的にも時間的にも、「余白」を作りにくい現代社会。
そんな中だからこそ、新しいアイディアをひらめいたり、偶然情報に出会ったりできるための「余白」を意識的につくることの重要性は、皆さんも薄々お気づきのことだろう。

デザイン業界でも、デザイン上の何もない空間を「ホワイトスペース=余白」と呼び、強調や可読性を高め、ユーザーに行動を促したり、ゆったりとした印象を与えるために意図的に「余白」をつくる手法が多用される。

しかしながら、過去にはこのようなイベントも開催しており、物質的には飽和状態に近いモテアマス三軒茶屋。
▼ミニマリズムに逆行!? マキシマリズム溢れるシェアハウス「モテアマス三軒茶屋」

”効率性、ミニマリズム、丁寧な暮らし…そんなキーワードとは全く無縁どころか逆を地で行くシェアハウス『モテアマス三軒茶屋』。
そこには、おしゃれなラウンジがあるわけでも、大きなキッチンがあるわけでも、シアタールームがあるわけでもなくて、ただただみんなが好きなものがひたすらにあふれている、毎週のようにレイアウトが変わったり、急にお客さんが30人もいたり、冷蔵庫が急に増えてたり…。そこにある暮らしは、非効率なぐらいに食べ物やモノがたくさんある。”

ヒト・モノ・コトそのすべてが飽和している場にとって「余白」は対極にある概念なのではないか。
そんな疑問を、実はデザイナーが本業であるカズキタ氏にぶつけてみた。

余白と余裕の関係性

ーモテアマス立ち上げ2年前の2014年。

当時カズキタは貨幣経済に懐疑的だったという。
貨幣経済の介在しない、信頼の強い小さなコミュニティの中で生活を行うことこそが幸せではないのかと考えていた。
そこで、後にモテアマスの立ち上げメンバーとなる銀行マンの武田さんとともに、貨幣のやりとりがないといわれる世界最大のフェス・バーニングマンへ訪れた。

▼バーニングマン
アメリカ合衆国ネバダ州の砂漠で1週間にわたり開催される世界最大の音楽とアートフェス。NO SPECTETER(傍観者であるな)という精神のもと、参加者が率先して作り上げる。また、会場内では通貨は使えず、見返りを求めないGive&Giveで成り立つ。参加者は約7万人。https://journal.burningman.org/2020/04/news/official-announcements/brc-2020-update/?fbclid=IwAR0qCOV6fPQ9n5LFnXKmuPY7anPn3w3k7cO9vEVwNIygs5zofMHEt0kxvJI

画像1


そこでわかったのは、貨幣経済がないといっても参加するのに数十万円の費用がかかるため参加者はみなお金持ち。
そして自分の経済状況に余裕があるから見返りを求めずに他者にGiveができるということ。

カズキタ:
効率化ではなく余白が人を幸せにすることに気が付いた。
足りないものを分け合うのではなく、足りていて持て余している物を分け与えるという発想なんだよね。
バーニングマンでの経験を経て、余裕によって余白を生むという発想を得た。

画像2

この経験から、余白=「モテアマス」というコンセプトに繋がっていく。



モテアマス三軒茶屋の由来

そもそも、「モテアマス三軒茶屋」という名称に込められた意味に、余白を紐解くヒントがあるのでは。
「持て余す」という言葉を辞書で引くと『うまく扱いきれないで処置に困る』とある。

ここから先は

2,255字 / 4画像
この記事のみ ¥ 500

サポートありがとうございます。 頂いたお金は恵まれない大人たちにヤクルトを買う資金とさせていただきます。