何ものでもない何かを遠くに見る。
清水香帆「辿る先」
RISE GALLERY「Creativity continues 2018-2019シリーズ」最後の展示として開催された清水香帆個展『辿る先』を拝見した(会期終了)。
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清水さんは、女子美術大学大学院美術研究科博士前期課程美術専攻洋画研究領域修了した画家。「群馬青年ビエンナーレ2015」入選(2015)「シェル美術賞展2016」入選(2016)などの実績がある。
清水さんの作品はこれまでにも何度か拝見している。
前回は紙の支持体にドローイングという作品群だった。
今回は、ご本人の言葉を使えば「私らしい」絵画たちだ。
大きな構成要素。抽象とも具象ともわからない構図。
色たちの不思議な存在の仕方。
そうそう、清水さんといえば、こういう感じ。
だが、これまでとはどこか異なる印象がある。
絵の具の存在感だったり、新しい色だったり。
少し具象の要素が入り込んでいるように見えたり。
清水さんとお話してみると、“奥行き”というキーワードが出てきた。
なんだかわからぬ中心的なるものまでの距離感。
奥行きは、あくまで奥行きでそこに辿り着けはしない。
それでも、辿る先になにかがあるゆえに、
「移り変わる興味と共に構築される画面」でアプローチし続けているということなのか。
「empty hole 2020-1」が気になって仕方ない。
サポートしていただけたら、小品を購入することで若手作家をサポートしていきたいと思います。よろしくお願いします。