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図書館三昧


西加奈子作品は初めて読んだ。なぜこの本を手にしたのか?
だいたいが図書館をうろうろしていて、出会うわけですよ。目と目が合うじゃなくって、目と本があうですかね。

物語の初めに、兄はいない。
そして、兄の誕生から、この家の物語がつづられている。
下に妹が生まれて、兄弟で花を探しに公園と向かう。
近所の花は、誰かの家の花だから、誰のものでもない花を探しに。
遠い公園まで行って、補導までされてしまう。
兄たちの愛にあふれているシーン。
その後この家に犬がやってくる、名前はサクラ

そして、兄が20歳と4ヶ月で死んでしまうのだが、残された家族4人とサクラとお墓参りをするシーンで終わる。

家族の物語は好きですね。
いろいろ問題も起きるんですよ、家族といってもそれぞれに人格もある、
価値も違う、それを温かく描いているところ、読み終わって心地よい。
この感覚いいですわ。


ばあちゃん 母 藍さん とその子供 桃
女ばかりの家庭の中で、14歳の 緑
学校での生活、近所との会話、最初から関西弁で、小刻みなテンポがよく、すいすいと読み切った。
前作同様、家庭っていろいろなこと起きるよね、でもどこかあったかくて、どっか不安がつきまとって、緑という少女の成長とともに、うまいこと描かれています。

物事は人間関係で決まることが多いですが、その人間は感情の動物であり、それゆえ起こらなくてもいいトラブルやもめ事が尽きないのです。
春奈の周辺に起こったトラブルも、まさに人間的感情が引き起こしたもので、お互いに他者意識を持ち、論理的に自分の気持ちを伝えることができれば、どれも大きなもめ事にはならなかったはずです。

おわりにから

なぜこの本を手にしているのか、自分分析してみればわかる!
5月の帰省以来、どこかでくすぶっている、感情の乱れである。
偶然に手にした本で、心が整理されていく感じがする。


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