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読書感想文:声の文化と文字の文化/ウォルター・オング

声の文化と文字の文化

原本が発行されたのは1982年、邦訳されたのが1991年。
実に10年近いタイムラグがあり、そして2009年に読んでいる。

でも面白い。
発行年代から、採集された例示が1970年代だったりするのだが、色褪せない内容だと思う。

書評は多く出ているけれど、文字を持たない文化と文字、特に印刷技術によって大量に流布される文字の文化との特徴と差異を日所に興味深く論じている。
面白かった。
特に文字を持たない文化の人々のなす思考形態についての実例と考察が私には非常に興味深かった。
優劣ではなく、差異ではあるけれど、私たちが文字を持たない文化を真に理解することはないのかもしれないとも思う。

(2009/12 文字を持たない人々の思考形態は今も興味があるが、現代にそれを検証することは難しいだろう。文字に起こされた時点で「固定される」という点でも。共時性を持つ文学がまだ近い印象はある)


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