【詩】上に月

月の

高さを思い出す

白い月の

真上に

夜

見上げるという行為の意味を思い出す

俯くこうべを上げるという意味を思い出す

冷えて露の降りる朝には至らず

夜半の月を見上げ

闇の色と月の影をまるで初めて気づいたように

月が空の高い位置にある