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読書感想文:宇宙船ビーグル号/A.E.ヴァン・ヴォークト

A.E.ヴァン・ヴォークト

どうでもいいですが、ヴォクトとつづめるのとヴォークトと伸ばすのと、どっちが原語の発音に近いのだろうか。
なんだか無性に読みたくなって中古で購入(2008年頃)、ごそごそ読んでいた。

古い本なのだけれど(1939~1950ころの作品を再編)、なんというか、センス・オブ・ワンダーに溢れていて好きな一冊。
っていうか、こんな話だったかと読み直して改めて感心。

昔子供のころ読んだときには、エイリアンとの遭遇というか、えいりあんの描写に心躍らせていたものだったのだが(というか、今もそれは楽しい)、今回読んだら、それ以上に、情報総合学者グローブナーの人物造形が面白い。
年齢を重ねると視点が変化するというをまたしても実感。

非A(ナル・エー)も武器店も読み直してみようかなあと思ったのが、家に帰って捜すのが面倒…。っていうか、非Aはともかく武器店は中古でどのくらい出回ってるのか?

再販してもらえれば良いのだが今のラノベ歓迎の潮流からは受け入れられず冊数が出ないのでは…。

情報総合学というものに対するヴォークトの多分自覚する以上の過信というのがちょい表に出てきている気はするが、構想としては非常に面白い。
新しいマキャベリズムだよなある意味、とか、この間君主論を読んだばかりなのでだろうが、思った。
ただ着眼点としては面白いが、情報総合学の優位性は、頒布することによって相当失われると思われるから、その辺の処理をどうするのか、そこの詰めはちょい甘いと思った。

(2008 ヴォークトは大人になってから再読した時の印象の変化が面白いと思ったことを覚えている。ただ、子供時代に読んだ経験があってこそだろうから、大人になってから初読する方がいいという意味では無い)


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