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【詩】 悪い夜の夢の住人

ほとほとと


遠く闇を歩く何者かの足音がする

沓音か

足音か

いずれ

それがまともな地を踏むことはない

ほとほとと

遠く闇を彷徨う何者かの足音がする

それが夢だと

夢の中では気づけず

人は夜の街の路地を抜ける

いや抜けられぬ

辿り着けずに振り向く

来た道を見失う


コートの裾が

ひるがえる

闇に

映る

はためく

うなされて飛び起きる

それがむしろ幸運な

熱のこもる夜


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