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【夢】 電車で怪異が起こる話

夢の話だ。

電車事故があったようだった。
電車が遅れたからだ。

が、実はそれは事件だったらしい。
宇宙人だったか、妖怪だったか、何かおかしなものが渋谷のような大きな駅に出て、それは人に危害を加えたらしい。
らしいというのは、夢の中でも俺はその怪異を直接目撃していなかったからだ。

ただ、駅にはいた。
怪異は、周囲の人々に影響を与えるが、霊が見える人見えない人が様々なように、全く影響を受けない人、かなり受ける人、僅かに受ける人、どうやら様々な様子だった。
影響を受けた人は、まさに突然、脳に直接電波で指令を受けたように、いきなり動きがぎこちなくなった。

そのとき、俺は駅のホームからの階段を登ろうとしてなかほどにいたのだが、一番上段あたりから降りてこようとした若い男の様子が突然おかしくなった。
目がうつろになり、動作が緩慢になって、非常にゆるやかに両腕を振り回して、そのすぐ下にいた若い女を突き落とそうとしていた。
その動きがあまりにゆるやかだったため、女には防がといたが、視界に入る範囲に他に数人挙動のおかしい奴らがいた。
その男の動きは緩慢だったが、やけに素早く動いて周囲の人間を手当たり次第殴り倒している奴もいた。

それらのことが、どうやって収まったのか、夢で起きた詳細は覚えていられなかった。
ただ、見ていないところで、怪異は誰かに倒されたらしかった。
暴れていた人間たちは、怪異が倒されたと同時に、糸が切れたように一様に頽れていた。

電車は何時間も止まっていた。
運行を再開して、やれやれと、来た電車に乗り込んだら、車掌の格好をした男たちが、何人も担架を担いで車内に入ってきた。
十人ほどもいただろうか。
見ると、担架に載せられていたのは、怪異の影響を受けて暴れていた人々だった。

何故連れてきたのか困惑していたら、彼らは電車の通路に、次々と担架を下ろし始めた。
電車の床に意識不明の人々。

いよいよ困惑したが、本当に困惑したのはその後だった。
担架が床に下ろされた瞬間、先に電車の中に入っていた乗客たちの目の色が変わったのだ。
能面のような無表情に。
そして彼らはおもむろに、担架の人々を蹴り始め、殴り始めた。
いきなりの集団暴行。

なんとここで目が覚めた。
意味が分からなくて解釈さえできない。

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