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【詩】 私信

ひとりだけに 


伝えたいと思ってこれを書く


あなたが書いてくれた
なにもかもすべて

過去も
現在も
今までに語られなかったすべてのことも
再び語られたすべてのことも
思ったことも
感じたことも
為したことも
為さぬことも

なにもかもすべて
俺は読んだ
つまさきからてっぺんまで

そうして

今度は俺が手紙を書くだろう
長くはないかも知れないけれど

あなたをうしないたくないと


ひっそりと記されたそれは電子の海に流れ

消えたあなたがそれに気づくことはおそらくない


それでも

砂浜に流れ着く割れたボトルレターのガラスの破片のように


いつか誰かが拾う便りを流す

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