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読書感想文:異世界の帝王/H・ビーム・パイパー

先日から、思い出そう出そうとしていた本の題名が、突然降って来たので、忘れないうちに。(と言っても2003年ごろの話)

「異世界の帝王」 H・ビーム・パイパー著

…いや、こんなにベタなタイトルだったとは…!
正直、今回は思い出したタイトルに自信がなかったので検索を掛けた。そしてベタなタイトルだけど結構直訳っぽい。そのまま訳すと「異世界のカルヴァン王」って感じだろうしなあ。
とりあえず、主人公がカルヴァン・モリスンという男性だったという記憶は確かだったことが判明。
これも良くあるといえばよくある異世界トリップもののひとつで、ベタな異世界トリップ、活躍、成り上がり、とアメリカンドリームを体現したような作品ですが、結構完成度高くて面白い。よく纏まってる。
と言っても、入手困難だとは思いますが(苦笑)。

平行次元で縦横無尽に活躍する異世界人の存在、思わぬ事故で異次元にトリップしてしまう(いまここの)地球人カルヴァン・モリスン、トリップした世界ではまだ火薬が珍しいもので、ある宗教が火薬の製造を一手に握って、権勢を振るっている。
それらの設定がなかなか美味く生かされていて、当時の情勢で軍隊経験があり、現在の職業が警官である「伍長(コーポラル)」カルヴァン・モリスンが、火薬の知識を生かしてなりあがっていく様は、現代のアメリカでは考えがたい痛快な冒険物語にもなっていた。
作者は1904年生まれみたいだからまさに20世紀人、そしてアメリカの衰退を見る前に亡くなっているのだが。時代を考えるとそれもちょっと興味深い。

おめでたい異世界転移物の一つではあるが好きだった作品。

それにしても、思い出したいものが思い出せてすっきりした…!


(2003 メモ代わりに検索で調べたことを下記に。)

書名 異世界の帝王
作者 パイパー,H・ビーム
訳者 関口幸男
原題(発行年) Lord Kalvan of Otherwhen(1965)
作者原綴 Piper, H. Beam
発行年月日 1979年5月31日
頁数 328頁
定価 360円
解説者 安田 均
装画 村山潤一(カバー,口絵,挿絵)
備考 長編



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