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散文詩

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そのまま。もうちょっと若いころ(十数年前)書き散らした散文詩です。短歌の収納は今後考えます…。
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2021年4月の記事一覧

【詩】 物語を綴ろう

その物語を 綴ろう ゆっくりと しかし 歩みを止めることなく 綴ろう 旅路のように 生…

高梨 蓮
3年前
18

【詩】 とぼとぼと

どこかで とぼとぼと かつて夜の道を 月だけを友に 長く歩いた どこまでもしるべのない道…

高梨 蓮
3年前
12

【詩】 星が霞むほどの月

月が 高かった。 上に はるか上に 見上げる位置に月があった 星が霞むほどに

高梨 蓮
3年前
15

【詩】 古い歌

古い歌を 女が歌う 低い声の女が歌う 俺はその旋律を知っている いや 知っているような…

高梨 蓮
3年前
17

【詩】 満ち欠け

光が 満ちる かげる 欠ける 満ちる 曇る 遮られた 影が 光が 欠ける 射す 満ちる …

高梨 蓮
3年前
13

【詩】 連想ゲーム

いくつかのこと 思い出すことなど 硝子戸の中 蛙 蟷螂 蟷螂が鎌首を擡げる 鎌首 蛇 …

高梨 蓮
3年前
8

【詩】 とりとめのなさが溝に落ちる

呟かれる言葉は とりとめもなくて どこまでも こぼれ落ちる 転がりゆく 溝に落ちる 転がり落ちる 拾えない 言うつもりもない言葉でさえ 聞かせるつもりでない呟きさえ 転がり落ちた先で からりと響く さえずりにも似た 人の言葉 噂とは 反響音

【詩】 うたと刃を

うたを 君にうたを 俺に刃を 月の色のその煌めきを ほそい あえかな 吐息のような歌声…

高梨 蓮
3年前
13

【詩】 どこで終わりたい

つれづれ 駅附設の百貨店に立ち寄って、他愛もない買い物をした。 雑貨店でマットを三枚、…

高梨 蓮
3年前
11

【詩】 流れゆくことばの

溢れ出て こぼれ落ちてゆく言葉を いかにするか君よ ひろわば拾え 打ち捨てて踏みにじる…

高梨 蓮
3年前
8

【詩】 擬音というもの

擬音というのは よく出来ている つきん とか ずきり とか そう言ったものから ぐらぐ…

高梨 蓮
3年前
11

【詩】 なぜしにたがる

墜落する 垂直に 落ちた あとなんにち ゆびおりかぞえる しにたがるひとの いずれだ…

高梨 蓮
3年前
6

【詩】 忿怒の行方

いずれ 砂に崩れる 血反吐を吐くような口惜しさも 腑が煮えるような憤怒も 慚愧も慟哭も…

高梨 蓮
3年前
12

【詩】 奇妙な愛を歌え

世界の果てで 懐かしい歌が 奇妙な愛を歌え 錆びついた銅貨のように 熔けかけた鉄の心臓のように 割れた鐘のようなその声で 届かない 奇妙な愛を歌え