コース例

世界的な和食ブームが続いています。海外から日本の飲食店に多くの観光客が詰めかけています。味についてはほとんど悪い評判を聞きません。外国人観光客も舌が肥えてきたのでしょう。寿司やてんぷら、ラーメンといった個別の料理から素材へと関心が移っています。なかでも和食に欠かせない「だし」が好評のようです。

この日経電子版の記事によりますと

日本の店舗に多くの訪日外国人が訪れるようになり「海外でもうどんが受け入れられると確信した」(担当者)。オープン当初はアジアからの観光客が目立ったが、最近は地元の家族連れなどが多くなり、年齢層も幅広いという。同店の成功で、18年6月にはハワイにも店舗をオープンした。
「和食ブームで、だしのうまみが海外でも注目されている」(熊谷さん)。

あまり報道されていませんが、日本から海外にだしにこだわった店が進出しており結構、好評なようです。かつお節問屋のマルサヤ(東京・大田)は今年1月、シンガポールで3店舗目となる和食店「だし会席 舞(MAI)」を開きました。
同社は2014年に「だし処 丸佐屋」、2015年に「TEN Sushi」を開業してきました。2年以上寝かせたかつお節や昆布といった素材にこだわり、それらをふんだんに使った日本料理本来の味を現地に広めています。日本人のビジネスマンにとどまらず、地元の方々の利用も増えています。2018年8月~2019年1月の各店の売上高をみますと、だし処 丸佐屋が前年同期比21%増、TEN Sushi が16%増と好調なようです。


「だし会席 舞(MAI)」の想定客単価は1人あたり300~400シンガポールドル(1シンガポールドル=80円で換算すると約2万4000~3万2000円)。月間売上高で15万シンガポールドル(約1200万円)を目標にしています。1店目の「だし処  丸佐屋」の現在の客単価が夜に月平均120~1500シンガポールドル (約9600~1万2000円)ですから、かなりの高級路線を狙っています。
シンガポールでは本物のかつお節や昆布からだしを取る和食店が非常に少ないといいます。だし巻き卵やうどんやそばのつゆで特に違いが出るそうです。新店は高級感あるつくりで「よりだしにこだわった料理を提供していく」と担当者は話しています。

和食の神髄ともいえるだしが世界的に人気になる一方、気になるニュースもあります。カツオ節の値上がりです。2018年までの10年間で大規模なものだけで値上げが3回ありました。
じつはカツオ節の原料のカツオ価格を左右するのは、タイのバンコクの相場です。バンコクが世界の缶詰工場になっているからです。健康志向でツナ缶が爆発的に需要が伸びていることと和食ブームを背景に相場は上昇傾向です。
ツナ缶の代表銘柄「シーチキン」も値上がりしています。ダシのおいしさが世界に広がるのは大変いいことですが、原料の価格上昇も避けられないのでしょうか。

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