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【詩】 猫と鳥と虎と

逆さまに撫でた猫の毛は
鳥の羽に少しだけ似ている
模様が似ただけなのであって
君はどうあがいたって飛べないのに
飛べるような気がしているのか
サバトラ猫は木に登る

汚れた白猫がみゃあと鳴く
いわく、
「君は海の虎だろう、飛べるとしたらキジトラさ」無責任な白猫は
事態を面倒にするだけして帰っていく

キジトラは臆病なので
気後れしてにゃは、と笑う
随分と人間らしいキジトラいわく、
「名前が同じなだけだから」

正論なんかつまらない、と
雄の三毛猫が野次を飛ばす
雌の三毛猫は何も言わないが
目でわかる、面白がっている

どうやらついにおかしいらしい、
サバトラ猫は、海に、、、
おや、海がない

そのまま何やらぐだぐだしていて
どうにも話が進まないので
ついに私も口を開く、

「そもそも虎は私であって
君等はどうにも虎にはなれない」

はてさて

私が参戦したせいで事態はさらに混迷し
その間にサバトラ猫は正気に戻り
謎の猫集会は祭のように終わっていった

部外者である私だけが取り残される

虎はどうにも、

にゃあとは鳴けない

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