読書感想文:「倒産続きの彼女」と「帆立の詫び状」
最近はまた小説を読みたい時期になってきて、いろいろと気になる作品が増えてきた。
今回は新川帆立さんの2作品を読了。
なぜか身近に感じる新川帆立さん。
2020年の「このミステリーがすごい!」大賞を受賞して、デビューした作家さん。
この時期は脚本のスクールに通っていた時期かな、、もうやめたっけな。曖昧だけど、脚本じゃなくて小説を書きたいと思って、ひとりで書いてはいた頃だと思う。
そのため、この時期の受賞作は積極的に調べて読んでいた(このミスの他にも直木賞・芥川賞・本屋大賞など)。
その中でも新川帆立さんは、特にメディアへの露出が多かったと思う。
作品を読むのとどっちが先か忘れてしまったけど、セブンルール・書店のYouTube・ラジオなどあちこちで見かけた。
どのメディアでも作品よりも本人の方に重点を置いた紹介だったように思う。大賞受賞に加えて、東大卒、現役弁護士、20代女性、海外在住経験あり、プロ雀士、、などあまりにも気になる経歴を持っていた。まあ私もそれで気になったのもあるけれど。。
でもラジオだかYouTubeだかで話していたことが一番気になった。
”小さい頃から作家になりたかった。でも作家で食べていくのは難しい。だからまずは稼げる仕事に就いておこう。それで弁護士を選んだ。”
たしかこんな感じ。すごいよね。
本人の経歴だけじゃなくてちゃんと本の紹介をしろよ、と司会者に苛立つくらいにはすでに応援側になっていたなぁ。
「元彼の遺言状」はおもしろかった。展開が早くてスピード感がある作品。一気読みしたんだけど、なんというか小説よりも映像作品を観ているような感覚になったのを覚えている。ストレスがなかった。
集中力を途切れさせることなく最後まで連れて行ってくれて、この感覚は初めてに近い。
好きな作品はたくさんあるけど、能動的に読み進めていく必要がある小説は、読み切るのにもある程度のパワーがいる。
その力があまりいらずに、受動的でも話が進んでいく感じが映像作品っぽいと思った。
そしたら案の定、映像化されたじゃん。ほら私が思った通り(←みんな思っているw)。
続編「倒産続きの彼女」とエッセイ「帆立の詫び状」
先週、noteのイベントで新川帆立さんが登壇していた。私はオンライン参加。
小説書くのを諦めてしばらく経っているし、話を聞くだけでもと思って見ていたら、ひさびさに自分でも書いてみたくなりまして。。
遊び半分だけど、今考え中。
それきっかけで、新川さんの作品を2冊購入。
「倒産続きの彼女」は「元彼の遺言状」の続編。主人公はかわって新キャラだけど、1作目の主人公も引き続き出てくる。
身近な問題かと思いきや、しっかり重大な問題につながるし、ちゃんと殺人事件も起こる。今回もスピード感があって、どんどん読み進められたし、思いがけない展開で驚いた。
何より会社勤めの経験があると、”わかるわー”みたいなシーンや関係性があってすんなり頭に入ってくるのよ。お世話になった弁護士の方々、元気かしら。今も夜中に作業しているのかしらね。。
これはまた続編が出て、映像作品もシリーズ化されそうな予感。(←これもみんな思ってるw)
いつの間にか文庫本が出ていてさ、、しばらく小説から遠ざかっているうちに新川さんの著書がたくさん出ていたよ。
もうひとつはエッセイ本「帆立の詫び状」。
渡米していたのは知っていたけど、その理由が急に売れっ子作家になったゆえのストレスだったとは知らず。この点が一番好きかも。同じ経験したことはないけれど、きっと私もそうなるな。人が嫌いになりそうだ。。
あとはやっぱり最後の章の小説についてのエッセイがおもしろかったな。読む度に嬉しくなったり腹を立てたり、忙しかった。
この本で、文学フリマに参加したときのことが書いてあって、それじゃあ今回の文フリにもいるのかなーと思ったのに。。
”文フリの会場は遠いしなー面倒だなー混雑もすごいだろうなー”みたいな理由で先日の文フリは結局行くのやめてしまったのよ。
新川さん、、本当に今回参加していたっぽい。当日になってTwitterで調べたら参加していることが判明。時すでに遅し。
会ってみたい気もするけど、うまく話せずただのミーハーキャラになるだろうから、、私はおとなしく本を買うことで応援していこう。。
文フリ、私も参加したいな。またどこかチームだかコミュニティだかに入ろうかな。過程も楽しかったんだよな。
というわけで新川帆立さんの作品、おもしろいのでおすすめです。
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