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字書きオタクはwebライターの夢を見るか?

私は、とあるジャンルで20年近く、字書きとして存在しています。

活動しています、ではなくて、存在しています、なのは、20年の間ずっと常に創作をしているわけではないからだったりします。
むしろ何も書いていない時期の方が長いかもしれません。

私は書ける時と書けない時の波が激しいタイプの字書きで、いったん書けなくなってしまったら最後、数年単位で書けなくなる厄介なオタクです。
特に近年は、在籍ジャンル(あえて活動ジャンルとは言わない)への愛が薄れているというか……公式への愛と信頼が大暴落中というか……とにかく推したちを題材に創作をするには、圧倒的に熱量が足りないわけです。(いっそジャンルを離れればいいじゃん、と思われるかもしれませんが、まだ完結していないシリーズがあって、それを見とどけるまでは……と思いながら数年がたってしまっています)

しかし、書かないでいるとどんどん書けなくなっていくのも事実。
そろそろ何か書きたいな、と思いつつも、作品への熱量が足りない時に無理に書こうとしても何も出てきません。
でもこのままでは、文章の書き方自体を忘れてしまうかもしれない……

そんな危機感を感じていた今日この頃。
ふと、webライターを目指してみようかな、と思い立ちました。

職を求めて右往左往……そもそも外で働くのに向いていない

そもそものきっかけは、夫からのそろそろ働きに出てほしいなあ……というムーブを感じ取ったからです。
ありがたいことに夫は経済力のある人で、私は結婚して以来、ずっと専業主婦をさせてもらっています。
なので、今まで特に働いてほしいとは言われてこなかったことを幸い、私は家で家事に専念させてもらっていました。
でも、息子が発達障害(ASD)と診断され、おまけに不登校になってしまったために、夫は将来に危機感を抱いたようでした。

もし、息子がこのまま大人になって、まともな職にもつけなかったら……?

夫婦二人だけの老後なら、充分やっていけると夫は言います。
しかし、そこに息子をずっと養っていかなければならない、という不安要素を抱えるとなると、話は違ってきます。
発達障害でもできる仕事は探せばあるとは思いますが、この先どうなるかはまるで予測がつきません。
最悪の事態を視野に入れて、将来にそなえなければならない……夫はそう考えたようでした。

その気持ちはよくわかるので、今さらながら、私は何かしら仕事を始めなければと思ったのです。

そうは言っても、主婦歴15年。ブランクが長すぎます。
結婚前は働いてはいましたが、ろくな職歴もなければ、目だった資格やスキルもないアラフィフの主婦など、どこが雇ってくれるというのでしょうか。

まず思い立ったのが、家事代行でした。
とある家事代行サービスに登録し、マッチングしたお宅に行って掃除を代行する仕事を始めました。
何回か案件をこなし、最初はこれなら私でもできると思いましたが、実際やってみるとなかなか大変です。
自分の家を掃除するのとは違い、よそのお家ですから気も使います。何より、限られた時間内で指定の場所を綺麗にするというのは、思った以上に大変な仕事でした。

次に思い立ったのが、在宅でできる事務パートでした。
しかし、ろくな職歴もスキルもない主婦なんて、はっきり言ってどこの企業もいらないんですよね。
ブランクOK、未経験OK、主婦歓迎、短時間OK……なんて書かれていても、なかなか採用には至りません。
お断りメールをくれる会社はまだいい方で、連絡すらない会社もかなりありました。

そもそも在宅で……なんて甘っちょろいことを言っているから見つからないのかな、と思い、近隣での短時間パートなら何とか……と考え、とある会社に応募しました。
運よく、その会社とは数回のメールのやり取りの後、オンライン面接にまでこぎつけることができました。
そこまではよかったのですが、思いがけず早朝のシフトを打診され、それはちょっと……ということで辞退してしまいました。

夫とも話し合ったところ、そもそも、私が外に働きに出るのは、今の我が家の状況にマッチしていないのではないか? という結論に至りました。

なぜかというと、息子は不登校とは言いつつ、授業はオンライン配信で受けさせてもらい、週に2回、1時間だけ、支援教室の指導を受けるために学校へ通っています。加えて、定期テストは毎回別室で受けさせてもらっており、テストの成績だけはそこそこ良かったりするのです。
ただ、本人のコンディションにも波があり、学校に行く日でも、今日は無理……となったりすることがしばしばあります。
現に、前述の会社でオンライン面接を受けていた正にそのころ、学校に行く日だったのに行けなかった日がありました。
その場合の学校への連絡は、当然私がすることになります。
現在夫は単身赴任で、週末は家に帰ってきますが、基本的に平日はいないので、当然ながら学校とのやり取りは私が担わなければなりません。
学校に連絡しなければならない時間に、私が家にいないのは現実的ではない、というのが夫婦共通の認識でした。
それもあって、前述の会社は辞退という結果になりました。

やっぱり今は、外で働くよりも、家でできる仕事をしたい。
そう考えた結果、私にできることと言えば、文章を書くこと、やはりそれしかありません。

なので私は本格的に、webライターになろうと考えるようになりました。

文章を書くのが得意なら、webライターになればいいんじゃない?

実は、webライターになろうと思ったのは、今回が初めてではありません。数年前にも一度、チャレンジしかけたことがありました。
はばかりながら、長年字書きをやってきたこともあり、文章力にはそこそこ自信がありました。だから、文章を書く仕事だったら自分でもできるだろうとの安易な考えで、とあるクラウドソーシングサイトに登録したのです。

結果、見事に撃沈しました。

いざ案件を受けてみると、まったくお話になりませんでした。
それもそのはず、二次創作と、コンテンツライティングはまったく違うものだったのです。
好き勝手に自分の書きたい話を書きたいように書けばよい二次創作とは違い、クライアントの指示通りに記事を書くコンテンツライティングは、私にとっては完全に未知の領域でした。
文章力だけあってもダメなんだ……それを思い知って愕然としたのを覚えています。

そもそも、指示されたキーワードに沿って記事を書きなさいと言われても、何をどうしていいかわからなかったんですよね。
リサーチの何たるかも知らず、記事をどのように書けばよいかの予備知識も何もなく、ただ文章を書けばいいだろうと安易な考えで始められる仕事ではなかったわけです。
そこで私はあっさり挫折し、その時登録していたクラウドソーシングサイトも、あっさりと退会してしまいました。

そして数年後の今、何かしら仕事を始める必要に迫られて、自分に何ができるかを考えた結果。
やはり私には文章を書くことしかできないと思ったのです。

そこでもう一度、webライターの道を模索することにしました。

ネット上にあふれるwebライター講座、さてどれにする?

一度はやってみようとは思ったものの、何の知識もなかったせいで返り討ちにあったことを憶えていた私は、webライターになるためにはどうしたらいいかをまず調べました。
webライターはパソコンとインターネット環境さえあれば誰でも始められる、知識もスキルもなくても大丈夫、などとネット上には書いてありますが、とんでもありません。

そもそも、知識もスキルもない数多のライターにできる案件は、単価が低すぎてお話にならないのです。それ以前に、その単価の低い案件ですらまともにできなかった私ですから、それなりに稼げるライターになるためには、やはり事前準備が必要だと思いました。

そこで、ライターとしての知識と技術を得るため、webライター講座を受講することに決めたのです。

しかし、一口にwebライター講座と言っても、果たしてどの講座がいいのか? という問題にぶち当たりました。
少し検索してみるだけでも、webライター講座ってたくさんあるんですよね。
講座の内容もさまざまなら、お値段も高いものから低いものまでいろいろあり、どれにしようか迷いに迷いました。

あまりにも高額な講座ははじめから除外しました。
高ければいいといいものではないだろうと思いましたし、何より、万が一ライターとしてものにならなかった場合、その費用が無駄になると考えたからです。
しかし、無料の講座だけでは得られる知識には限りがあります。
そこで、色々吟味した結果、私は一つのwebライター講座を選びました。

JMWAオンラインスクール

その講座は、入門編、初級編、中級編、上級編と4つの講座があり、入門編だけは無料、あとの3つは有料となっていました。
そこでとりあえず、無料の講座をまず受講してみることにしたのです。

目から鱗、二次創作とコンテンツライティングはまったく違う

その講座の受講公式は、数分ごとに区切られたレッスン動画を順番に見ていく、というものでした。
以前リアルで開催した講座内容をトピックごとに区切り、動画にしたものらしく、一つ一つの動画は数分程度、長くても15分くらいのものだったので、これならスキマ時間に受けられる、というのも大きかったです。

受講を始めてすぐ、私はいかに自分がwebライターという仕事を甘く見ていたのか、改めて思い知りました。
webライターはただ文章を書けばいいというものではなく、何をおいてもまずはリサーチが大事、ということを教えられました。

リサーチができなければ、webライターはできないのです。

そもそも私は昔から調べ物が苦手で、自分の知らないことは作品に落とし込めないことが、以前からの悩みでした。
知らないことは書けない、当然ですよね。
でも、二次創作ならば、自分の好きなように書けるので、知らないことはあえて書かずにお話を作っていました。自分の裁量でどうにでもなる二次創作の世界では、それで何とかなっていたのです。

でも、webライターとして仕事をするのであれば、リサーチは避けては通れません。これは大変なことに挑戦してしまった、と思いました。
でも、その講座は、リサーチのやり方をまったく知らない人でもわかるように、基礎からじっくりと解説してくれます。リサーチってこうやるんだ……目から鱗が落ちるとはまさにこのことでした。
これなら私でもできるようになるかもしれない……受講を続けるうち、私はその思いを強くしていきました。

そして、無料の講座をすべて見終わった時、私は有料の講座も受けることを決心していました。

提出課題に挑戦! 古のオタクに火が付いた瞬間

初級編、中級編、上級編にはそれぞれ、受講後に課題が出されます。
課題をやるかやらないかは任意なのですが、3つの講座全ての課題を提出し、かつ、合格点をもらえたら、講座終了の認定証がもらえます。
そして、認定者には、webライターとしての最初の案件を紹介してもらえるというおまけがついてくることを知った私は、一つの講座を終えるごとに、課題に取り組むことに決め、受講を始めました。

この講座、スキマ時間に取り組むことができるのはいいのですが、いかんせん、YouTubeとは違って字幕をつける機能がありません。
私は診断こそ受けてはいませんが、息子と同じ、発達障害の特性があることは自覚しています。
そんな私の苦手分野は、耳からの情報を処理することです。耳からの情報は記憶として定着しにくく、それで昔からミスが多かった覚えがありました。
字幕があればいいのになあ、とは思いつつ、ないものは仕方がないので、他に何かいい方法はないかと考えました。

そして思いついたのが、学校の授業のように、ノートを取ることでした。
パソコンの画面を二分割し、左側で動画を流し、右側でExcelを立ち上げ、要点を書き留めることにしたのです。
リアルで受ける授業とは違い、動画なので好きなところで止めて見返すことができるので、要所要所で動画を止めては、大事なことを書きとめながら、受講を続けていきました。

そして、初級編、中級編の課題を提出し、いよいよ上級編に取りかかる段になって、私はある問題にぶち当たることになりました。

講座内容は有料コンテンツなので、詳しくは書けませんが、中級編の課題は、とあるカテゴリーの商品の比較記事を作成し、その中でもひとつの商品を推す、というものでした。
しかし私は、その商品に今ひとつ魅力を感じなかったのです。
自分が買いたいと思わない商品を推す記事を書く、というのはなかなかに難しい作業でした。
上級編はさらにその商品について詳しく解説し、読んだ人にそれを買いたいと思ってもらうための記事を書く、というものでした。
しかし前述したように、私にはその商品はあまり刺さらなかったのです。
自分に刺さらない商品を、他の人に刺さるように書くのは無理なのではないか……そう思いました。

この講座には、わからないことを質問する掲示板的なものがあります。
そこに疑問を書きこめば、講座の中の人が答えてくれるシステムです。
私も何度か質問し、そのたびに答えをもらいながら進めていました。

自分に刺さらない商品を推す記事を書くにはどうしたらいいか?

そんな馬鹿な質問を、他の受講者にも見えるところに書きこむのはいかがなものか? そう考えた私は、掲示板ではなくメールを送ることにしました。

お世話になっております。〇〇です。
上級編の課題なのですが、この商品、いまひとつ自分には刺さりません。
比較検討系で書いていた時も、むしろ他社製品の方が魅力的で買いたいと思えてしまって、この商品をほめたたえるのに苦労しました。
自分がターゲット層に近い存在だと、自分が買いたいと思える商品でないと、商品系記事でおすすめするのはなかなかに苦行だと思うのですが……
逆に自分がターゲット層でない商品の方がむしろフラットな気持ちで書けそうなのですが、こういった場合はどうすればいいですか?
実際の仕事であれば、これは自分は書けないなと思ったら案件をお断りするという選択肢もあると思うのですが、他に課題として使える商品はないでしょうか?

私の送ったメール(一部変えてあります)

こんなメールを受け取った講師の方々は、さぞや呆れたことでしょう。
私としても、まともな返事をもらえると期待してはいませんでした。
課題は強制ではなく任意なのですから、課題に取り組めないならそこまで、と突き放されても文句は言えないところです。
ここまでかな……とすぐに日和るタチの私は、講座の受講をそこでやめてしまおうかと思いました。
推しているキャラたちのお話でさえ、熱量が足りなくて書けないのに、推す気にもなれない商品を推す記事なんて書けるわけがないじゃないですか。

しかし翌日、メールが返ってきました。

初級編、中級編の記事を講師が確認し、概ね問題なく合格ですと連絡がありましたのでご報告いたします。
おめでとうございます!

先方からのメール(抜粋)

という文言に加えて、私がした質問への答えもメールにありました。

動画で。

何を言っているのかわからないと思いますが、私も何が起きたのかわかりませんでした。

数いる受講者の一人にすぎない私の、アホな質問への回答のためだけに? わざわざ新しく動画を撮って送ってくる?

わけがわからないまま、動画を見ました。
講師の方が、私が課題として提出した記事と、私が刺さらないと言った商品について改めて解説してくれていました。

一受講者のためにわざわざ時間を割いて、動画を撮ってまで対応してくれる、その姿勢に私は感銘を受けました。

そしてメールにはさらに続きがありました。

〇〇様なら上級編もクリアできると思いますので、あえて厳しくコメントいたします。
もし気分を害されたなら申し訳ございません。
講師も動画で言っていますが、〇〇様のリサーチはかなり浅いです。
しっかりとリサーチをすれば、□□店さんは他の競合に負けない魅力があるはずです。
それはこの商品で扱われている商品の1つ1つのページを見れば分かります。
〇〇様が比較検討系記事を書くときに難しかったと感じたのは、□□店さんのコンセプトや商品を選ぶ基準を理解されていなかったからではないかと思いました。
□□店さんのコンセプトや基準は他の競合とは少し違います。
その違いを見つけることができれば、かなり見方も変わり、書きやすくなるのではないかと思います。
〇〇様のライティング力でしたら、必ずいい記事が書けると思います。
ぜひ頑張って上級編の記事をライティングしてみてください。
上級編のご提出おまちしております。

先方のメール(抜粋)

リサーチが甘い自覚はあったので、この言葉にはぐうの音も出ませんでした。このメールをもらうまでは、もうやめよっかな、などと考えてしまっていましたが、考えを改めました。
そしてもう一度取り組んでみよう、と決心し、上級編の課題提出に取り組むことにしたのです。
こうまで言われては後には引けません。何が何でも、完成度の高い記事を仕上げてみせる。
そう思って、私は再び課題に向き合いました。

改めて、習ったとおりにリサーチにリサーチを重ね、記事の構成を考え、何を書いて何を書かないかをじっくりと考えました。

そしていざ記事を書き進めるうちに、私はちょっと欲を出してみたくなったのです。

課題提出はワードプレスで、課題提出用のページに投稿する形をとっていました。ただ、ワードプレスに初めて触れる人にも使いやすいようにと、使える機能は絞ってありました。
実際のところ、私もワードプレスは始めて触ったクチでしたが、かつてのいにしえのオタク、個人サイト全盛期を通ってきたオタクです。
少し触れば何となく使い方はわかりましたし、こうしたいなと思ったことは検索すればすぐ出てきました。
が、機能を絞ってあるために、こうやりたい、と思ったことができないことに、私はちょっと物足りなさを感じたのです。

どうせなら他の受講者とは差をつけた物を提出したい。

おこがましくもそう考えた私は、どうすれば記事内容だけでなく、記事の見た目もよくできるかを考えました。
そして目に入ったのが、ワードプレスのテキストモードです。
基本的にビジュアルモードで作業をすれば、視覚的に完成記事と同じ状態で入力できます。
しかし、テキストモードを使えば、HTMLを記述することで、思うようなページに作り変えることができるのです。

こ れ だ

私はかつて、個人サイト全盛期にテキストエディタで直接HTMLをタグ打ちし、CSSを駆使してサイト構築していたいにしえのオタク。

作品発表の場がpixivやTwitterに移って久しく、個人サイトの更新もめっきりやらなくなって、HTMLもCSSもほとんど触らなくなってかなりたちますが、見れば何となく見覚えのある記述の数々。

ここをいじれば、他とは差をつけた記事ができるのでは……

そう考えた私は、HTMLの解説をしているサイトを検索し、これと思ったものをピックアップしました。
そして、目次から各見出しにリンクを貼り、見出しには飾り枠をつけ、他の受講者とは一線を画す(と自分では思っている)記事を完成させました。

そして意気揚々と課題を提出し、今は結果を待っているところです。

果たしてオタクはwebライターになれるのか

上級編の課題の出来いかんで、私の運命が決まると言っても過言ではありません。webライターとしてスタートを切れるか否か、すべてがその結果にかかっています。
今はただ、座して結果を待つのみ……

果たして私はwebライターになれるのか?

結果がわかり次第、追記したいと思います。(わかってから書けよ……)

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5/29 追記

上級編の課題、合格との連絡がありました。
そしてめでたく、認定証をゲットしました!
晴れてJMWA認定者一覧の末席に名を連ねています。

これから少しずつ、実績を積んでいけたらいいなと思っています。

#レベルアップしたいこと


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