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支援を求める力

先日のインクルーシブ教育のセッションで、「支援を求める力」というテーマが出てきました。

自立までの道のり

どんな子も最初は保護される状態からスタートします。
赤ちゃんはその際たるものです。その状態から、徐々に自分でできることが増えてきます。立ったり、歩いたり、着替えたり。
子育ては「本人にできることを増やす」というプロセスでもあります。
しかしある時を境に、人は「自分にはできないことがある」ことを知るようになります。それからは、できる人と協同したり分担したりしながら活動を続けていくのです。
そのためには、自分ができないことを「できない」と言い、場合によっては助け/支援を求める必要があります。

これができることが「自立」なのではないでしょうか。
よく「自立とは依存先がたくさんあることだ」と言いますが、つまりは「これが困ってるからちょっと助けて」と言える種類と数がたくさんあるということです。

保護と自立の移行

支援者たちは「何を手伝うか」という話をよくします。
もうちょっと気が付く人だと「何をどこまで手伝って、どこから自分でトライをさせるか」というところまでいくでしょう。
しかし「どうやって自分からヘルプを出させるか」というところまで気が回っていることは多くないと思います。

保護者や支援者からすると、いろんなことが上手くできない子どもに対してあれこれと手助けしてあげたくなる気持ちが多いとは思います。
ただ、その子たちもいずれは全てのことを自分で解決していかなければならない状況になるのです(「助けて」って言うことも含めて)。

「助けて」「いいよ」

これができる関係が、大人の社会にはやや足りていない気がします。仲の良い友達がいたり、強い地域コミュニティがあったりする人は良いかもしれませんが、生活に支障があるレベルの人が広く社会に対して「助けて」と言うには、まだまだ足りないことがあります。
本人たちも「助けて」と言う練習をあまりしたことがない。
社会の側も「助けて」と言われたことがないし、助けたこともない。

この両面からアプローチしていかないと、やはりだめなんだと思います。(こないだと同じような話になってしまいました(笑))

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