アウトプット始めました

【アウトプット始めました】
フリーランス児童精神科医の三木崇弘と申します。
長年勤めた国立病院を退職し、2019年4月からフリーランスとして活動しています。(長年、というとベテランみたいですが、アラフォーです)
今までビビって何も発信してこなかったのですが、最近いろいろな出会いがあり、自分の思いを周りの人たちと一緒に揉んでいきたいなと思うようになりました。
なので、アウトプット、始めました。

【自己紹介:僕のやっていること】
2019年度は
・クリニックで専門外来
・公立学校でスクールカウンセラー
・その他、児童相談所、児童養護施設、保健所
など、ほぼ日替わりでいろいろな施設で働きます(なのでフリーランスというかフリーターですね…)。

①クリニック
これまでと同じ児童精神科外来を、2ヶ所のクリニックで続けていきます。前の病院から一緒に動いてくださる患者さんもたくさんいて、引き続き彼らの成長を見守っていきたいと思います。

②スクールカウンセラー
首都圏の2つの自治体で、それぞれ小学校、中学校のスクールカウンセラーとして働きます。
これまで何度もケースコンサルティングや教員研修の講師で呼んで頂いたことはあり、その度に子どもの生活場面で活気のある場所はいいなぁと思っていました。
この度ついに学校現場に入ります。内側から見た学校とはどんな感じなのか?
開始2ヶ月の感想としては、とりあえず小学1年生めっちゃかわいいです(*´艸`)
1年生の教室は ほんと未来しかないです✨

③児相、養護施設、保健所
後者2つは以前からの継続ですが、このたび少しだけ児相でも働きます。
虐待のニュースが報道されるたびにダメ扱いされ、まあ実際に医療側から接してみても確かに「なんでこうなった」と思うこともある児相。
でも、実態を知らずに文句を言うのはポリシーに反するので、まずは飛び込んでみようと。現場で会う方は児童福祉司さんも児童心理士さんも、真摯で児童擁護に熱い方が多い。個人的には組織の問題ではないかなと思っています。
また、臨床現場で「保護されたくない」という子のコメントに必ず出てくる一時保護所の待遇などについても見る機会があればいいなと思っています。
ちなみに児相では、被虐児の保護以外にも療育手帳の交付、養育相談と幅広く親子のサポートを行っています。
児童「相談所」ですから!

ここから3年くらいは、こうやって「僕が関わってきた子どもたち(=発達や心理・行動で困っている子どもたち)に関する多分野の現場」を踏む時間をとれたらなと思っています。

【前職での経験】
前職 国立成育医療研究センターこころの診療部には6年間在籍し、医師生活の概ね半分を過ごしました。

小児科研修を終えてから、成育医療センターでひたすら発達障害、不登校などの行動・心理にトラブルのある子供たちを診てきました。
診ているうち、また保護者や学校、児相などの各種サポート機関の方たちと話していて感じたのは、
・子どもの生活はいろいろな場や要素が複雑に絡んで成り立っている。
・病院で見ている子どもたちの様子、親から聞く子どもの様子は実態を反映していないこともある。
ということでした。

自分も含めた病院の医師たちは子どもが「実際にはどんな人で、どんな人生を送っているのか」を知らずにコメントしているのではないか…?という疑念が湧き始めるのと同じ頃、教育現場や福祉現場でのお仕事を頂くようになります。

そして、
・ケースコンサルティングで小学校の教室を初めて見学した時に、自分が学校に出していた依頼がいかに現実離れした理想論かを目の当たりにした。
・養護施設の子どもを診ていたが、養護施設がどんなところか想像がついていなかった。
という経験をしました。

【医師は子どもの何を知っているのか?】
いま、いわゆる「問題のある子どもたち」を扱う現場において、病院ないし医師の発言力は大きすぎるように思います。僕らが言えば学校が動く、僕らが書類を書けば福祉が動く。
でもその指針を示す医師は、果たして子どもの「病気」以外のことをどれくらい知っているのか?
全然知らないのではないかと思います。

なので僕は、とりあえず「カウンターパートたちの現場」を踏むことにしました。自分の見聞きした経験だけに振り回されるのは良くないですが、知らないものを想像で補うのはもっと良くないかなと。

医療、教育、福祉、行政の各分野がお互いの事情を少しでも分かりながらコミュニケーションが取れれば、関係各所が連携してもっといい「親と子どもの支え方」ができる。
そういう状態を目指していきたいと思っています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?