チーム発表顛末記! ~絵本探求ゼミ第一期の最終講座に向けて(リアル会場+オンラインZOOMハイブリッド開催)

去る8/6(土)。4月から月一回オンラインで開催されてきた絵本探求ゼミの最終講座は、北海道・層雲峡の研修所にてリアル開催された。
お題は、この半年間で「学んだことを言語化して伝える」集大成としてのチーム発表。

このゼミでは5~6人のチームが4つあり、私はチーム3。
チームのまとめ役「FA」としてチームビルディングとマネジメントも学んだ半年だった。

4チームそれぞれの発表テーマとスタイルで、いずれも絵本の専門技法に着目し、更に学びを深めた発表が多かった。また、この学びを得てこれからの自分の活動にどう活かすかというゼミの最初に投げかけられた問いに言及され、半年間の学びの締めくくりに相応しい発表ばかりだった。

◆我がチーム3の発表に向けたMTGで

我がチーム3のメンバーは、
Aさん、Tさん、Hさん、Cさん、大学院生のNさん、私の6人。
絵本に対する知識も豊富で、個性豊か、物ごとに対して真摯な人ばかりだ。(私以外は… 笑)

チーム発表はどんなテーマにせよ、チームが一体となった形を模索したい、メンバーが当日までワクワクして楽しめる発表でありたいというのが私の希望だった。
またそれぞれに活躍していて忙しいメンバーだけに、FAとしてコミュニケーションを密にしつつ、忌憚のない雰囲気と自然な助け合いができるよう、「全員参加」を基本にした配慮を欠かさないと決めていた。

チーム発表のテーマを考えるチームMTGで出された感想は、やはりこの五か月間で印象に残った学びは誰もが「絵本の技法」を学んだことだった。

あるメンバーの
「絵本作家ってすごいよねー。この技法を取り入れながら絵本を作るって大変なことだよねー」という呟きに… 閃いてしまった!

「自分たちで作ったら絶対面白い!このチームなら作れる!!」
「失敗しても未完成でもいいから、自分たちで技法を入れ込んだ絵本、作ってみようよ」

MTGに参加したメンバー全員が意気投合!
とんと~~んと発表内容が決まったのだ。

◆発表のメイン・オリジナル絵本ができるまで

「ストーリーはどうする?」
・・・全部オリジナルで脚本するのは大変だから、著作権の切れた昔ばなしをベースにしたらいい。
・・・みんなが知っている『ももたろう』がいい!青空文庫にもあるからそれをアレンジして!発表は30分間しかないから、ストーリーはせいぜい10分くらいだねー。絵だけで鬼目線の生活を描いたりするのもおもしろそうだね。
・・・「私、まず青空文庫からストーリー編集やりましょうか」
と即、Hさん。さすが~!嬉しい!
「絵はどうする!?」
・・・「そりゃ、Tさんにお願いしたい!」
T画伯から即OKの返事。さすが!嬉しい~!
「じゃ、どの場面にどの技法を入れるか、全体構想を練るのはどうする??」
・・・・「大きな桃を断ち切りにしたり、絵の中に入れ込んだタイポグラフィー、ビネットも入れられそうだよね」
・・・「じゃ、それ、ラフ画で出していいなら、私やりましょうか」とAさん。なんて素敵な~!ありがたい~~!
「どんな形がいいかな?」
・・・「紙の本がいいかもしれないけど、日にちがないねー」
・・・「PowerPointを使って絵本を作ろうか。修正も簡単に出来るし」とたかたか。
「全体チェックは」
・・・
みんなで忌憚なくやろう!Cさん、Nさん、しっかりよろしく!

こんな具合に、メンバーがそれぞれの強みを発揮しながら、たった10日ほどの間に私たちの成果物『ももたろう?』が発表できるまでの形となった。

当初は、
ももたろうそのままのストーリーのつもりだったが、全体構造を考えていたAさんの妄想が爆走!!通常のストーリーにプラスした鬼目線のanotherstoryが、三日ほどの間に絵コンテとともに上がってきたのだ。
それに応えたTさんも、どしどし絵を上げてくる。
それに呼応してHさんも文章を細やかに修正して来る。
もっとここをこうしたらという意見も出てきて、即修正。形になったらまた問題点が見えてくる。また修正…。こんな具合に少しずつ納得する完成系が見えてきた。

当日はPowerPointを動かしながら、メンバー全員でわかち読みスタイルで発表を考えていたが、会場の機器の制限やメンバーの出席状況を鑑みて判断し、動画を作って流すことに発表スタイルを一週間前に方向転換。わかち読みの録音を録ったのは、最大人数が集まれるリアルゼミの日の3日前というギリギリ日程で出来上がり、発表ができた。

◆発表当日

我がチームのオンライン参加HさんとNさんに、動画やPDFの共有という重大任務を担っていただき、進行・発表をメンバーで分担。短い準備期間だったが、チーム一体となった発表ができたと思う。

いよいよゼミ発表のメイン、オリジナルデジ絵本の動画披露~❣
15分ほどの朗読付きデジ絵本は、”お・と・な”のゼミ生に大変ご好評をいただき、アナザーストーリーのラストのオチに、皆さんで笑っていただけました。ほっ。やった~~~!
動画視聴のあとは、Cさんが丁寧に絵本の技法解説。
全体構想担当Aさんのコメント、絵を担当したTさんのウラ話もご披露。進行はNさんに活躍していただいた。
発表を終えたチームメンバー一同、リアル側もオンライン側も達成感で満たされたのは言うまでもない。

最後にはおまけが!
わがチーム発表が一番良かったとのことで、一等賞のご褒美をいただいてしまったのだ!\(^o^)/ 賞品は剣淵を紹介する素敵な台湾華語の絵本。剣淵の絵本の館で西岡館長肝いりプロジェクトの絵本だ。「絵を読む」ことを学んだ私たちですが、いま、大学院生のNさんに翻訳もしていただいています。

がんばった一等賞の絵本をいただいて
発表を終えて、開放感でいっぱいです~


◆発表後も創作絵本を修正し続ける

ゼミ発表が終わった~!
と思いきや、実はこの後も私たちはよりよい絵本になるよう修正を重ねていた。
最終講座の数日後、絵本をプロデュースされた経験のあるMさんから、絵本のめくりの方向と絵の方向性を揃えると、なおスムーズであろうというアドバイスがあったのだ。
なるほど!!
と目から鱗。
形として残るこの創作絵本は、絵本に詳しい方々の目にも留まるはず。
絵本を研究したい人々の目にも止まるかもしれない。ならば妥協なし!

早速、絵を反転させるなどして修正してみると、めくりと絵の向きが一致すると、なお一層のストーリー展開がスムーズになり、それだけでページターナーの機能が増してくる実感を得たのだった。
超お得な後日談。私たちの絵本を見る視点が一層深まったのは言うまでもない。

◆チーム3オリジナルの創作絵本動画の完成


🍑出来上がった絵本動画はこちらです!
(表紙画像をクリックしてください) 

TEAM3制作:『ももたろう?』絵本の技法満載のオリジナルデジ絵本


🍑学びのために、
「絵本の技法」をページごとに解説した動画はこちらです⇩

    https://youtu.be/S7HWcY9Al20


◆最後に・・・

ミッキーの絵本探求ゼミは、学びと実践の宝が詰まっている。
従来型の受け身受講だけではない、独自スタイルの大人の学び場だ。
絵本の伝え手に必要な絵本の専門性を深めることは勿論、場を作ること、仲間と協同すること、マネジメントすること、クリエイトすること・・・。
特にこのゼミの特徴的な最後のリアルゼミでは、北海道の層雲峡という大自然を満喫し、仲間との親交を深める得難い体験もいただいた。
お蔭さまで、私にとっては最幸な夏休み!
ミッキー先生はじめ、ご一緒したチームの皆さん、ゼミ生の皆さんに感謝でいっぱいだ。

ミッキー先生とチーム3リアル参加メンバー
リアルゼミの研修で、剣淵町の絵本の館へ


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