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④第2章-4 『論文書け!って言われても・・ 若手医師のための論文執筆の基本(仮)』

今日は第2章の続きを書いていきます。
レファレンスや謝辞などです。

目次

はじめに

1章 本文の書き方
2章 本文以外の書き方
 2-1表紙 
 2-2アブストラクト
 2-3図表
 2-4レファレンスや謝辞など
3章 なぜ論文を書くのか 
 なぜ論文を書くのか
 業績とは
 テーマの決め方
 必要な道具
4章 投稿と査読対応
 投稿先
 査読対応

論文書け!って言われても・・ 若手医師のための論文執筆の基本(仮) 目次

では本文はこのあと。


2-4 レファレンス Reference, 謝辞 Acknowledgmentなど

TableやFigureまで記載できれば、論文はほぼ完成しています。
ここでは投稿に向けて必要となる、レファレンス Referenceや謝辞  Acknowledgmentなどの細々とした項目について説明していきます。

本文のあとに追記すべき項目を列挙しますね。
References
Abbreviations
Declarations
Acknowledgments
Conflicts of Interest
Authors’ Contributions
などです。
英語ばっかりですね。うんざりしますが、ひとつずつ片付けていきましょう。各項目について説明します。

References
レファレンスです。本文中で引用したレファレンスのリストを記載します。投稿先によってレファレンスの記載方法は様々ですので、とりあえずレファレンスがわかるように記載しておきます。投稿先が決まったら、第4章で後述する投稿規定に従ってレファレンスの記載方法を調整します。
レファレンス番号がずれていることもしばしばあります。査読するときにも経験することもあります。よく確認しましょう。

Abbreviations
略語です。ここでは本文中に使用した略語のリストを、本文で登場した順番に書いていきます。投稿先によっては不要な場合もよくあります。
書き方の1例を示しますね。
RT: radiotherapy; CIRT: carbon-ion radiotherapy; XX:・・・
このような形式で淡々と書いていきます。

Declarations, Acknowledgments, Conflicts of Interest
これらの項目はDeclarations(申告)の中に含まれることがあります。Declarationsがない場合は、AcknowledgmentsやConflicts of Interestをそれぞれ単独で書きます。
Acknowledgmentsは謝辞です。英文校正を〇〇社で受けた、という記述がみられることが多いですが、私は書いていませんでした。謝辞に校正のことを書いておくと、英文校正を受けていますよというアピールになるのかもしれません。その他、研究には協力してもらったけど共著者には加わらなかった人物や団体がいればAcknowledgmentsに記載します。私は何も書くことがないことが多かったので「none」と一言書いて終了していました。
Conflicts of Interestは利益相反です。研究の実施にあたり、資金提供を受けている場合は、受けている著者の名前とどこから提供されているかを明記します。「〇〇 received research funding from 会社名など(都道府県, 国). 」が定型文です。

Authors’ Contributions
ここでは共著者が何をしたか、その役割を記載します。例文があると書きやすいと思うので1例を挙げておきます。
XX, YY and ZZ (通常イニシャル表記です) collected and analyzed the data and drafted the manuscript.
ここではcontributed to the final draft of the manuscript, collected and analyzed the data, aided in writing the manuscript などの文章を使うことが多いですが、他の論文も参考に記載しましょう。共著者全員が何かしらの役割を担っているか確認を忘れないでくださいね。
最後にAll authors read and approved the final manuscript.などと記載して全員が原稿について確認していることを明記しましょう。

その他、投稿先によってはEthical statementという倫理審査について別途記載が求められることがあります。その場合は投稿規定に従って、本文中に記載するか、最後に別途記載するかを決定してください。

この2-4で説明した内容はすべて単純作業です。空いた時間で少しずつ進められたらいいですね。


第2章のおわりに

ここまでで作成した文書を1つのword文書にまとめてみましょう。
するとTitle pageから本文、レファレンスや細々とした記載まで全て揃っていることがわかります。それはつまり、論文の初稿が書き上がったことを意味します。

この後は指導医や共著者に論文を見せて修正して、投稿してまた修正して、という論文作成の道のりは続きます。ですが、論文を書く、という目標の一番大変な部分を達成できたことになります。初めて論文を書くときには、まず初稿を書き上げるところに至るのが最初にして最大の山場です。それが達成できれば、ここから先は着実に歩みを進めることができるはずです。

次章では投稿や査読対応について考えていきましょう。

つづく。
*文字数カウント
①はじめに 1800字
②1章 10000字
③2章前半 2600字
④2章後半 2000字 ここまで合計16,400字


書いてみた感想

目次が変わりそうです。
話の流れ上、まず3章で投稿について議論したあとに、4章はなぜ論文を書くのかというコラム的な内容にしようかなと思います。

現時点での見通しとしては3章と4章が5000字ずつくらいでしょうか。
そして後書きが1500字くらい?
となると全体で27,900字程度。
Kindle出版なら十分な分量ですね。
なんだか順調だな、逆に心配になります。。


読んで頂いて誠にありがとうございました。
ご意見やご質問を頂けたらとても嬉しいく思います。

髙草木


#論文の書き方 #医学  #大学#Kindle出版
#英語


参加中。執筆も順調!

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