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魚の社会学を活用して、水槽内の喧嘩を無くす。

イノカチームが毎週行っている、「海外ニュース共有会」

毎週一人一つ、海外の生物にかかわるニュースを調べて発表する、という試みです。

海外の最新アクア事情を、色々な角度からキャッチアップできることに加え、普段からアンテナを貼る意識づけにも役立っています。

今回は以下の論文を紹介したいと思います。

「自分の性格を抑えて、協調的に行動する魚がいる」

いままで、魚の行動というものは個人の性格によって決められていると考えられており、そのため、魚の性格を見るときは、単独で飼育をして観察してきました。

しかし今回の実験では、ある魚が、一匹のときとペアが与えられたときで行動が変わるかを観察したのです。

その結果、

一匹だと攻撃的な魚も、ペアを与えられると自分の性格を抑えて、相手に合わせたりグループとしてお互い協力しあうようになる、

ということがわかりました。

このように、魚の中にも人のように、協調性をもって活動することができる魚もいるということがわかったのです。

「もちろん、協調性のない魚もいます。人も魚も同じですね。笑」

水槽内で起こる揉め事

魚を飼われている方はよくご存知かと思うのですが、実は水槽内でもイジメやナワバリ争いというものはよく起こるんです。

新しく魚を入れたときに、元からいた魚が新入りをいじめて、最悪のケースだと殺してしまったり、オス同士が大げんかをして両方とも死んでしまったり・・と、水槽内の大きな悩みのタネの一つになっています。

水槽内でいじめる魚に対してペアを与えると、いじめをやめる可能性が。

こうした問題に対して、魚の社会学研究を使って解決策が提示できればよいですね。

今回の場合だと、

攻撃的な魚がいた場合に、その魚に対してペアを与えることで、その性格を落ち着かせ、いじめをやめさせられる可能性がある。

と考えています。

魚の社会学が発展することにより、魚の性格を把握できたり、魚のナワバリを知ることで喧嘩をしないようにしてあげたり、とそういったことも可能になってくると思います。

もちろん、実験中と実際の水槽内では、100パーセント同じ現象が起きるとは言えませんが、研究結果にたいして、実践した結果をフィードバックしてあげることにより、さらに研究内容が深まっていくと考えています。

将来的には、人が魚のことをもっともっと深く理解できる時代がやってくると信じています。


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