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朝礼改革で目指す、明るく一体感のあるチーム

高蔵工業の朝礼改革を#仕事のコツ としてご紹介します。

この度、レジノイド製造部と製品管理部という性格の異なる2つの部署を1つにまとめ、社員が発言できる新しい朝礼スタイルを導入しました。その過程で見えてきた、変化とは何でしょうか。


1. 部署統合で生まれた変化と気づき

当社では、この4月から製造部門の組織変更がありました。レジノイド製造部という製造工程の川上の部署と、製品管理部という製造工程の川下の部署を一つにまとめたのです。

レジノイド製造部は、ベテランの男性社員が多く、真面目で堅実な職人集団。原料の調合から焼成まで担当し、長年の経験を活かして、品質の高い砥石を作ってきました。一方、製品管理部は、焼成後の砥石の加工や検査、梱包、出荷を受け持つ部署で、パートの女性が中心。若いメンバーが多く、レジノイド製造部とは対照的に、いつも笑顔が絶えない明るい雰囲気の部署でした。

製造部長の川村は、製品管理部の明るい雰囲気をレジノイド製造部にも取り入れたいと考えていました。本記事では川村部長へのインタビューをもとに、当社の組織改革について考えていきます。

2. 朝礼改革で進む、コミュニケーションの活性化

部署の統合と同時に、製造部の朝礼も新しくなりました。以前は部署ごとに業務連絡中心の朝礼を行なっていましたが、統合後は朝礼の仕方をガラッと変えました。管理者から連絡事項やその日の作業内容についてアナウンスをした後、2名から当日の作業と注意点を発表してもらうことにしました。

新しい朝礼を1ヶ月ほど続けてみたところ、まずポカミス*防止に効果がありました。ミスを起こそうと思って起こす人はいませんが、注意力が散漫になっていたり仕事に真剣に向き合えていない環境があると、普段からは想像もしないミスを起こすことがあります。朝礼でその日の作業内容を発表することにより、注意力や集中力が高まり、ポカミスが以前より起こりにくくなりました。
*ポカミス…不注意などで引き起こされるさまざまなミスのこと。

また、当初の狙いであった部署間のコミュニケーションも生まれる様になりました。「2つの部署は製造工程の前半と後半を担当していましたが、統合したことで、製品の製造工程全体の流れを部署全員で共有できるようになりました」と川村部長は話しています。

「新しい砥石製品が増えたことで、製品ごとに作り方や工程が少しずつ違ってきているんです。そんな時、昔はこの作業をこの部署でやっていたけど、今はこっちの部署でやった方が良いんじゃないかという気づきが生まれています。統合したことで全体を見渡せるようになり、作業の担当部署や工程を変更したりといった業務改善ができるようになりました」

対話を大切にする朝礼は、部署の垣根を越えたコミュニケーションの活性化にも役立っているようです。

3. ストレスコントロールとモチベーション

一方、朝礼運営の課題も見えてきました。川村部長は、「最初のうちは、人前で話すことに慣れていない人が多かったので、発言を求める時は配慮が必要でした。みんなの前で喋るのは、苦手な人にとってはプレッシャーになるので、今はなるべく得意な人に発言してもらうようにしています」と話します。

作業内容の発表は2~3週間続けていると一定の効果をもたらしたところでマンネリ化してしまいました。現在は、スポーツの試合前の円陣のように全員で「今日も1日頑張るぞ!」と声を揃えて気合を入れるスタイルを取り入れ、全員の意識を一つにして1日をスタートさせています。

製品管理部の女性社員の中には、当社への転職をきっかけに、さらに明るくなった人もいます。川村部長によると、「ある女性パートさんはうちに転職してきたことで、性格も明るくなって、旦那さんからも『最近よく喋るようになった』と言われているそうです。仕事なので、プレッシャーを感じることは当然あると思います。でも、ストレスについては極力少ない方がいい。仕事場って1日の大半を過ごす場所ですからね。会社にいる時間を、ある程度有意義なものにしないといけないですから。もちろん、僕はそういう環境を提供する側だと思っています」

ストレスの少ない職場環境が、社員の明るさを引き出しているのかもしれません。社員のモチベーションを高く保ちながら、ストレスをコントロールする。そんな組織づくりを目指す川村部長の姿勢が、ここに表れています。

4. 今後の課題

長年勤めている社員の持つ技能やノウハウをマニュアル化し、若手に伝えていくことは製造部全体の課題だと川村部長は言います。「会社のノウハウを失わないために、ベテラン社員の仕事ぶりを言語化して皆に共有する必要があります。特に、職人技のようなコツは、マニュアル化が難しい。ベテランの頭の中にある、細かいコツを言葉で伝えるのは大変ですが、品質を維持するためにはとても大事なことです」

5月以降は、この課題に重点的に取り組んでいく計画です。属人化している砥石製造の技術を言葉でマニュアル化し、若手社員への継承を進めることで、製造部全体のスキルアップを図ります。

5. 一体感のある強いチームを目指して

将来的には、社員一人ひとりが仕事にやりがいと誇りを持ち、イキイキと働ける職場を目指したいと考えます。

「最終的には、もちろん不良品やミスを減らすことが目標ですが、同時に活気がある職場にすること、一体感を出すこと、そういう雰囲気作りができるような取り組みを続けていきたいですね。社員同士のコミュニケーションをもっと活発にし、一体感のある、強いチームを作ることが目標です」

部署統合と朝礼改革を通して、社員間のコミュニケーションを活発化し、一体感のある強いチームを作ること。それが、高蔵工業の製造部が目指す新しい姿です。ベテラン社員の持つ技能やノウハウを、若手社員にしっかりと伝承していく。安全で効率的な製造プロセスを追求し、信頼される製品づくりを目指す。社員一人ひとりが自分の仕事に誇りを持ち、助け合いながら日々の業務に取り組む。

高蔵工業の製造部は、地道な改善を続けながら、着実に前進しています。一つ一つの課題に真摯に向き合い、より良いものづくりを追求する。それが、高蔵工業の製造部の姿勢です。


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