見出し画像

女性が活躍する製造現場

砥石の製造工場はどんなイメージですか?一般的には硬くて重い材料を扱う製造の場面では男性が活躍するイメージが強いかもしれません。
私たち高蔵工業は、製造現場において女性が活躍できる環境を整える取り組みを行っています。このnoteでは、当社の女性メンバーに関する取り組みをご紹介します!


製造業には女性が少ない問題

製造業における女性比率

現代において、男女の就労における差は縮まりつつありますが、製造業は依然として「男社会」というイメージが根強く残っています。総務省統計局のデータによれば、製造業における従業者数の約7割が男性、約3割が女性という比率を示しています。

出典:総務省統計局
https://www.stat.go.jp/data/e-census/guide/basic/result/chart3.html

この数値からも、製造業における男性の優位性が窺えます。当社においても、女性従業員の活用は長年の課題でした。

20年前の話をします。

20年前の当社では、従業員の大半が男性であり、女性の在籍はわずかでした。パート社員も僅か2名で、工場内の軽作業や出荷、配達などはほとんどが男性の担当でした。50代の男性が早期退職後にパート社員として働くケースも多く、そうした早期退職後の再雇用者に助けられていました。

時は10年進みます。

しかしここ10年ほどで、軽作業を担う男性の採用が困難になってきました。これは、定年延長の影響もあります。2013年に政府が施行した『高年齢者雇用安定法』により、2025年4月からの「65歳までの雇用確保」が義務化されました。このような状況を受け、私たちは軽作業の採用対象を「主婦」に変更する決断をしました。かつての「工場の仕事は男性の仕事」という固定概念を超え、新たな採用戦略を模索することになりました。


女性が働きやすい職場とは

私たち高蔵工業は比較的早い段階から「女性の働きやすい職場」を実現するための取り組みを行ってきました。

仕事の細分化

まずは、仕事の細分化から始めました。例えば、出荷工程でのラベル貼りや検査表の作成など、細かい作業を個別に分担しました。これにより、作業の習熟度や体力の差を考慮した仕事の分配が可能になりました。

機械の導入

次に、各工程での標準化と効率化を図るため、機械の導入を進めました。また、重いものを持たなくても良いように、クレーンやリフトの導入も同時に進めました。機械化が進む中で、パート社員(特に女性)の採用を促進。そしてこれらの取り組みが定着率の向上にも繋がりました。

その他設備の充実

さらに、女性が増え始めたここ数年で、社内設備の充実に取り組んできました。更衣室やトイレの整備はもちろん、清潔で快適な職場環境を整えることで、女性の働きやすさを追求しました。

その結果どんなことが起こったか

職場の雰囲気が変わった

まず、女性が増えたことによる1番の変化は職場の雰囲気です。明るく清潔感が増し、男性社員も協力的で優しい雰囲気が広がりました。

女性の活躍の範囲が広がった

初めは軽作業が中心でしたが、機械の導入により製造工程の上流も女性が担当するようになりました。女性のリーダーも増えています。20年前に採用した方が今では正社員としてパート部門をまとめる存在になったり、10年前に採用した方が1部門の責任者になったりと、女性の活躍が工場内で自然と受け入れられるようになりました。


活躍中のパート社員へインタビュー

現在高蔵工業で働いている女性のパート社員のうち、3名に「入社のきっかけ」「働き方」「今後の目標」をインタビューしました。

入社2年目 Tさん
入社2年目 Kさん
入社9年目 Hさん

<入社のきっかけについて教えてください


Tさん:女性が笑顔で並んでいる募集広告の写真を見て、女性が多く働きやすそうと感じたからです!事務の経験の方が長いのですが、もともとじっとしてるよりは動いている方が好きなので、体が動かせる仕事を探していました。

Kさん:私は介護の仕事をしていましたが、夜勤をすることが難しくなったので日勤の仕事を探していました。応募の理由は私もTさんと同じです。みなさん笑顔で雰囲気が良かった!入社した今もその印象は変わっていません。

Hさん:子供が小さかったので午前中だけ働けるところを探していました。私が入社した9年前は男性がほとんどという環境でした。今は女性がすごく増えて、入社した頃とは工場内の景色が変わりました。

<どんなスケジュールで働いていますか?

Tさん:私は週4日、9時〜15時で働いています。15時半には家に帰れるので、夕飯の準備や習い事の送り迎えなど、家のことも十分にできます。

Kさん:私は8時20分〜16時の勤務です。以前は週5日で14時20分までの勤務だったのですが、プレスの工程を担当するようになってから週4日にし、その分1日の就業時間を伸ばしてもらいました。ミスなく仕事を完了させたい気持ちと家族との時間を大切にしたい気持ちを両立させた結果です。

Hさん:私は8時20分〜14時20分の勤務です。入社したての頃は午前中のみの勤務だったのですが、半年後から午後も働くようになりました。子供の急な病気や学校行事にも対応してくれる環境がありがたいです。



<今後の目標を教えてください!

Tさん:仕事にだいぶ慣れてきて、判断できることも増えてきました。会社のメンバーとはざっくばらんに会話ができ、遠慮なく良い関係を築けています。初心を忘れず、これからも確実に丁寧にを継続していきます。パート社員ですが、たくさん声をかけていただき、会社からの期待を感じることができます。期待してもらえる分頑張りたいと思います。

Kさん:日々の失敗はあるのですが、原因がわからないときは「これでいいだろう」ではなくきちんと確認をし、絶対に間違えないようにしています。入社して二日目の時に大きな砥石を落としてしまったことがあります。「怪我は無かったですか?」と、まず私の体を心配してくださったのがとても印象に残っています。ワークライフバランスの面など気にかけていただいているので、私も与えられた仕事には全力で応えていきたいです。

Hさん:出荷担当なので間違ったものがお客様に届いてしまわないようにということを日々心がけています。もしミスが起こってしまっても事前に気づけるように、どんなお客様がいてどんな取引をしているのか、出荷の手前の検査工程ではどんなことがあるのか、など、自分の担当する範囲外の知識をもっと深めていきたいです。


今後の組織づくり

雇用形態に関わらず活躍できる体制へ

当社には総勢44名の社員が在籍しており、それぞれが日々自らの役割に向き合っています。雇用形態に関わらず、一人ひとりが真摯な姿勢で業務に取り組んでいます。今回インタビューを受けた3名のパート社員も、高い責任感を持ち、自らの役割を全うしています。
これまでは会社の制度上、雇用形態によって責任を分担していましたが、今後はより役割を明確にし、働く日数や時間の制限を受けることなく、各個人が役割を果たせる組織を構築していく方針です。

例えば、インタビューで紹介した入社9年目の出荷担当のHさんは、4月からからはパート社員をまとめるリーダーとなります。また、入社2年目のKさんも、これまでは男性社員が中心となっていたプレスや製造の上流工程に関わる役割を果たすプレイヤーとなります。彼女たちは2人ともパート社員ではありますが、高蔵工業をリードする存在としてその働きが期待されての抜擢です。

もちろん、全ての社員が同様の責任を担う必要はありません。それぞれの役割の中で、チーム全体をサポートする役割を担う社員も欠かせない存在です。入社2年目のTさんはその一例であり、そうした社員の一人としてチームをサポートしてくれています。

我々の会社は、社員一人ひとりの働きによって成り立っています。社員の個性や能力を最大限に活かす仕組みを構築し、各人が充実感と責任をバランスよく感じられる環境を作っていきます。


▼高蔵工業株式会社公式ホームページ

▼採用情報


この記事が参加している募集

仕事について話そう