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私の人生を変えた元保護猫パスカル。

My Proud son  Pascal
私が貴方に初めて会ったのは2017年 沖縄で、でした。
貴方は6ヶ月の子猫で元々沖縄の公園で拾われたけど保護主が育児放棄をし縁が有ってうちが短期間預かる事になったよね。

実家で犬はずっと飼っていたけど、猫について全く知識が有りませんでした。
でも貴方に会った瞬間に恋に落ちて短期間預かるだけだった予定を正式にウチの子として譲渡して貰いました。(初期にちょこっとだけやってたInstagramはこちら。↓↓↓)


預かった当初。

猫についての無知から数々の失敗もしました。最初から最後まで至らない事だらけだったかも。ごめんね。

貴方は白黒のマスクで、モフモフで初めて予防接種に連れて行った病院で先生に”この子は大きくなるよ”と言われました。猫の種類にも無知だった私は何の事か全く分からなかったけど調べていく中で貴方がどうやらGentle giantのニックネームを持つメインクーンだという事に気付きました。

貴方は育児放棄をされていたにも関わらず、人が大好きで遊ぶのも食べるのも大好き。とても筋肉質で骨太、めったに鳴かず鳴いた時の声は鈴の音の様。

こんなに大きく立派になりました。


好き嫌いなくなんでも食べて、ブロッコリーやキャベツも大好き。とても頭が良く私達の言ってる事も多分全部理解出来てたし、ドアの開閉、冷蔵庫、何がどこに入っているかもきちんと理解していた。

お水遊びも好きでお風呂場にもおトイレにもどこにでも必ず後を付いて来ました。お水も蛇口から出ているのを私達の手を器にして飲むのが好きだったよね。
猫の生態は”個人プレー””気まぐれ”と言うけど貴方にはそんな気質は全く無かった。忠犬ハチ公並みの忠心を持った猫でした。

@Okinawa 半長毛では暑いよね。

とっても怖がりで優しくて虫すら一度も殺さなかった貴方。
駄々をこねる事も一度もありませんでした。

JJと二人でお留守番の時にはCatsシッターさんが貴方の優しさに感銘を受けて居ました。ご飯は必ずJJを先に食べさせてから自分が食べる、と。

@Paris

穏やかで初めて弟のJJ が家に来た時も威嚇する事すら無かったよね。
電車も飛行機もキャリーケースの中で一度も声をあげる事すら無かった。

パリにお引越しするときのフライトでも一度も鳴かなかった。
貴方ほど賢い猫ちゃんを私は見た事がありません。

@Paris

そんな貴方が声を出す時は”ご飯ー”か、貴方の大好きなLoicnに甘える時、そして私が長期で留守にしておうちに帰って来た時だけでした。
そんな時は”会いたかったよー”のミャーと共に鼻Chuを沢山してくれたよね。
おうちが好きでJJと比べるとお外には余り出たがらなかったけどフランスでキャンプングカーに乗って誰も居ない森の中に泊まった時は広大なとうもろこし畑をJJと走り回ってました。ブルゴーニュの2nd Houseでも毎回着くたびにキャリーケースから飛び出して1日中お外で遊んでたよね。

@osaka

一緒に新幹線、TGV,飛行機、全部乗った。そして大阪、名古屋、沖縄、東京のホテルにも泊まったよね。

人懐っこい貴方はお家にGuestが来るたびに挨拶しに降りて来てくれました。貴方が好きなのは大好きなLoicnに似た柔らかい雰囲気の背の高い男の人。JJとは反対でした。(JJはママっ子なので女性の方が好き)

弟のJJとは全く血の繋がりも何もないけど本当の兄弟以上に仲が良くて
JJがお家に来た次の日には鼻Chuをして直ぐに遊んでくれたよね。彼に猫の社会性を教えてくれたのもPascal,貴方でしたね。

最初の鼻Chuの直前

好き嫌いのない、グルメな貴方は何でもぺろっと平らげて少食のJJのおこぼれに預かろうと後ろでお行儀良く座っていつも待っていました。笑
その圧を受けて半分しか食べ終わってないけどJJはいつもその場を離れて貴方が残りを食べてました。笑

とても甘えたで、カリカリも3分の1は自分で食べるけど残りはママの手からじゃ無いと食べませんでした。笑
カリカリの入った食器の前に座り私を見上げるのが食べさせての合図。
可愛くて仕方有りませんでした。

私と貴方との間に言葉は無かったけど貴方の行動を見たら言いたい事は大体分かったよね。

Work deskの前のBox

じっと私を見つめてくるのは何か言いたい時。
仕事中だからちょっと待ってて、と言うと終わるまでその場で姿勢も崩さずいつも待っていました。
大抵はキッチンのカリカリやWetや鰹節が入ってる棚の前に立って”食べたいーー”という要求。笑
キッチンで寝転がるのは”もふもふ好き好きして”の合図。

日本からわざわざ持ち帰った直径40cmの爪研ぎ/bed


冷蔵庫の前で顎を上げるのはブラッシングして、の合図。
ポインターが入ってる棚の前はポインターで遊んで。
お風呂場や洗面台はお水が飲みたい。
トイレに誘導する時はおトイレが汚いよ。
玄関に誘導するのはこわがりだけど偶にマンションの敷地内にはJJと一緒に出かけるよ。
座ってる私の肩に前足で”トントン”ってするのはちょっと一緒に来て。
早朝寝てる私達がなかなか起きないと柱をガリガリ、猫砂を前足で掘って音を立てる、若しくはお顔に前足でトントン。そうやって起こす術も賢かった。


@Paris

モッフモフの毛並みで暑いと思うけど初夏でも日向ぼっこが大好きでお部屋の窓から差し込む日差しの元でお昼寝するのが好きだった。

私やLoicnの匂いが好きで必ず服や鞄の置いてある上に香坐座りをしていたよね。

寝る時はへそ天全開。


遊ぶのも大好きでJJと遊んでいると動き始めるのが遅いJJより先にあの大きな体で俊敏に獲物を捕らえに来た。
追いかけっこも好きだったよね。私が鬼になって鬼ごっこも三人で良くしたね。

テーブルの上は涼しくて好き。
自分の色とお揃いのB/Wの毛皮の上も好きでした。


最後の日も、近くのJazz Concertに行くLoicnやお友達を見送りにお庭から玄関前の私道に出て来ました。
一緒に行く?と”Pascalおいで”と呼んだけど貴方は来ないでよく遊ぶその目の前の小さな森林に入って行きました。
私はBebeを寝かしつける為のお散歩がてら会場まで行って戻って来ました。
その間15分。
その間に貴方は車にひかれて多分即死でした。
口腔から血を流して道路の端に横たわってる貴方を見つけた時の私の驚きとまさか、と言う思いは一生消えません。
薄暗い周囲で最初はそれが貴方だとは思いもしませんでした。何かが落ちている、そう思いました。

近づいてそれが貴方だとわかり、大声で貴方の名前を呼び、抱き上げて目の前の家の敷地に入りパパに助けを求めました。

貴方の体は綺麗で口腔内の複雑骨折だけだと思ったけど後から調べてみたら多分脳をやられて、首もやられて居たのだろうと思います。

貴方はまだ暖かく、モフモフでまさか息絶えてしまったとは信じられませんでした。その間私は貴方の名前を呼び続けました。

賢い貴方がまさか車に向かって行くなんて有り得ないと思った。
虫も殺さない怖がりな貴方がちょっとでも音がしたら逃げる貴方がまさか車の音を聞いて逃げないなんて有り得ないと思った。
そもそも車が殆ど通らない道で大きな貴方を認識した車が貴方を避けないなんて有り得ないと思った。
そしてそんな道で避けられないSpeedで走っているなんて有り得ないと思った。
何故?何故パスカル?何故の嵐でした。そして誰がこんなに酷いことを、誰?どうして?の嵐でした。
あとは貴方の名前の連呼だけが頭の中で響きました。

もし、あの時私が出かけてなかったら。
もしあの時、無理矢理にでも貴方を鞄の中に入れて連れて行けば。
もしあの時出発が10分早かったら
もしあの時天気が雨だったら。
もしあの時、そんな事を何百回と考えました。

爪を切る時、手のひらの直ぐに伸びる毛を切る時、歯を磨く時少しでも痛いと貴方は”にゃー”と鳴いてしまう位怖がりでした。

そんな貴方が大きな車が迫り来てどんなに怖かっただろう、ぶつかった時にどんなに痛かっただろう、ああ、Pascal,パスカル、パスカルパスカル。
ごめんなさい。ごめんなさい。

大好きなブルゴーニュのお庭。

”猫は絶対完全室内飼い” そう言われるのも最もだと思います。
でも彼ら(少なくともPascalとJJ)が大きなお庭でバッタと遊んだり、ネズミを追いかけたり、ヤギに近寄ったり、大好きな鳥さんの声を聞いたり、地面に背中を擦り付けたり、木陰で昼寝したり、納屋を探検したりラベンダーの茂みで日向ぼっこしたり 明らかにParisやTokyoの狭いお部屋に閉じ込められているより生き生きしている、楽しそうにしている、私にはそう感じられたのです。

お外楽しいにゃー。

だから時間の許す限りこの2nd Houseに貴方達と一緒に滞在しました。
貴方達を連れて行けない旅行には日本に帰る以外は一切興味が無かった。
だって貴方は私の大切な子供だもの。

もちろんここ以外ではお外を散歩する時はリールを着けて、JJは鞄の中に入れて必ず上半身を手で掴んで。

それでも、もし私が貴方達を決して外に出す事無く 風の匂いや、草の感触や花に群がるミツバチの音を聞かす事も無く完全に家の中に囲って居たならもう空想でしか語れない何百の"IF"を考えずにすんだでしょう。

Pascalを探せ🐱

貴方を失う時は老衰か、腎臓病か、糖尿病しか考えていませんでした。体の大きい貴方の介護は大変だろうけどどんな事でもする覚悟でした。
私やLoicnに見守られてあと10年は一緒に居られると思って居ました。

まさかこんな形で、突然お別れするなんて1mm足りとも考えた事すらなかった。
本当に1mmも。しかもまさかブルゴーニュの多くの地域猫の居る田舎で。
Tokyoですら貴方は事故に遭う事なく乗り越えて来ました。
事故死の確率は1%も頭を過ぎることすら無かった。

猫ちゃん可能だからここも泊まりに行った。

そして貴方を埋葬した後も、今でも見るもの全てに貴方を思い出します。
お庭にも、Sofaの上にも、キッチンにもお風呂場にも、テーブルの上にもBed Roomにも窓際にも階段にも 目に付く全ての景色の中に貴方を思い出します。

貴方が居てくれたお陰で私は”保護猫”という物を知り、知識を得てJJと出会う事が出来ました。
貴方とJJが居てくれたお陰で2度の流産も乗り越えられました。
それは二人が私にとって掛け替えのない子供だと思っているから。
貴方達が居てくれたお陰で誰も知らない土地に来ても日本に逃げ戻る事なくこの地に踏み止まる事ができました。
貴方達が居てくれたお陰で動物がこんなに可愛い物だと知りました。
貴方達が居てくれたお陰で、寄り添ってくれたお陰で今の私が有ります。

@Okinawa
@Paris
@Paris

貴方を産んだのは私では無いけれど、貴方は間違いなく私の自慢の息子です。そして又必ず戻って来て。
犬でも、猫でも人としてでもなんでもいい。
必ず戻って来て下さい。
LoicnとJJとAkariと四人でずっと待ってる。

意志を明確に持った子でした。
貴方が愛して止まず最初から最後まで忠誠を尽くしたのは貴方を救ったPapaでした。



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