趣味がお菓子作りだった頃の

本棚の大事な1冊

今週月曜日の夜の、Eテレ『グレーテルのかまど』で
レモンパイの放送を見ていて、この本を思い出し
本棚から取ってきて眺める。

小さい頃から、お菓子作りが趣味で
クッキーやマドレーヌ、パウンドケーキなど
焼き菓子を作るのが好きでした。
混ぜるのが大好き。バターを泡立て器で白っぽくなるまで
砂糖と混ぜるのとか、卵黄をすり混ぜるのとか。
そんな焼き菓子のレシピがたくさん載っているこの本。
出版年月日を見ると、昭和64年って書いてある。
ちょうど昭和から、平成に変わった頃。
私は中学三年生だった模様。
その頃に、どこで買ってもらったのかな、ずっと大事に
この歳まで持っている本です。
レモンパイは、アメリカンケーキだな、と
この本の表紙に書いてある、アメリカンパイの文字が頭に浮かんだのです。

アメリカンパイ、で思い出すことはまだあって
我が家は、曾祖父と祖父の時代に
アメリカはサンフランシスコに移民していて
今も日系人の親戚がアメリカに住んでいるのだけど
私が小さい頃は、何年に1回かホームステイに来られていたのです。
いろんな人がいて、よく来られていた父や伯母達のいとこの
おじさんは、とても優しい穏やかな人で、日本語もしっかり話せて、
その頃小学生の私にもよく話しかけてくださったのです。
田舎の家で、出かけるところもなくて、
昼間、何をして過ごされているのかなぁと思っていたけど、
NHKの国会中継を2カ国語放送で見たり、
居間に置いておいた、お菓子の本なども見ておられて
学校から帰ると、タカコサン、タカコサン！
私の好きなケーキが載っていますよと、教えてもらったのが
レモンパイだった。レモンクリームにメレンゲがのっているタイプの。
それを、家におられる間に、作ってあげることはできなかったし
そんな腕もなかったんだけど、レモンパイと言うと
やさしいおじさん、ジョージさんを思い出すのです。
それから、私がお菓子作りをすることを知って帰られたので
アメリカから、パイ皿やマフィン型など
お菓子作りの焼き型を送ってくださって。それは今も
大事に使っています。私の何度かあった引っ越しにも
ずっと付いてきてくれている。

『グレーテルのかまど』で、レモンパイを見て
ジョージさんを思い出せて、温かい気持ちになって良かったと思った。
この本のことも。本の中のケーキ、何か作ってみたくなりました。