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ひたすら砂浜クリエイ島

 約半年の時を経てnoteに復帰します、と書いてはや一ヶ月。
 皆さま、このゴールデンウィーク、如何お過ごしでしょうか。
 私はひたすらゲームをしています。
 おわり。

 なお、四月に何をしていたかというと、
 ひたすらゲームをしていました。
 おわり。


 数行で終わらせるためにテキストエディタを立ち上げたわけではないので、もうちょっとふくらませて続ける。


 何のゲームをしてるの?ゲーミングPCを買ったんだしやっぱりsteamとか?
 などと聞かれでもしようものなら面目もない……四月はパソコンすらもほぼ放置していたのだから。
 ゲームをするためにゲーミングPCを買ったんじゃないの!?
 と天使の私が厳しく問い詰めてくるが、まあ、PlayStation4とSwitch liteもあるしね。えへ。
 本音を言うならPS4はもはや立ち上げさえ面倒に感じるものの(でも新作をPS4で一本やったので四月は頑張った)、Switch liteはその点、とても便利である。携帯機ってどうしてあんなにだらけた人間に優しく設計されているんだろう……ライトゲーマー層への理解の深さには感服するほかない。liteだけに。というかだからliteなのか。
 
 ではそのSwitch liteでひたすら何のゲームをしていたかというと、「あつまれ どうぶつの森」。
 
 少なからずゲームをたしなむ人で、でもあつ森はやっていない人ならば「あつ森ってひたすらやるようなゲームだっけ?」と思われるかもしれない。
 しかしあつ森ひたすら勢(ガチ勢を言い換えてみた)はこう得心するに違いない。
 島クリしてるのかー!と。
 そうです。
 ひたすら島クリをしております。
 今年の二月ぐらいから。ひたすら。

 この時点で「あつまれ どうぶつの森」(以下あつ森)をご存じない方はブラウザバックしておいでだろう。残った稀少な方々を想定して先を書く。

 島クリ、正式名称は島クリエイト。
 無人島(仮)の河を埋めたり広げたり繋げたり崖を生やしたりはたまた埋め立てたりする、あれ。
 花や木を植え、地面を彩り、住民(どうぶつ)さんの家や施設を移動し、そのために金策と明日に追われるあれある。どうでもいいけど「明日に追われる」って我ながらかっこいいな。この感覚、島クリした人ならわかってくれるのではなかろうか。
 あつ森というゲームが、本来、島クリをメインとしているのかは何とも言えない。
 とくだん島クリをしていなくてもひたすらあつ森やってるよという人も大勢いるだろうし、島クリが完了(完成?)したら途端にやることなくなったプレイヤーも、まずまず存在するのではと感じている。というのも、私のひたすら島クリもかなり終わりが見えてきたから。
 そのあたりの細かいことはまた別の機会に書くとして、先々の懸念を払拭するが如く、完成後も日々のメンテナンスは必要な構造(?)にしておいた。
 ところで今回のこの文章、( )が多めなのだが、ちょっと大目に見て頂きたい。おおめだけに。

 さて、ひたすら島クリに勤しんだおかげで完成間近な我が島。
 残すは浜辺である。
 そして今、そこでひたすらさまよっている。
 それは何故かと言ったらば、わたくし、海なし県民。

 海って……浜辺って……何?
 
 と、わりと真剣に首をかしげている状態。

 いや、世の中には海あり県の民でも海が遠いとか、そんなに海になじみがないとか、いっそぶっちゃけ海はたいして好きじゃないのよねとか、山ほどいらっしゃると思う。海なのに。
 逆に海なし県で生まれ育っても、海が好き!前世はカリブ海民!来世の分まで海を満喫してる!という方もおられよう。現に私の友人も生粋の海なし県民でありながらクジラ好きが高じ、週末は決まってホエールウォッチングに繰り出していた。

 海なし県に生を受けたからこそ、海に惹かれる。
 そういうこともある。

 そうだよ、私だってイギリスがない国の人間でイギリスの血なんて一滴も入ってないのにイギリスに呼ばれた気がして留学までしたもんなあ。一時期(今でも?)イギリスブームがあったりしたけど私自身はさほど影響を受けた記憶はない。一般書店にイギリス関連の資料が増えて有り難がるあたり、ひょっとしたら熱意が足りないのかもしれない。無名の頃からずっと追ってきたバンドがメジャーデビューを果たし祝福する反面、妙に独占欲がうずくようなことが起こらなかったのは、愛を試された結果とも言える気がする。気がするだけでまったくもって何の関係もない。無名のイギリスって何だよ。

 話が逸れまくっているようで、実は計画通り。
 そのイギリスで、私は海に出向くことが多いのだ。
 日本国内の海をほとんど知らないのだけれど、ついでにここで言う「海」は、波打ち際を歩ける、潮風に吹かれる、水平線がまるく見える、そんな体験や感覚のことでもあるのだけども、南イングランドの海なら何度も訪れている。
 海の記憶の九割ぐらいが、南イングランド、ヘイスティングスの海。残り一割が日本とその他。

 ヘイスティングスはイギリスに入ったら必ず直行する街。ロンドンを経由し、列車で三時間ほど。
 その街を選ぶ理由を書くと長くなるので省くが、泳ぎが得意な人ならフランスまで行けるという、そんな地理。
 街のどこにいても高台にのぼれば海が見える。みゃうみゃうと鳴く鳥が旋回していく。フィッシュアンドチップスが内陸部より明らかに、そして遙かにおいしい。
 海。これが海。
 しかし、ヘイスティングスの浜辺は砂浜ではない。浜を覆うのは、小石なのである。
 今ちょっと調べなおしてみたが、南イングランドの海の浜すべてが小石というわけではないようだ。でも私が行く海は、ほぼ小石。
 その事実に、あつ森をプレイしていて気づいたのだった。

 まあ、浜辺といえば多くの日本人は砂浜を連想するだろう。あつ森は海外プレイヤーも多いとはいえ、やはり日本製だし。
 きらきらした砂浜があって、足跡がついて、ヤシの実がなる木があって。
 いいね。砂浜。
 小石だとそうはいかない。石といっても本当に小さくて軽い石だから裸足で歩いても痛くはないものの、足跡はつかないし、食物も育たない。きらきらはしてないけど、一粒ひとつぶ、石の色やかたちの微細な違いは観光客をいっとき哲学者にしてくれる。

 そういう海があつ森に向きますか?
 誰も納得しませんよ。南イングランド人でもなければ。

 が。
 しつこいのは承知の上で言うと私は海なし県民だし、なけなしの海メモリ(別のゲーム名みたいだな)がかような小石の浜なもので、あつ森の島クリにやや支障を来しているのである。海辺のイメージがあつ森のそれと絶妙にマッチしないから。何というトラップ。
 さっきも似たようなことを書いた通り、海なし県民とて海が出てくる映画を観たりするわけで。まばゆい陽光のもと一夏の恋を享受する若者たちの足もとはそう、輝ける砂浜。少女マンガで好きなアイツの名前を指先で書いてみては打ち寄せる波に消されるのも、あれは夕暮れの砂浜。
 最近の流行だと「砂浜しか勝たん」とでも言うのだろうか。

 おおむねそんな理由であつ森の砂浜をどうしたものか難儀しているわけだが、これぞサンドボックス系の醍醐味でもあるだろう。サンドなだけに。
 同じサンドボックスゲーム(と言っていいのかな)の「ドラゴンクエストビルダーズ2」では浜をどうしてたんだっけ?と思い出そうとしてみたら、そういえば最初は「デス・ストランディング」風のビーチにしようとしてやめて、まあそれは今は良い。
 これは決して自暴自棄になっているのではないが、砂浜には何も無い環境が理想ではある。
 特にあつ森の場合、あまり色々とものを置いてしまうとジョニーが流れ着いた時にパーツ探しが面倒だし。ただでさえ面倒なのに。

 砂浜、どうしようかなあ。
 と、ぼんやり歩いていると住民とすれ違って、それぞれのどうぶつの足跡が残る。
 鳥なら楓みたいな足跡。ハムスターならまんまるの足跡。
 それがさくさくと数歩つづいて、自然に消える。
 その短い時間がとても愛おしい。

 だからいっそ、本当に何もなし!砂浜はただそれだけで砂浜としての価値があるんだから!
 と潔く断言し実行するのも手なのだが、そこはもうライトとはいえゲーマーの性。何とかどうにか面白くしたいよう!
 そして実際に何かしらを置いてみるとこれはこれで……アリなのでは?
 そんな島クリという名の試行錯誤をひたすら繰り返している。この三日ぐらい。
 あと何日かかるかは神のみぞ知る。


 それにしても浜辺が小石って、何故そうなるんだろう。海水の研磨力の問題だろうか。
 このご時世、目の前の機械で調べればすぐわかりそうだけど、想像している時間ってなんでこんなに楽しいんだろう。この性分、ゲームプレイにも反映されていそう。
 日本の海って荒波のイメージがあるので、そりゃ砂にもなりそうと思ってしまう。もう、この「日本の海は荒波」の段階で海なし県民の限界(標準値)が知れる。あとヤシじゃなくて松なんだよね?違和感しか持てないんだけど我が祖国の海がそういうものなら異論などあろうはずも無い。「ゴースト・オブ・ツシマ」でならしっくり来るから不思議。もしやこれがゲーム脳か?望むところよ!

 ともあれ、海なし県民としてある種の誇りを有すわたくし、国内で旅をしたい地ベスト3に沖縄はランクインしていない。今のところは。トップ7なら何とか。
 そしてあつ森の島内にこれでもかというほど木や低木を植えまくっているのに、浜辺にヤシを植えるのは何だか気が進まない。木だけに。
 ヤシがある浜なら映画の「キャストアウェイ」みたいな完全無人島がいい。ヤシがないと生きていけないような。それはあつ森ではできないことだから(住民を増やさなければ何とか……ならないな、あの文化的な役場がある限り)そういうのはビルダーズで。
 あるいはパソコンにプリインされているマインクラフトで。さすがゲーミングPC。ゲーミングしてね、このゲーミングPCでねとひたすら無言で訴えてくる。

 でもごめんなさい、これをアップしたらあつ森の浜に戻る。ジャスティンが私の魚を待っている。



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