Open Team Building : #07 願望

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 GRAB THE VICTORY はバスケットボールに対してのスローガンです。それだけではなく、オフコートでの行動指針となるような文言、または現在すでにあるチームカルチャーを明文化しつつ、且つこれから大切にしていって欲しいことを伝える文言、そういったものを作ること。そしてそのプロセスを通してチームビルディングが進んでいくことが願いです。

 とはいえチームの理念やスローガン、つまり言葉の整理がチームビルディングの目的ではありません。上から提示された行動指針や言葉に従うのではなく、主体的に考えてほしい。そうすることで意識の統一と結束力を高めてほしい。

 意識の統一と結束力を高めることは、ある意味では手段です。チームの目的・目標を達成する為に必要なことです。チームの目標は当然の様に「B3 優勝」になります。ただしそれだけでなく「スポーツを通じてたくさんの人を笑顔に」という理念、これも同時に達成をするという目的に行き着きます。

 さて。たくさんの人を笑顔にするためにはどうしたら良いのか。これは「応援をしてもらうチームになる」ということにも繋がるのかもしれません。応援をしたいと思うから見てもらえる、そこで満足感や感動を得られるから、笑顔になる。

 それは勝つことで達成できるのか。強ければ、応援され、笑顔にすることができるのか。恐らくそれだけではないこの課題への解決策の糸口として、チームカルチャーというものにフォーカスすることにしました。

 #2 意見でまとめた際に「チームスローガンとチームカルチャー。そしてもう1つ」という3つに分けられるイメージを当初は持っていました。しかしスタッフとの議論を重ねる中で、言葉で全てを伝えることの難しさ、どこかで言葉遊びに行き着いてしまう懸念を同時に感じました。

 極力シンプルに表現し、伝わりきらない部分に関してはスタッフが直接話をして行動でしめすほうが、選手にも浸透していくだろうし、トップダウンの指示に終わらず、チームビルディングに繋がると考えました。そこで3つに拘らずチームスローガンとチームカルチャーの2つに絞ることにしました。

 それを踏まえて、チームカルチャーとして何を掲げるのか。

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「出来ない理由を探さない。口にしない」
「1つ1つの行動に考え・理由(がある)」
 これと似た言葉として、#6 で紹介をしたGRAB THE VICTORY 勝者のメンタリティには、「No excuse, Explain」 という言葉があります。

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 言葉をまとめていくうえで、スタッフが「思考と姿勢」を特に重要視をしていると感じ、上図のような文章に一旦まとめます。ここから、言葉をそぎ落としシンプルな言葉にしてみると以下になりました。

「考えること 自分のことも 相手のことも 
行動すること 強い意思と 正しい姿勢で」

 一見キレイな言葉の様な気がするのですが、この言葉を体現するチームを想像したときに、優等生ではあるけれど魅力的なのだろうか、という疑問が生まれます。行動規範・ガイドラインとして高潔さはあるのかと思いますが、それが強すぎると個性を消してしまうのではないか。枠にとらわれない強烈な個性もチームには必要で、それが人を魅了するし笑顔にもする。

 元々は社会性を意識することが、このチームビルディングの1つの重要な要素ではありました。(#1 分析) 相反するかもしれない「枠にとらわれない強烈な個性」をどう組織になじませていくかは、大きな課題です。

個性の強さとして、良い方向からみるか。
社会性の欠如として、悪い方向からみるか。

 スタッフとの議論を重ね行き着いたのは、

きっかけを与えて日々考える時間があり、
ヒントや補足はいつも側に居るスタッフが持っている状態

 を意識して作っていくことです。

 おそらくどれだけ言葉を綺麗にまとめても、どれだけ過不足なく表現をしても、多様性溢れる選手に対して一律に理解を促すことは難しい。また起きる事象によっては全く当てはまらない場面も多いことが予想できる。ただしその時にスタッフが適切なアプローチで進むべき道をしめすことができる。そのためのスタッフ間での共通認識は出来ている。

 この状態が最適解とたどり着きました。

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 こうありたい。という願望は明確に持つべきですし、そのための手段と目的は適切に理解をしなくてはいけません。ただしその過程で全員が自分の考えを完璧に理解をしてくれるであろうという願望は危険です。常に変わる状況や、一筋縄ではいかない多様性を受け入れ、柔軟に対応しつつ同じ方向に向かう、そのためのガイドライン・タグラインとしてチームカルチャーがある。

 こうして産まれた東京エクセレンスのチームカルチャーはこちらです。

考えること 自分のことも 相手のことも
学ぶこと 社会性も 人間性も
行動すること 謙虚に 真摯な姿勢で
成長すること 魅力的で 尊敬される人に

次回はいよいよ最終回。
選手・スタッフとこのチームビルディングを改めて共有します。
お楽しみに

・・・・・

 このチームビルディングで、スタッフ間での意識のすり合わせはだいぶ出来ました。それでも定期的にアップデートが必要になるでしょう。その時には我々も変化を恐れずに貪欲に学び続ける姿勢で対応しつつ、一方では今回作り上げたものたちを、守るべき軸として大切にしていきたいと思います。

 今回のテーマは「願望」としました。自分や組織の叶えたい願望について、または相手や組織がこうあってほしいという願望について、たくさん考えました。他人や組織はそう簡単にはコントロールできませんが、自分はできます。自分のためのガイドラインとして、各々が時折見直す、そんな言葉になれば良いなと思います。

 

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