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DELTA Experiment コロナ禍におけるアート体験

 今回は大阪、堀江にあるTEZUKAYAMA GALLERYにて開催された大阪・京都・東京の3都市から新進気鋭の若手ギャラリーが集まったアートフェアDELTA Experimentに行ってきました

TEZUKAYAMA GALLERYは大阪を拠点に日本の若手作家を積極的に紹介しているギャラリーで、以前訪れたときは大阪でも数少ないホワイトキューブであり好感を持ったことで注目していました。

その場所で日本の3都市から、特に東京のギャラリーが今回のようにコマーシャルギャラリーに集まっている機会は初めてだと思うので非常に大きな期待を抱いていました。

今日はそのDELTAに集結したギャラリストの皆さんのギャラリートークに参加したのでその様子を少しでも伝えたいと思い書きます!


DELTAが生まれた経緯

コロナという予期せぬ事態が起きて、行われる予定だった多くの展覧会やイベントが中止になっている現在、若手アーティストが作品を発表する機会位が減ってしまっている。そこで1つのギャラリーとアートフェアの中間のような規模感で展示をする機会を作りたかった。

そして若手アーティストを取り上げるという意味でも20〜30代の作家を扱っていて、かつ30〜40代のマネージャーが運営されているギャラリーの方にオファーをして集まってもらい、若手のアーティストを重点的に出展してもらった

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※最前列で写真が見切れた

それぞれのギャラリーの出展作家を選ぶ基準

鈴木 亮  EUKARYOTE(TOKYO)
菊池遼@harukaka_品川はるな@47_haru_
2人の作家の作品は絵画の絵肌に特徴があり、目で見たときの雰囲気は実際に皆いいと伝わらないものもあり、関西に来る機会に展示したいアーティストだった

八木 宏基 HARMAS GALLERY(TOKYO)
TEZUKAYAMA GALLERYは展示空間や取り扱っている作家のイメージとしてシュッとしているという感覚があったので、そこで映えるものを選んだ
オンラインにおいてよりオフラインと比べてより伝わる角度が少なく、雰囲気を掴みにくい彫刻も選びました

吉田山 FL田SH(TOKYO)
自分のギャラリーで取り扱っているアーティストとしてオリンピック前夜に揺れ動くアーティストというイメージがあり、そのアーティストの作品を持ってきた
アーティストの特徴としては野外で情報をインプットして活動している人が多い

櫻岡 聡  FINCH ARTS(KYOTO)
一番多く、6名のアーティストの作品を持ってきました
水谷昌人 前谷開をはじめとするアーティスト

京都は芸大が4つあり、多くのアーティストが誕生する場所ながらアーティストが展示する場所として貸しギャラリーが主になっている。しかし、なかなかアーティストをマーケットに送り出すという意味ではまだまだ足りていない現状がある。FINCH ARTSはアーティストをサポートしたいという理念で活動していて、作家の希望も強く、6名のアーティストをの作品を持ってきた。

李 沙耶 LEESAYA(TOKYO)
ギャラリーのコンセプトとして同世代のアーティストと仕事をしているので年齢の近いアーティストも多く、表面のテクスチャに特徴のあるアーティストとして選びました
須賀 悠介 神馬啓佑

岡田 慎平 TEZUKAYAMA GALLERY(OSAKA)

小池 一馬 和田 直祐 御村 沙耶

立体の彫刻や画面の質感が特徴的などオンラインで伝わりきらない質感を持つ作品を選びました

高橋 亮 DMOARTS(OSAKA)
倉崎 稜希 小谷 くるみ 田村 琢郎

立体作品や表面の質感に特徴のある作品を選びました。

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ディスカッション

大阪のアートを取り巻く環境

総じて課題感としては

美術館からの若手アーティスト支援が美術館への提供にリアリティがない

東京にいる限り大阪で活動する作家の情報はなかなか入ってこない一方で
京都は卒業制作を東京でやる大学もあり、卒業制作展示に行けないという問題を解消している

また、競争環境として大阪はアーティストにとって刺激が少ない場所でもあるよう

コレクティブなどの積極的に活動する集団とは異なるタイプのアーティストを支える環境が足りていない。この課題は東京においても同じ

新興ギャラリーとしてはギャラリー開設3年以上などの制限があるアートフェアも多く、出れるフェアが少ない中でDELTAのような機会は質の高い作品で貢献できるシステムになっており今後も期待がある


質問

ギャラリーが作家を支える、伴走する方法

意図:私は書籍やインタビューで現代アーティストの成長過程を調べている中で、一つのマイルストーンとして美術館はあるものだと考えていました。(ここでいう成長は簡単に言えば値段が上がっていくことです)
そしてディスカッションの中で関西のギャラリーの所感として美術館は若手作家の支援に熱心ではないとありました。ではいったい他にどんな方法で作家をサポートするのかお聞きしました

回答:展覧会ごとにアーティストのカタログを作るなどすることで美術館の倉庫に眠るよりも個人で大切にされるという状態を作ろうと思っている

作家はそれぞれどのように生きていくか異なるので一概には言えないが、極論としては作家がアーティストとして生きていける環境を作ることが伴走ということだと思う


以上

DELTAは明日08/30が最終日なのでぜひ絵肌や側面にも注目できる絵画鑑賞を楽しんでみてください!


読んでいただきありがとうございました


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