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天空からのサバイバル生活


Holiday Works 〜九州放浪編〜 Week 4 週目

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日本のチベットかマチュピチュか。とにかく高千穂は天空感がハンパない。神話の町っていう触れ込みなんだけど、もちろんそうなんだろうけど、そんなことよりもとにかく標高が高い感じが気分までハイにしてくれちゃって、そっちがもう大変で。景色が変わるたびにワーキャー言っちゃって、ずっと興奮状態。住むかっつったらなんか恐れ多くて住めないんだけど、やっぱり強烈な磁場っていうかパワースポットですね、高千穂は。

由布院→阿蘇→高千穂という中央九州のハイライト3連発〜!!!〜な流れでたどり着いた高千穂は雨だった。そこから雨が上がるのを待って、カラっと晴れた3日目。煌めくような陽光降り注ぐ高千穂は眩しいほどに美しく、神々しく感じられた。最初に訪れた高千穂神社もレベル高い!レベルっていうとなんか軽いか、位が高い。

九州って有名な神社がいっぱいあって、そのどれもがパワースポット認定!みたいな感じなんだけど、高千穂神社はヤバかった。ヤバかったなんていうとチャラいか、荘厳。正直ね、僕ら家族はもう神社疲れっていうかパワスポ疲れしてて、有名な神社でもお参りをスルーすることも多くなってたんです。でもここは詣でないと。神々との接点っていうか、天界に通じる関所のような、そんな雰囲気。

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九州を旅するにあたって、神話はどうやっても避けられません。古事記や日本書紀の世界です。天照大神がお隠れになった天岩戸や八百万の神々が会議をした天安河原など、古代日本の舞台がズバリ、ここ高千穂にあります。子供たちにとっても天照大神はビッグネームで知ってる名前だったんで興味持って各地を見てまわってました。歴史の舞台に実際に降りたっての、いい勉強タイムです。

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あまり薬を飲まない僕ですがここでは”ヒュウガトウキ”という健康食品にハマってみました。通称”山にんじん”。高千穂以降、この苦い粉末を毎晩飲んでます。古代から飲まれていて、神の草とまで言われてるものですからね、これは間違い無いでしょう。これでここからの九州南部への備えは万全〜!なんて浮かれ気分なお調子者、それが俺です。

高千穂にいる間、コロナで大変な騒ぎになっている地上からは遥か上空の異世界を旅している気がしてた。それが延岡、日向、宮崎と海沿いの町を南下するに従ってずいぶん様子が変わってきた。非常事態宣言が全国に拡大され、九州におけるシチュエーションも大きく変わり、温泉も「GW明けまで休業」なんて看板が大半を占めるようになっていった。

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そうなると僕らも不要不急の外出を控えて日南市の山に籠るようになった。岬の突端にある、市が運営している無料のキャンプ場があって、管理人はいないんだけど、市役所の人がたまに見に来る。そんな場所。

そこで僕らはサバイバルな生活へと突入していった。まずはタケノコ採り。このキャンプ場の主みたいなブンちゃんっておじさんがいて、朝ブンちゃんから教えてもらって子供たちだけで、これだけのタケノコを山から採って帰ってきた。春ならではの季節を感じる食材、、パーフェクトです!

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このキャンプ場は山の中にありながら、海までも歩いて3分という素晴らしいロケーションだったんで、今度は子供たちを磯釣りに連れていきました。日南市は宮崎市の中でも最南端で、南国度数は一番高い。日差しも強いし、海の色も沖縄のように澄んでいて吸い込まれるように美しい。珊瑚もチラホラ見えてて海に潜らなくてもここがお魚天国なのは一目瞭然。

浜松「はま〜る」のたつやさんにもらった釣竿に簡単な仕掛けを施し、岩にへばりついている貝を剥がし、むき身をハサミで2つに切って針につける。強い日差しの中、何度もトライ&エラーを繰り返しながら一匹、また一匹と釣り上げる。子供たちにタケノコを採りに行かせてる間中ずっと電話ばっかりしていたグウタラ親父もこれで一気に面目躍如。えがった〜!

30度近い温度&ガン照りなんで、途中でリオはテントに戻っちゃったんだけど、ヒラクは野生に火がついたのか、今までにはない粘りをみせて帰ろうとしない。これまでにも何度か川釣りに連れていったけど、一度も釣れたことがなかった。唯一釣ったのは新宿とか目黒にある釣り堀居酒屋「ざうお」だけ。そのヒラクが日暮れになるまで釣り糸をたらし続けてる。親としてはそれだけでも嬉しいものです。根性でてきたな、ちょっと男らしくなってきたな、とかね。その小さな背中を見ながらそっと喜んでました。で、陽も沈みかけた夕方6時ごろ、ようやくヒラクにもナイスなアタリがあって見事、フグを釣り上げました。日に焼けた顔をクシャクシャにして喜んでました。「自然と戦い、そして勝つ」という釣りの醍醐味を初めてその手につかんだ瞬間でした。毒があるんでリリースしたけど、それでも大きなものを手にしました。

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結果、ベラ三匹。これっぽっちの収穫でも、みんな美味しい美味しいって言って食べてくれた。タケノコを炊き込んだご飯と魚の天ぷら。それだけの晩ご飯なのに、本当に心に残るほど美味しかった。

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ようやくここまできたなって思った。都会育ちの子供たちにまず最初に見せたかった景色はこれだ。みんなで力を合わせて、食べ物を探したり、捕まえたり、釣ったり。そうやって大いなる生命の営みに触れて、食べるっていうのは命を頂くことなんだっていう食の基礎を知って欲しかった。

ここに来てからはいっぱい理科の勉強もできた。理科は簡単に言うと観察と実験。自然に目を向けるってことだけでももう立派な勉強。ここに来てから夜ずっとカエルの大合唱が聞こえる。いったい何匹いるんだろう。朝、雨が上がった水溜りにいっぱい卵が産み付けてあった。それを見てリオが、「こんなちっちゃい水溜りで産まれるの?雨が降らなかったら乾いちゃうんじゃないの?」って聞いてきた。そう、きっとこの卵がオタマジャクシになれる可能性は少ない。もうアメンボがたくさんやってきてる。アメンボは普段の生活はほとんど地上。でもこうして水溜りができるとエサを求めて水上にもやってくる。きっとこの卵は今日明日中にアメンボにやられちゃうんだろうね、なんて話をした。

次に市役所の人から「マムシに注意してください」って言われたと子供たちに話したらめちゃ驚いていた。毒蛇いるの〜?ってかなりビビってた。マムシはカエルを食べるために夜ニョロニョロ動き回るから素足で歩くときは気をつけてね、なんて軽くアラートしながら、カエルの卵いっぱいあるけどその中でも立派に大人になれるのはほんの一握りなんだよ、なんて話をして理科の授業はおしまい。

なにもないこの場所で、いろんなものが僕たちにやってくる。それをひとつづつ、みんなで楽しみながら過ごした。夜はテントに集合してトランプの「大富豪」大会。この旅に出てから車の中で上の二人はしょっちゅうやってるんでずいぶん上手くなった。2歳のスーも三枚だけ持って参加したりして、たまに大富豪になっちゃったりしてw

2日目の夕方には汲んできた湧き水も底をついたのでそこにある上水を飲み、今までだったらコインランドリー一択だった洗濯物もそこで洗って干すようになった。

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そうして迎えた3日目の朝、宮崎県の西都市で旅館を経営しているナガちゃんから連絡があって、そちらにしばらく寄せてもらう運びとなった。この猪崎鼻キャンプ場もその日をもって当分休業ということもあったので、その申し出は本当にありがたかった。僕がちょくちょく電話してたのはこの件なのでした。コロナの影響もいよいよここまでやってきたか、という感じ。

西都のナガちゃんの旅館に着いて真っ先にみんなが飛びついたのは家族風呂。さすがに3日ぶりの風呂ってことでみんなのテンションも天井知らずのアガりっぷり!身体中の泥を落として気分爽快〜!!身も心もスッキリしたのでありました。

ここにはWi-FiもTVもあるし、なんでもある日常に戻りホッとしたその翌日(今ね)、僕は風邪をひいた。これまでビンビンに張っていた気を少し緩めたせいもあるだろうが、、おかしいな。寝る前にちゃんと飲んだはずだ。

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ヒュウガトウキよ、古(いにしえ)より伝わる神の草よ、どうなされた?

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ヘ〜ックショィ!っと。


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