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自撮りアンチのSNS -POPARAZZI-

順調に6回目を迎えました、このブログ! (いや1日投稿遅れました。ごめんなさい😢)

いつもはハワイのスタートアップか社会課題解決のスタートアップメインでご紹介して参りましたが、今回は、今週テック界で話題になった新しいPoparazziというソーシャルメディアアプリをご紹介したいと思います。

スタートアップ名

TTYLという会社で、作っているアプリ*がPoparazziです。Poparazzi以外にも会社の名前のttyl, yearbookなど、複数のソーシャルメディアアプリを開発しているみたいです。
例えを使って説明すると、サントリーは会社の名前で、プレミアムモルツという商品を開発・発売していますよね。TTYLという会社がPoparazziという商品(アプリ)を開発・販売しているわけです。

※アプリケーション(アプリ):主にスマフォなどの機械(ハードウェア)にダウンロードして、そのソフトを簡単に起動と使用できるようにするためのシステム的な。(まあ、見ての通り、ボタンですよね。)

何ができるアプリ? 

いわゆる"ソーシャルメディア”*アプリです。写真を投稿して友達と共有したりするのですが、このアプリの特徴は自分の写真を自分のアカウント(ページ)には投稿できず友達の写真を友達のアカウントに投稿するタイプのソーシャルメディアです。(あとで詳しく説明しますので、ここであきらめないでください!笑)

※ソーシャルメディア:もうご存知ない方はいらっしゃらないと思いますが、Facebook, twitter, インスタグラムなど自分の写真や記事をオンライン上のプラットフォームにあげて、たくさんの友達や知人に共有できるサービスのことです。「今更聞けないけど、分かっていない‥」という方は日経さんのこちらの記事を是非。

カテゴリー・業種

カテゴリーはアプリで、業種はソーシャルメディア

サイズ*

 先週のアプリの正式版発表のすぐ後に2000万ドル(約20億円)の調達をして、企業価値は1億ドル以上、(約100億円)になり、シードからシリーズAの仲間入りをしました。(それでもまだシリーズAなの‥)※ちなみにTTYLも投資した側も正式発表していないので、すべてニュースの憶測からひっぱてきております。

※スタートアップのサイズとは:スタートアップ業界では、シードとかシリーズAなどという「サイズ」という言葉をよく聞きます。スタートアップ界での「サイズ」とは、簡単に言うと、その名の通り「会社の大きさ」という意味と、「何回、大きな投資を受けたか?」というのを知る為の基準になります。細かいシードとかシリーズAに関しては私の前のブログをご参照ください。

TTYLは,他のアプリで2018年に2百万ドル(約2億円)の投資を受けていますが、それ以降は特に目立った資金調達はないので、このPoparraziがまさにTTYLのキャッシュ🐮カウになるのではないでしょうか?

ちなみにこのPoparrazi、Beta版(いわゆるテスト版)を作ったのはなんとたった2ヶ月前の3月。それから約1万人のテストユーザと10万の投稿で5月23日に正式版の立ち上げをしました。んで、その正式発表の次の日に企業価値100億円以上の会社になったというわけです。

要するに100億円のアプリを2ヶ月と1日で作ってしまったというわけです。

ちなみにファウンダー(創業者)のAusten Ma氏 と Alex Ma氏は兄弟。そしてアジア人!(ここ、すっごい嬉しい。)若干、24歳と26歳らしいです。シリコンバレーではそんな若いほうではないですが、アラフォー筆者にしてみるとやはり、わ…わかい! 下のForbesの記事でお二人の写真をみることができます。

スタートアップが普通の会社と何が違うか?

ここでせっかくなので、スタートアップと中小企業の違いを、あくまで筆者の私見的ですが、少し語りたいと思います。

普通の会社は「ビジネスの立ち上げ→コスト→収入→利益→事業→コスト」というサイクルを繰り返し、利益で事業拡大をはかります。もちろん、銀行からの融資とかで、それ以上の事業拡大をするのでそれは、外部の資金はほとんどが負債であり、基本は自然成長と言えます。

スタートアップのメリットは、自分の事業規模の何十倍、ときには何百倍もの外部投資で、爆速に事業拡大を図れることです。本来ならばその資金は利益からくるものなので、何十年もかかったところ、それを全部すっとばしてがんがん会社成長にまわせるわけです。Poparazziの例を使っていうと、言ってしまえば、たった2ヶ月分の1万人ぐらいのベータユーザと正式発表1日目に獲得したユーザーだけで、あなたには100億円以上の価値がありますという太鼓判とその成長に見合うための資金を調達できたわけです。

でも100億円といってもただの企業価値。まだ未上場なわけですから、その価値基準はすんごく曖昧。しかも、Poparraziは、友達の写真を投稿するだけのソーシャルメディアなので、収入がありません。

ではなぜ、投資家やベンチャーキャピタルが何十億円も投資するのか?

それはその成長の先でのイグジットで投資した何十倍・何百倍ものリターンが得られるからです。

※イグジットに関しては前回の私のVoltaの記事をご参照くださいませ

アメリカにJason Calacanisという有名なスタートアップ投資家がいます。彼はUberがまだ企業価値5億円ぐらいの時に2500万ほど投資したそうです。

いまのUberの企業価値が9.5兆円ぐらいなので、彼がまだもしUberの株を持ってて今売ったら*‥ 。計算するのがバカバカしいぐらいのものすごいリターンですよね。😅 

まさにハイリスク・ハイリターンの投資なわけです。

Jason Calacanisさんについて知りたい方はこちらサイトをご覧になってみてください。

※投資とスタートアップ だいたいの投資家が上場前や自分が投資した次の投資で持分を売るか、スタートアップに戻すので上記のようなケースにはほとんどなりません。実際、Calacanisさんは2500万円の投資は、100億円になって戻ってきた模様‥。それでもすごいけど‥。

んで、Poparazziは?

Poparazziに話を戻しましょう。

要するに何が言いたかっていうと、いろんな投資家がこのPoparzziが将来Tik Tokのような何兆円もするような企業になる!と確信し、現在、100億円以上の価値があると信じて、「はやく何兆円もする企業になるように頑張って成長してね〜。そにために、このお金でエンジニア雇って、アプリ良くして、ガンガン宣伝して、ユーザー世界中で増やして、収入モデルも作ってねー。んで成長したら、上場か会社を売却して、僕にリターンしてね❣️」って資金をながしこんでるわけです。

じゃあ、何がすごいの?Poparazzi!

正直、筆者もこれくる!!って思いました。正直Clubhouseとかdispo※とかがクルーーーってなった時にへえーぐらいにしか思わなくて、特にむっちゃ調べてみよう!とかアプリダウンロードしてみよう。とか思わなかったんですけど、(Clubhouseはちょこっと試したけど2週間で飽きた。)

これはもしやTik Tok 以来のメガソーシャルメディアになると思って注目してます。何が今までのソーシャルメディアと違うのか?その要素をいくつか紹介したいと思います。

※dispoとは? 撮影した写真が次の日にしか見れないアプリ。インスタントカメラを現像しないと見れない感じをスマフォでできるのあが、若者にウケて一時期流行ったけど、ファウンダーのパートナーがレイプ事件を起こしてサヨウナラ。

リアル・リア充自慢アプリ

前記しましたが、このアプリ、自分の写真は投稿できません。友達のページに友達の写真を投稿することしかできないのです。なので、自分の名前のページに出てくる写真には友達が投稿した写真しかのりません。

要するにお友達が多いリアルなリア充のみなさんしか、ページに写真が増えていきません。ちなみにスマフォでセルフィーとして撮られた写真は投稿できません。誰かが誰かの写真を撮影したものしか投稿できない徹底ぶり。

ちなみにリア充とか友達とかが多くて、毎日の現実生活が充実している人たちという意味。アニメやゲームなどの二次元が大好物の筆者は、非リア充なので Popparaziには向きません。そして自分の写真投稿もできないので、リア充ぶることもできません。😢

下の画像がPopparaziの画像。左が筆者のアカウントページ、右がお友達のKojiくんのページ。まだ知る人ぞ知るソーシャルメディアとは言え、お友達少ないし、筆者は年齢的にもこのタイプのアプリを楽しむ人がいないので、アカウント開いて1週間、投稿0。 自分の写真を自分で増やすことができないので、お友達が投稿してくれるのをただ待つのみ。ちなみにKojiくんの写真のうち2枚は筆者が投稿。

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アンチセルフィー・アンチ加工アプリ

自分の写真が投稿できないということ。それは自分で自分の写真を撮影して加工した写真が投稿できない。ということ。
つまりお友達が自分の姿を写した、お友達視点でのありのままの姿がのるソーシャルメディアということです。

自分の写真を投稿するには、だれかお友達に自分の写真を投稿してもらうしか方法がないので、汚部屋に住んでるのに、インスタ投稿用にリア充ぶってフェイク写真を載せることはできません。(もちろんお友達がその加工やフェイクに載ってくれればできますけど。)

実際ファウダーのMa兄弟のブログにはこういったことが書かれています。

「私たちのソーシャルメディアには、「完璧」に加工された投稿で溢れています。<...> しかし、人生は多くの不完全な瞬間できていて、その瞬間を共有することこそ価値があるのです。<...> 私たちは、完璧へのプレッシャーを取り除くために Poparazzi を作りました。 自分の写真は投稿できず、本来のあなたを知っている人、つまりあなたの友達に重点を置きました。 Poparazzi では、あなたは友達のパパラッチであり、彼らはあなたのパパラッチであなたの「完璧でない最高の瞬間」を共有してくれる人なのです。」

写真の加工技術は今まで以上に進化し、色んなことができるようになりました。

行けないところに行ったような写真、ちょっと太い二の腕を細くしたり、小顔にしたり、目を大きくしたり‥。筆者も小皺の気になるお年頃なので、加工アプリでしばしば、シワを飛ばします。(こちらのプロフィール写真も‥恥)

でもこれっていいことばかりではないのです。

最近、アメリカでは10代の子供の整形の数が劇的に増えてきているそうです。

ソーシャルメディアの普及により、セレブや「美しい」と言われる子たちの投稿と自分の姿を比べ、できるだけそれに近づけようとアニメのような大きい目、宇宙人みたいに尖った顎に加工した写真を投稿しているうちに、現実もそれにできるだけ近くなりたいという願望が強くなり、その超・現実離れした偽物のセルフィーを持って整形外科を訪れる子供たちが多くなってきているとのこと。

みんなそれぞれ個性があるから美しいのに、インスタなどのソーシャルメディアで定義された「美しさ」しか「美」ではないなんて、そんな社会悲しすぎます。

Poparazziはそんな、デジタルに疲れた今の世代が、新しい形で交流でき、且つ、今のソーシャルメディアの闇を軽減できるソーシャルメディアといえます。

Poparazziがこの世代にウケる理由

ではなぜ、このソーシャルメディアで何者にでもなれる時代にこの制約のあるPoparazziがウケると思うのか? それは今の新しい世代、いわゆるZ世代*の「制約」への渇望です。

※ Z世代 英語ではGeneraltion Z。略してGen Zと呼んだりします。だいたい2000年代序盤)以降に生まれた世代を指します。一般的に「デジタルネイティブ」といわれ、生まれたときからスマフォやインターネットがあり、デジタルに囲まれて育つ世代のことを指します。

この世代、「SNSネイティブ」と言われまして、生まれた時からSNSが存在し、広告や情報収集も、SNSが主流です。なので、SNSで写真加工をしたり動画を編集したり、デジタル上で何でもできる。というのは普通のことなのです。

なので「何でもできる」ことよりも、多少の「制約」を好みます。

スナップチャットも、インスタのストーリも24時間後に投稿が消えてしまうという制約。dispoも9時間後にしか投稿が見れないという制約。Tik Tokも15秒〜60秒しか投稿できないという制約があり、その「制約」上でいかに面白い投稿ができるか?というところに面白みを感じるのです。

Poparazziは、自分のアカウントなのに友達しか投稿できない制約があります。この制約は投稿の制約の云々ではなく、ソーシャルメディアのコンセプトをも覆す制約なので、まさにこのZ世代にバカウケするのではないか!と思うわけです。

そして、これがウケると思っている理由が、もうひとつあります。

それがタイミングです。

日本はまだまだ緊急事態宣言で大変な時ではあります(2021年6月頭現在)が、アメリカはワクチンの普及と共に経済が回復‥どころかリバウンドでイケイケ状態です。

ハワイはいま夏休みで、アメリカ本土からの旅行客で人が溢れかえっております。ラスベガスのプールパーティーはすごいことになっているそうです。

そうです。ロックダウンの隔離からのリバウンドでみんな狂ったように外にでて、人と交流をはじめたのです

まさに長いこと会えなかった家族や友達にあったり、大人数で飲みにいったり、結婚式などのイベントで、新しい友達もバンバンできるように戻ってきました。

何が言いたいかというと、友達に会うから友達の写真をPoparazziで投稿するには、まさに今が最高のタイミングということです。

みなさんは、Facebookより前に似たようなソーシャルメディアがたくさん存在したのをご存知ですか?

では何故、Facebookが他の競合を倒して、巨大になったのか?それは、タイミングです。

Facebookが流行り始めたのはスマフォが普及し始めたタイミングと重なり、最初にスマフォ用に開発されたソーシャルメディアだったことにより、MySpaceや、日本だとmixiより後発だったのにも関わらず、市場を制したと言うわけです。

というわけで、今から「クル」要素が揃いまくっているこのPoparazziに、久しぶりにワクワクしている筆者なのでありました。

たとえ、自分の投稿をしてくれるお友達はいなくとも‥。😎

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