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リクルートで財務と投資部門を経験し、自分でも起業して売却まで経験したCFOがなぜNateeでGreatCompanyにコミットするのか

株式会社Nateeの小澤です。

Nateeではさらなる事業拡大のためにシリーズBで4.2億円の資金調達を実行し、本日発表致しました。

資金調達特設サイトはこちら

私がNateeにジョインしてから1年4ヶ月の間にも、主要事業であるTikTokの市場は急速に伸び、CFOとして関わりながら会社の急成長に対応してきました。

CFOという立場上、表に出てくることは少ないのですが、社内外にきちんとどんな人間がCFOを担っているのかをお伝えしたく、Nateeという会社の信念や哲学、そして目指すビジョンについて、11月1日から取締役CFOに就任した私からお話しさせてください。

どんな人にオススメの記事か

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・社会人3年くらい経験して起業するか転職するかで迷っている
・お金、名誉など目先の利益にとらわれず、没頭できる目標や会社を探している
・自分自身のキャリアに悩んでいる
・周りに起業・転職する人が増え始め、ベンチャー企業にも興味が出てきた
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新卒で入社したリクルートでは役員の近いところでファイナンスや投資を推進

現在Nateeでは、CFOとしてファイナンスをメインにコーポレート業務の統括をしています。それまでの経歴はというと、大学を卒業して新卒でリクルートに入社致しました。

就活では外資コンサルや総合商社、リクルートなどを受けていました(今見るとなかなかミーハーな就活ですね笑)。大学4年生の時にコロプラのVC(ベンチャーキャピタル)でインターンシップをさせていただき、ベンチャー企業やVCというものに興味を持ちました。

ただ自分の性格として石橋を叩く慎重さや、そもそもVCで新卒を募集している会社が少なかったので大手企業を中心に就活をしました。その中でも、大企業とベンチャー企業のどちらの気質もあるリクルートがいいなと思い最終的に入社を決意しました。

リクルートでは当初より投資部門に志望を出していましたが、新卒で配属される部門ではなかったため、実際にはもう一つの志望先である財務部門に配属となりました。財務部門への新卒配属はなんと25年ぶりだそうで、幸いにも手厚い研修を受けさせていただきました。

少し話が逸れますが、スキルピラミッドという仕事をする上で必要なスキルを分類したピラミッドの図形があります。

リクルートの1年目の研修のおかげで今の私のスタンスが築かれたと言っても過言ではございません。スキルピラミッドの図形でわかるようにスタンスが大きければ大きいほどピラミッドは高く作ることができます。つまり、いくらテクニカルスキル(=専門スキル)が高くても土台が小さいと年齢を重ねたとしても仕事をする上では頼られる存在にはなりません。

当たり前ですが、ミスをしない、即レス、ありがとう、ごめんなさいを言う、プロ意識を持つなど多くのスタンスを学びました。改めて思い返すとリクルートの卒業生が優秀だ、とよく言われるのがこのスタンスを叩き込まれるからなんだなと今の立場になるとよくわかります。

話を戻すと、財務部門ではリクルートホールディングス全体の資金管理やM&Aや組織再編、小会社への増資時の財務担当としてアサインされたりなど約2年半従事しておりました。ただ、若い方は同様のことを思うかもしれませんが、仕事に慣れてくるとどうしても焦りが生じます。自分はこのままでいいのか、何かできるようになっているのか。コロプラのVC部門でインターンをしていた時に漠然とVCで働くのは楽しそうだな、CFOってかっこいいなと思った記憶が蘇り、悶々としておりました。

そこでCFOのキャリアを調べてみると会計士や投資銀行出身の方ばかりで自分にはなれないんじゃないかと当時は思っておりました。そこでVCなら転職できる可能性があるのではないかと思い、転職活動をすることにしました。内定をいただいたVCもありましたが、自分としてはどこか腑に落ちず可能であれば社内異動してリクルートのCVC(=コーポレートベンチャーキャピタル)にいきたいと役員に打診しました。

(当時のリクルートの役員の方にはわがままを言ってしまい今では大変申し訳なく思っております。ただ、懐が広い方だったので受け入れてくださいました。今でも年1回程度ご飯をご一緒させていただいております。ありがとうございます。)

紆余曲折ありましたが、希望が叶い投資部門へ異動となりました。

投資部門ではアメリカやイスラエル、インドなど海外ベンチャー企業への投資や、M&Aのセルサイド案件を1年ほど担当しておりました。正直3年目で担当する業務としてはかなりハードな内容でしたが、投資部門を経験することでファイナンス全般、そのほかコーポレート領域への知見が一気に広がりました。

リクルートでの3年半は、ファイナンス領域だけではなく幅広い領域に関わることができ、さらにはリクルート事件を経験している百戦錬磨の役員の方々の近くで働けたことなど、今の自分にとても生きています。

慣れない頃はよく怒られて、当時は「なんだよ」なんて思うこともありましたが(笑)、今では2カ月に1回ほど「そういえば、あんなこと言われたけどこういう意図があったんだろうな」と思い出すことがあり、自分の成長を噛み締めると共に、当時の自分の未熟さを恥ずかしく思います。

起業し、事業の立ち上げから経験する

投資側を経験していると、「自分でも起業したい」という思いが日に日に強くなっていきました。ベンチャー投資を経験すると自分で事業をやってみたくなるものです。リクルートの役員には大変恩があり、正直辞めるかどうか悩みました。ただ、このままだと自分が自分でなくなってしまうような気がしてしまい、起業を決意しました。

それから友人と2人でD2C領域で起業しました。しばらく経営をしていたのですが、たまたまタイミングがあったので株式を売却することになりました。

起業経験から得られたことはたくさんありましたが、学んだことは3つあります。

1つ目が事業サイドの気持ちを知れたこと。実際に0から事業を作ってみて、売上1円を作るための泥臭さ、大変さを知ることができました。

2つ目は、起業家の気持ちを体感したことで、毎日現預金が減る緊張感や雇用側のしがらみなどを味わえたことです。

3つ目は情熱の大切さです。正直起業したD2C分野では、自分が一生をかけられる情熱を持つことができませんでした。

僕は君の「熱」に投資しよう――ベンチャーキャピタリストが挑発する7日間の特別講義

この著書の通り、アンリさんをはじめとしてVCの方は「人」に投資するとよく聞きます。初めて聞いた時は理解できなかったのですが、自分で事業を発起するとよく理解できます。

まず起業するとわからないことや、うまくいかないことばかりです。正直挫ける人が大半でしょう。それを挫けないようにするには情熱しかありません。情熱があれば最後はなんとかなります。これを自ら体感できたのは最も良かったことかもしれません。

多くのCFOは金融出身やコンサル出身、会計士の方が多く、自分で起業経験があったり事業経験がある方はあまりいらっしゃいません。投資銀行の方や会計士の方と比べると専門スキルは劣ってしまうかもしれませんが、「社長や事業部の気持ちが本当にわかるCFO」というのは今の私の強みや個性になったと思っています。

他社ではなく「Natee」だった理由

会社を売却し、Facebookで報告をしたところ、一番にNateeの小島と朝戸からMessangerで連絡が来て、「一緒に働かないか」と誘ってくれました。実はリクルートを退職した時も、一番最初に連絡が来たのは小島と朝戸です。運命と執念を感じましたね。

実はもう一回起業してみようか、そもそも政治家の道へ進もうか悩んでおりました。ただ、自分が人生をかけてしたいことがなかったので起業という道はやめました。政治家についてはまだ自分に実績がないこと、票を獲得できる地盤がないこと、国会議委員秘書から始めても立候補できるまでかなりの時間がかかること(実は大学生の時に民主党のとある国会議員の元で政治家秘書として働いたことがあります)から、拾ってくれる会社を探すことにしました。

幸いにもNateeの他にも数十億円資金調達をしているフィンテックの会社など5社よりお声がけがあり、自分がどんな企業で何をしたいか、正直とても悩みました。結果Nateeを選びましたが、決め手になったのは人と熱意、そして一つの事業だけでなく複数の事業を作っていける会社というところでした。

また、小島も朝戸も大学4年生からの知り合いでした。リクルートを辞めた時も、株式売却した時も、一番に声をかけてくれたのが彼らだったので、「自分が必要とされている」と感じていました。

実は起業前にも2カ月ほど業務委託でNateeに関わっていたので、全く知らないベンチャーに飛び込むという感覚ではありませんでした。

余談ですが、業務委託で手伝っていたときはとにかくTikTokマーケティングを営業をするテレアポです。今ではTikTokマーケティングは爆発的に浸透していますが、2019年当時では全く知られておりません。「TikTokってなに?」くらいの感じでした。今思うとかなり泥臭い営業でしたね(笑)。

先述の通り、当時の私は生涯をかけてやりたいほど熱意を持てる事業が特になく、再起業は次の選択から外していました。「誰かの船に乗るのもいいな」という気持ちが大きかったので、信頼を置いている二人が本気でGreat Companyを作ろうとしているなら、ぜひ同じ船に乗りたいと素直に思えたのです。

また、小島と話をすり合わせている時に、「人類をタレントに。」というミッションを軸に、今あるTikTok事業だけでなく、2つ目、3つ目の事業を考えていると話してくれたことにも、興味を引かれました。

他社を批判するわけではありませんが、単一事業かつ一過性の市場環境で伸びたため、上場ゴールになってしまった会社をいくつも見てきました。非連続的な成長には複数事業の展開が必須と考えていたため、小島の経営姿勢には好意的でした。

私は上場後まで見据えた会社経営をしたいと考えており、それは今も変わっていません。例えばベンチマークに置いているリクルートホールディングスやサイバーエージェントなどを見ても、複数事業を展開することで会社を拡大させております。

Nateeが同じように複数の事業を作っていける会社だというのは、小島の事業を作る抜群のセンスから信頼しています。自分の中で、彼ならばGreat Companyを作っていけるという確信がありました。

上場を見据えたアップデートをしていく

Nateeにジョインしたのは3期の後半からでした。私含め正社員が15人の規模でした。それまでNateeのコーポレートは小島と朝戸が担っていましたが、今後は私が中心に作っていくように巻き取って、2人は別の業務に専念できるように整備しました。

将来上場を見据えた経営をしていく上で、内部管理体制などコーポレート周りの実務に詳しいメンバーがほとんど社内にいない状況だったので、自分が先導していかなければと思っていました。一方で、吹けば飛ぶ規模の会社だったので、いつでもコーポレートを手放して営業をやる覚悟はしておりました。不謹慎ですが、たとえば小島が病気で代表を退くことになれば、いつでも代表を替わるくらいの覚悟を持って経営におります。

当社は3期目まではTikTok事業の一本足。通期黒字で終わり、丁寧な経営をしている会社だという印象を受けました。ただ今後のTikTok市場の伸びなどを見て、もっとリスクを取って事業拡大をしていかないといけないと感じ、小島と朝戸に提言をしました。

そして4期は、PLやBSを見つつ、人材の採用・育成や新規事業への投資を加速させました。会社的に赤字にはなるものの、ベンチャー企業の成長を加速させるためには意味のある赤字で、売上を大幅に伸ばして終わることができました。次の写真を見ていただくとNateeが急成長したのがよくわかると思います。まさにこれが本で読んだ成長中のベンチャー企業って感じです。感無量!

現在5期目になりましたが、既存事業をさらに伸ばしながら、新規事業の推進に邁進しています。

既存のTikTok事業では今、Nateeから毎月クリエイターの方に報酬をお支払いすることができ、それで生活が成り立っている方も多くいらっしゃいます。
みなさんの個性と才能を生かし、生活ができるような基盤を作れていることは、社会的に大きな意義があると感じています。

しかしながら、ここからが本番です。

私たちはTikTok事業だけでは終わらせません。会社の成長を鈍化させないためにも、そして企業価値向上のためにも、いくつもの事業を立ち上げ、1人でも多くの才能と個性がいかせる社会を作っていきたいと考えています。

経営陣の三位一体なバランス感

経営メンバーである代表取締役CEO小島と取締役COO朝戸について、私から見た印象もお伝えします。

小島は事業を作っていくセンスや、先を見据える力があるのが強みです。朝戸は事業を推進させる力、突破させる力はトップランクです。二人からはNateeのためならなんでもするという姿勢と、本気でGreat Companyを作りたいという気概が感じられます。また、無駄な出費を抑えて事業に対して誠実にコミットしているところは、さすがだなと信頼を置いています。

経営者の小島が目標設定をし、朝戸がCOOとして推進をしていく中、私は第三者的にモニタリングをし、リスクの可能性や目標のために資金や人材がどれだけ必要かなどを提示する役割を担っています。小島が司令塔で朝戸が攻め、そして私は守りというように、お互いをいい意味で牽制し合い、三位一体でバランスが取れた状態になっています。

TikTokと聞くとチャラついたイメージが先行しがちかもしれませんが、経営陣はまったくそんなことがなく、まさに質実剛健です。実体のないPRよりも実体のあるPRをしていけば小さな声も少しずつでも届く。そこが私たちの競争ポイントだと思います。

経営とコーポレートへの想い

経営は今後も変わらず実直でいきたいです。売上を伸ばして営業利益を出し、純利益を出していくのは当然だと考えています。一過性のトレンドや市況で左右されないよう、いかなる状況下であっても、株主様や従業員メンバーから評価していただける、地に足がついた経営をしていきたいです。

私が管掌しているコーポレート組織については想いが三つあります。

一つ目はプロフェッショナル精神

お金が発生する時点でプロだという意識を、メンバー全員に持っていただきたいです。事業部と違ってコーポレートはコストセンター。売上を立てられない部門だからこそ、プロ意識を持ったアウトプットをぜひしていただきたいと思っています。

二つ目は助け合いの精神

マッキンゼーでは困ったことがあると、全世界の社員に質問ができ、回答を得られる仕組みがあります。トップランクの企業で働いているトップランカーたちは、同僚同士が助け合う文化が強いです。2流の人たちほど、人を蹴落としたりマウントを取って相手よりも上に立つ姿勢が見受けられます。

Nateeのコーポレートには専門知識を持つメンバーが集まっております。同僚が困っていたら、分かる人が率先して力を貸してほしいと思います。

三つ目は事業ファースト

事業あってのコーポレートで、コーポレートあっての事業ではないので、事業ファーストに考えていただきたいです。事業が伸びていれば売上も立ち、会社は安定します。どんなに内部管理体制が100点であっても、事業が伸びず上場ができない企業が多いです。

上場はゴールではなく一つの中間目標と考え、永続的に企業価値を高めるためにも、まずは事業を伸ばすことを考えてほしいです。メンバーは事業のことを理解しつつ、リスペクトの気持ちを忘れずに接して欲しいなと思います。

質実剛健に、長期目線の会社を目指して

私が個人的に憧れているのがキーエンスやソニー、リクルートなど、上場してから長期のチャートで見ると右肩上がりの企業たちです。これらの企業の素晴らしいところは、複数の事業を立ち上げ、創業者や役員が退任してもきちんとバトンを渡せているところです。

そして社会貢献をすることにより、マーケットからも価値と信頼を得ており、時価総額も上位に位置している。先述にもある通り、Nateeは上場をゴールとしておらず、上場してからが本番だと思っています。決して短期目線ではなくきちんと利益を生み出して、長期目線で企業価値向上に努めていきたいです。

末筆となりますが、若い時ほど自分のキャリアに悩むと思います。焦ってしまうと思います。今だからこそ取締役CFOという立場ではございますが、本当にこれまで紆余曲折ありました。ここには書きたくないこともたくさんあります。

キャリアの語源は、ラテン語の「carrus(車輪の付いた乗り物)」であると言われており、それが後にイタリア語(carriera)、フランス語(carriere)となって、レールコースを意味するようになりました。つまり、車輪の通った跡(わだち)を意味しています。キャリアというのは将来のことだけではなく、本質的には過去を振り返ってみて長い「わだち」があるから今の自分があるということを指していると思います。

人生は長いです。悩む時もたくさんあると思いますが、目の前の仕事に情熱を持って取り組めることが一番大切だと思います。Nateeではそれを提供できる環境、同じ情熱を持ったメンバーがたくさんいます。

私たちと一緒にGreat Companyを作りたいメンバーを募集していますので、ぜひご応募をお待ちしております。Webinarやイベントもやりますので、ぜひともご参加いただければと思います。

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