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サッカー選手の意義ある伝え方。社会的テーマを持った3部作を制作して感じたこと。梅崎司『15歳 サッカーで生きると誓った日』編

サッカー日本代表のストライカーで、ベルギー1部リーグのベールスホットに所属する鈴木武蔵の半生を描いた『ムサシと武蔵』を3月1日に全国発売することとなりました。

この本は僕にとって10作目の作品となる本で、個人的にも大事な本となりました。

ここでは僕がノンフィクションライターとしてチャレンジをしてきた過去の3部作の制作秘話を話していこうと思います。

これまでの僕のnoteの切り口とは違いますが、今後はこういう自分の内面やインタビューの時に考えていることや駆け引きもここで記していきたいなと思っています。

社会的テーマを持った3部作の制作秘話。1回目は湘南ベルマーレの梅崎司の壮絶な半生を描いた『15歳 サッカーで生きると誓った日』についてです。

第1作から7作目までは「安藤隆人著」で本を出版していましたが、この第8作目となる『15歳 サッカーで生きると誓った日』で、初めて自分の名前を表面に出さずに、主人公である梅崎司になりきって最後まで描きました。

このとき、僕はサッカー選手の本をいろいろ読んでいて、一部は自身の理論だったり、成功物語のような書き口が主流であることに違和感を覚えていました。

もっとサッカー選手としてだけでなく、社会に問題提起をできたり、よりサッカー以外の人が読んでもらえる作品ができないかと感じていました。

そんな時、10代の頃から付き合いのあった梅崎が、生まれた時から父親が母親に壮絶な暴力を加える『面前ドメスティックバイオレンス』を受けていたこと、15歳で母と弟を連れて夜逃げをしたことなど、ずっと公表していなかったことをメディアに口にしました。

もともと彼がかなりの家庭環境で育ち、苦しんでいたことは知っていましたが、僕もそれを表に出すことは一切しませんでした。

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