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UX MILK All Nightに参加してCollaboration Cultureを創る

UX MILK All Nightの記事シリーズの3本目、最後になります。最後はUbie株式会社の坂田 一倫さんとUnion Design LLC.の鈴木 沙楽さんお二人による「Creating a Collaboration Culture 〜日本とアメリカを繋ぐコラボトーク〜」を振り返ります。

なぜUXでコラボレーションなのか

昔は「デザイナー」といえば例えばプロダクトの見た目だったり、使い勝手を設計する役割を指していましたが近年その役割は拡大しています。たとえばUX/UIというユーザー体験の一連をデザインすることが求められたり、それに絡めてブランディング、あるいはビジネスのデザインもすることもあります。

こういったデザインプロセスの拡大は必然的にデザイナーが広い領域のメンバーと関わることになり、コラボレーションが求められるようになったのです。UXDはウォーターフォールの工程である「要件定義」や「設計」だけにとどまらず、どうやってユーザーのフィードバックを受けるかという「テスト」にも関わります。

また近年増えてきているアジャイル開発におけるイテレーションのプロセスを考えれば常にUXDの意識は必要です。

コラボレーションが組織にもたらす価値

UXのコラボレーションにより、たくさんの価値が生まれます。以下は講演の中で上げられた価値です。

1. 実現可能性の向上
2. リスクを低減し成功する確率を上げる
3. リニアなワークフローからの脱却
4. バイアスを最小限にする
5. 仮説検証型の意思決定を可能にする

この中で個人的に1番を選ぶとすれば、「仮説検証型の意思決定」の部分です。これはまさしくアジャイルなものの考え方なのですが、UXDを用いて最適解を出したとしても、それはやはり仮説でしかなくて、それを世に出してテストしてはじめて「価値」があるかの判断ができる、という所です。

その仮説の精度や質を上げるのにUXDは最適ですし、現代においては必須と言えるでしょう。そして、仮説であることを前提に話が進められるので、無駄な「完璧主義」を避けることにも繋がりますし、それはすなわちトライ&エラーが組織文化として定着してチャレンジしやすい・チャレンジするチームへと繋がるわけです。

コラボレーションを促進させるためには?

コラボレーションは複数の人間が関わるわけですが、それのせいで意思決定が遅くなってはビジネスのスピードも出ないですし、チームのパフォーマンスも出ません。意思決定を早くするためにやっていることが講演中あげられました:

1. 物理的距離を短くする
2. PJメンバーの時間的コミットを同じにする
3. 役職や肩書ではなく「ロール」を定める
4. 現場のチームに権限を移譲する
5. 可視化する

これを読んで勘の良い方なら気づくでしょう。この5つの取組みはスクラムでありアジャイルなチームの定義にそのまま該当します。要するにこれらのことは、働く内容によって変わるものではなく、働く上での原理原則に近いものだと思うのです。

そういう意味で、自分たちの組織がいまこれらの内容を実現できていなかったら、その組織がなんであれ一度見つめ直してみる良い機会かもしれません。

コラボレーション文化を根付かせる為に出来る事は?

こちらもリストをあげましょう:

1. 心理的安全性を担保する環境づくり
2. 公平性の概念を取り入れる
3. 透明性があること
4. アクティビティ/コミュニケーション

二度も同じことを言う必要はないと思います。原理原則です。しかし、課題としてはそれを実現できている会社ばかりではないということです。例えば「心理的安全性を担保する」というところにおいては、その重要性は理解できるものの具体的に何をすべきなのでしょうか。

何かしら組織に歪みがあれば、その歪みに組織の中の人は「違和感」という形で気付けるはずです。それに対して、その違和感を解明し、歪みを直すことは、メンバーは「能力的には」できるはずなのです。問題は、その一連のプロセスを経るための、「時間」だったり、「権限」が組織の中で与えられているかどうか、というところなのです。それもなしに組織に勝手に良くなれ、というのはマネジメントの暴論でしかないでしょう。

ただ、それにお互いが気付きあえているかどうかというポイントも大切なのです。つまり、メンバーはミクロな視点だけでなく組織レベルのマクロな視点まで視座を高くする必要がありますし、マネージャーは逆にメンバーレベルのミクロな視点に時に目を向けるために視座を低くする必要があるのです。これでようやく共通理解が生まれます。それができて初めて、双方が納得して「時間」と「権限」が必要なだけ与えられるのです。

結局、解りあえるかどうか、というポイントが大切になってきます。そのために、「公平性」だったり「透明性」だったり「コミュニケーション」が必要になってくるわけです。すべては循環しているので、どれか一つが欠けても問題になります。まずはそれを正しく認識して少しずつでも改善していくことが求められているのだろうなと思いました。

終わりに

今回でUX MILK All Nightについての感想戦は終了です!ちょっと3本目だけ間が空いて1ヶ月経ってしまいましたが、イベントの試みも面白く、改めて振り返って自分の仕事に活かせる内容が詰まっていて有意義な時間でした。

スピーカーならびに運営の皆様、お疲れさまでした。また次回、ユニークかつ充実したイベントに参加できることを楽しみにしています。

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