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スプリントレビューをカイゼンしよう

スプリントレビューでは、スクラムチームはテストされ動作するプロダクトを実際に使うユーザーやステークホルダーに対して見せます。それによりフィードバックが生まれ、必要なもの価値のあるものにフォーカスするきっかけとなり、開発にアジリティがもたらされるのです。そんなスプリントレビューはよく陥りがちな間違いがあります。今日はその間違いと、それに対するカイゼンを紹介していきます。

間違い1:プロダクトオーナーがユーザーとして振る舞う

プロダクトオーナーがユーザーとして振る舞う、あるいはスクラムチームがプロダクトオーナーをユーザーとして扱う状態でスプリントレビューを行うことは健全ではありません。プロダクトオーナーはスクラムチームの一員です。良きプロダクトオーナーはスプリント中から開発者と向き合い、既に何が終わっているかレビュー前に把握しています。

間違い2:つまらないミーティングになっている

スプリントレビューは楽しくあるべきです。ステークホルダーやユーザーが参加しているなら、彼らに提供できるビジネス価値を誇らしげに伝えてください。1スプリントかけてスクラムチーム全員が頑張った成果を淡々と伝えるだけで良いと思いますか?そんなのもったいない!

間違い3:動作しテストされたプロダクトを見せない

動作するソフトウェアをスプリントレビューの場で見せられないのであれば、どうしてそれにステークホルダーや顧客が価値を感じられるでしょう。「真面目(まじめ)と本気(マジ)」の話をアジャイルコーチで有名な川口さんから聞いたことがあります。ユーザーやステークホルダーはプロダクトがドキュメントの状態だと真面目に考え細かいところをレビューし何かをやった気になります。これがひとたび動作するソフトウェアとして彼らの目の前に現れると、それを使う自分たちをより具体的にイメージし本気(マジ)になって考え始めるという話です。それに加え、 実際の進捗を測るのは実際に動作するソフトウェア以外に何があるでしょうか。ドキュメントやプレゼンでユーザーに価値は与えられません。

カイゼン1:ステークホルダーがいる場にすること

スプリントレビューはチェックの場ではなく、フィードバックの場です。プロダクトについて誰が一番価値に繋がるフィードバックを与えられると思いますか?そのプロダクトを使うユーザーです。また、ステークホルダープロダクト開発に対して影響力を持っていることがあります。積極的に巻き込んで妨害事項を解消する助けになってくれるかもしれません。参加してもらうコツは、スプリントレビューを彼らに楽しんでもらうことです。

カイゼン2:ちゃんと準備すること

スプリントレビューはステークホルダーも来るのでとても重要なイベントです。ソフトウェアが本番で動作しなかったり、レビュー自体がぐだぐだな進行になってしまっては元も子もありません。スプリントレビュー前に正しくテストされ、デモするインクリメントの構成を考えておきましょう。

カイゼン3:プロダクトオーナー主導にする

スプリントレビューはプロダクトオーナーによるイベントとすると良いでしょう。プロダクトオーナーが主催し、プロダクトオーナーがステークホルダーに価値を感じてもらえるようなジェンダを考えるのです。ROIの説明などをしても良いでしょう。デモをやるのは開発者と連携しても当然OKです。プロダクトオーナーが主催をすることによって開発者と自然とやり取りも増え、よりチームが一丸になるイベントとなるでしょう。

カイゼン4: プロダクトバックログも合わせて見せる

プロダクトをステークホルダー交えて見るのは当然ですが、プロダクトバックログも合わせて見てみましょう。フィードバックのために機能の完成を待つ必要はありません。プロダクトバックログを見ながらフィードフォーワードを貰ってカイゼン活動に当てましょう。動くソフトウェアと今後の計画を並べてみることで、プロダクトについてレビュー参加者でマジになって考えるのです。

カイゼン5: 満足度評価をその場で行う

5段階評価で満足度を定義し、ステークホルダーにその場でインクリメントについてのフィードバックを貰いましょう。5段階の満足度を用意することで、ステークホルダーは忌憚なくものすごく満足しているか、少しでも不満なことがあるかを表現しやすくなります。少しでも不満があれば、なにかカイゼンする余地がありそうですよね。

おわり

スクラムガイド2020では「スクラムチームはスプリントレビューをプレゼンテーションだけに限定しないようにする」という一文が加わったように、スプリントレビューはスクラムガイドが意図しない形で浸透してしまったイベントの一つです。かくいう私もプロダクトオーナーに対してプロダクトのデモをすることが多かったです。ですが、それを変える必要はスクラムガイド2020で皆感じるきっかけになったと思います。今、良くなくても良いんです。一緒にカイゼンしていきましょう!

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