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自己管理型チームとはどういったチームなのか?3つのヒント

スクラムガイド2017ではスクラムチームの「自己組織化 (Self-organized)」 を説いていましたが、2020では「自己管理型 (Self-managed)」に変わりました。「スクラムガイド 2017 年版からスクラムガイド 2020 年版への変更点」ではこの変更以下のように説明しています。

自己組織化よりも自己管理
以前のスクラムガイドでは、開発チームは自己組織化しており、「誰が」「どのように」作業するかを選択できるとしていた。2020 年版ではスクラムチームの自己管理に重点を置き、「誰が」「どのように」「何の」作業をするかを選択できるようにした。

2020では「何の」が増えました。単純に考えて、チームが持つ裁量が強調されたことになります。チームは自分たちで目標達成のための方法を考え、決定し、こなしていくということです。これを実現するにはスクラムチームに適切に権限が移譲されている必要があります。適切に権限が与えられていれば、自己管理型のチームは複雑で予測不可能な状況に対しても適応がスムーズに行えるでしょう。

逆に「何を」の部分がいわゆる階層型の組織体を通さないと決められない場合、当然のことですがアジリティは下がります。上にお伺いを立てて、それのOKをもって行動する場合などです。これは1階層だけであればまだマシですが、2階層や他のチームが関わってきた時は急激に煩雑さが増えます。煩雑さが増えると、チームのモチベーションも生産性も低下します。クリエイティブかつ効果的な仕事をするスクラムチームは、他のチームとのコラボレーションは欠かせないので、この問題を解決することは必要不可欠です。

自己管理型チームを率いる3つのヒント

どうすれば自己管理型チームになれるかというヒントを探し回っていたら、Scrum.orgにリーダーに向けた良いTipsが載っている記事があったので、エッセンスを紹介したい。

1. 明確かつ魅力的なディレクションを示す
2. 正しく権限が移譲されている
3. 健全なチームの文化を構築し推進する

ディレクションはすなわち明確なビジョンを指します。ビジョンは当然チームが魅力的に感じ、それを達成したいと想えるようなものでなくてはなりません。ビジョンを決めるのはプロダクトマネジメントの一環ですが、プロダクトマネージャー一人で決める必要もなく、スクラムチームと共同で方向性を決めるワークショップを開いても良いでしょう。

適切な権限は、適切な自由です。自由があればチームはクリエイティブかつ積極的にものごとに取り組み、自分たちで考え行動するマインドセットに繋がります。権限が与えられていないと、受け身、フラストレーション、モチベーションの低下に繋がります。気をつけるべきなのは、逆に自由すぎる場合で、その場合はチームは同じく何をすれば良いかわからない、あるいはサポートを得られていないと感じ同じくモチベーションの低下につながってしまいます。

最後に、リーダーが作り上げるチームの文化が自己管理型チームの成功を左右します。リーダーが指示的になってしまうと、チームは当然受け身になります。コーチングを通してチームが自分たちで考え行動していくこと、そしてそれをサポートし失敗を咎めない環境が良い文化を作っていきます。大切なのは、失敗・成功に関わらずあらゆることから学ぶことです。それを協力しあい促進しあうチームを作りましょう。

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