見出し画像

UX MILK All Nightに参加して組織文化のデザインに想いを馳せる

UX MILK All Nightに参加しました。UX MILKのフルオンライン、フリー、そして何と言っても土曜日の19:30~28:00(翌日4:00)、日曜日の9:00~12:30というオールナイトなスケジュールが特別感あふれる楽しいイベントでした。

私の一番の参加目的は、UXがもたらす文化の組織への浸透や根付かせ方の部分について知ることです。これについて登壇者の皆さんが苦労して得たノウハウは自組織にも活かせる点がきっとあるだろうと期待して臨みました。それ以外のセッションも参加しましたが今回は特に目的に合致した3セッションを1セッション1記事という形で備忘録としてnoteにまとめていこうと思います。

1つ目のセッションは株式会社コンセントの江辺和彰さんによる「デザイン会社の組織文化をデザインする」です。

組織文化とはなにか?どうデザインするのか?

「組織文化とはなんでしょう?」という問いからセッションは始まりました。メモを見返すと私は「組織における価値基準とそれを元にした動き」と答えたところ、江辺さんの回答は「組織に共通する行動パターン・判断基準・価値観」で割と近くて嬉しかったり。この定義に沿うと、組織文化はその組織で中長期的に成果を出し続けるために重要なものとなります。では重要な「組織文化」をデザインするには何をするべきかでしょうか。

セッションでは外部から「どう見られたいか」と内部から「どう在りたいか」その両軸からトップダウンとボトムアップと両面で動いていくことの重要性が語られていました。私自身でいえば「どう在りたいか」「どう見られたいか」という点について個人レベルで考えながら行動しています。ですが組織レベルでユーザー視点に立って考えるということは意識できていませんでした。プロダクトレベルではユーザー視点は当たり前と思っているんですが、その考えの対象が自組織に変わった途端抜け落ちていたことに気づけたのは、視座を高めるためにも良い気付きになったと思います。

対等な立場での学び

画像1

次はコンセント社内で行われている研修において「教える側と教えられる側のフラットな関係性」が重要視され、「互いに学び合う」という環境を創るところです。このことの重要性については別セッションの登壇者である長谷川さんも「対等な立場での学びが大切」で、一方通行で対等じゃないと「勉強になりました」と情報を受ける側が妄信的になってしまうという問題があると指摘されていました。

この指摘にはかなりハッとさせられました。普段アジャイルコーチや技術支援コーチなどをやっていると一方的に教えるシーンは自然と増えます。その中で、教えていく中でメンバーの考えから新しい視点を得たりすることはあり、それは自分にとっても良い学びになたという経験は多々あります。多々あるものの、その双方向性をお互いが意識しているかしていないかは大きな差に繋がる気がしました。この双方向性の学びをブーストすれば、それはサイクルになり全体の学びが加速するのではという期待感を抱いています。

ひとつやり方として、今後コーチングする時は最初にこの「フラットな関係性」について明示的に言及することも良いかもしれません。

行動指針を自分たちで創る

コンセントさんでは、会社の社員としての行動指針を最初は経営陣から展開したそうです。ですが反応はイマイチ。そこで考え、その行動指針を作り上げるためのイベント「コンテンツデザインアワード」を企画し、実施されたそうです。

イベントの中では行動指針にふさわしい人やふさわしかった行動を投票し、優劣をつけない「ナイスプレー」を共有する場として設計されました。結果、ポジティブなコミュニケーションや行動を振り返る機会を増やすこととなり、行動指針を普段から意識する人が増えたそうです。

このように、自分たちの組織文化で大切にしている行動指針を大勢で率直に評価できる場があることはとても羨ましく思いますし、効果的だと思います。ビジョンや価値基準を掲げるのは簡単ですが、それをどう浸透させるかに苦心している場合はとても参考になるでしょう。

3つのポイント

組織文化をデザインしていく中で、3つの重要なポイントが見つかったと江辺さんは述べられています。

1. 自信が生まれるコミュニケーション
2. 多様な方向性にワクワクさせる
3. プロとして、一流として、もっと極められる先がある

まずは自信です。やっていて、自分に自信がもてるコミュニケーションをすることです。人は色々なことに自信を持つことで自分の行動を肯定し、さらに次の行動に繋げることが出来ます。そのために取れるコミュニケーションはなんでも取りましょう。ファーストステップは何気ないチャットに対する「いいね👍」からでも構いません。その「いいね👍」1つであなたの周りに人に少なからず自信を与えられるでしょう。

次に、みんながワクワクするような多様性を用意することです。画一的な価値観に縛られてしまうと、それに合った人しか集まりません。仕事でもなんでも、誰もがなにかしら興味を持てるような、多様性が社内にあると素晴らしいですよね。

そしてその多様性の先に、「こいつすげー」と思わせる「先」となる存在がいることが大切です。可能であれば身近であると直接メンターになってもらえるので良いでしょう。社内にいなければ、社外でモデルとなる人を探してみてもいいかもしれません。コンタクトが取れようと取れまいと、その人が取っている行動や話している内容を理解し、咀嚼し、それを自分の言葉にすることが大切なのだろうと思いました。

自分はどんなアクションを取るか

以上のまとめを振り返り、私個人としては以下のアクションを取ってみようかと思いました。

1. 自分の組織が「どう見られたいか」と「どう在りたいか」を書き出す
2. 今後のコーチングの最初に「対等な関係」を強調し実践する
3. 双方向で自信を醸成できるようなコミュニケーションを取る

立場上、トップダウンでの行動を起こそうとすると時間がかかりすぎるのでまずはボトムアップでできることを進めます。この記事もその一つのきっかけになれば幸いです。

よろしければサポートお願いします!いただいたサポートは書籍やテック・アジャイル関連のイベント参加などに使い、レビューの公開をお約束します。