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永遠なるもの 【009/200】

言葉にならないような出来事が起こった時、僕らはとても、無力であることを知る。
そして、残念ながら、言葉にならないような出来事は、今も、この世界のどこかで起こり続けている。

案の定、2月はあっという間に過ぎてしまった。きっと3月も、あっという間に終わってしまうだろう。世の中は受験やら就職活動やら人事異動やらで忙しい。梅の花が咲いて、桜が開花して、舞い散って、新生活が落ち着く間もなく、気がつくと平成という時代も幕を閉じる。そんな忙しい春。
移動する時も、食事をするときも、寝る前の布団の中でも、スマートフォンの向こうで流れ続けている「世の中」を見ていると、アカウントの中の人として発信をして「世の中」に参加しなければ、自分なんて存在しないような気さえする。

中村一義くんの「金字塔」を久しぶりにフルで通して聴いた。僕が音楽を始めた頃に、数え切れないほど繰り返し聴いた作品。CDをアルバムとして聴くことは、懐古主義と言われるかもしれないけれど、僕にとって、自分の輪郭を、立ち位置を、存在を確かめるのに有効な時間の使い方だ。そこにコーヒーとチョコレートがあれば、さらに申し分ない。

あぁ、全てが人並みに、うまく行きますように。

20歳の夏、腰の手術を受けて、ベッドの上で1か月間動けない時も、ずっと聴いていた。村上春樹と五木寛之とthee michelle gun elephantと中村一義で毎日を過ごしてた。あの頃と今と、根っこのところは、何も変わっていないと、改めて思う。

愛が、全ての人達に、分けられてますように。

僕らは弱いから、できる限り安全な場所にいたいと思う。でも、ひとつひとつの安全地帯は狭いから、みんなは入れない。だから、早い者勝ちだったり、強いもの勝ちだったり、押し出されてしまう人が出てくる。そりゃもちろん、みんな平等が理想だけれど、現実はそううまくもいかない。その場所に入るために努力をすることは、素晴らしいことだと思う。ただ、押し出された人を叩いたり、マウンティングしたりすることは、違うと思う。
願わくば、その安全地帯を広げるか、他の安全地帯を一緒に探すか、みんなのための努力を、みんなで続けていける社会になりますように。

感情が、全ての人達に、降り注ぎますように。

「世の中」は、見たいようにしか見えない。キラキラしたものだけを見たい人も、一隅を照らしたい人も、いろいろな人がいる。自分自身が何を見たいか、自覚していない人だって多い。だから、「世の中」では、話が噛み合わないことが多い。見ているものが違うから、感じることも違う。同じものを見ていたって、同じように感じるわけじゃない。それでいいと思う。
違いを受け入れること。ほんの少しの博愛なる気持ちを持って。

あぁ、この幼稚な気持ちが、どうか、永遠でありますように。

・げんきにあいさつすること
・おともだちとなかよくすること
・ありがとう、ごめんね、をちゃんということ

「永遠なるもの」を聴きながら、幼稚園で教わったことを、思い出した。

いちばん大切で、いちばん難しいこと。だから、いちばん最初に教わったんだろう。

なんとなく今週は、そんなことをぼんやりと考えていました。

noteを読んでくださりありがとうございます。 歌を聴いてくださる皆様のおかげで、ヤマカワタカヒロは歌い続けることができています。 いつも本当にありがとうございます。