見出し画像

小麦の真実

小麦は、パンやうどんをはじめ様々な食品に含まれています。
日本のほとんどの学校給食でパンが提供されています。
しかし、小麦は食品の中でも農薬量が多く使用されている情報や乳製品同様にアレルギーで悩んでいる方も多くいます。
そんな食品を何も疑問も持たず摂取して良いのでしょうか。
 
現在の小麦の品種は初期の人類が栽培していた野生の品種(ヒトツブコムギやフタツブコムギ)ではなく遺伝子組み換えされ、品種改良が行われた人工的な小麦(パンコムギなど)がほとんどです。
収穫量の増加、病気や日照り、高温に耐えられるようにすることだけに品種改良された小麦は、身体に対する様々な悪影響が指摘されています。
以下は、麦類に含有成分の様々な悪影響の一部掲載します。

〈含有成分と悪影響〉
 小麦には様々な農薬と栄養成分が含まれていますが、その多くで問題が指摘されています。

1. 農薬
米国から輸入される小麦からは、神経毒性のある数種類の殺虫剤が検出されています。
有機リン系殺虫剤のマラソン、スミチオン、レルダン等の有機リン系殺虫剤は神経伝達を阻害して虫を殺します。これは人も同じ神経伝達物質を持っているため、無関係では済みません。事実、頭痛、めまい、倦怠感、下痢、腹痛、嘔吐、視力減衰などが報告されています。また、免疫毒性もあるので、抵抗力が落ちて病気にかかり易くなります。この殺虫剤が撒かれていると、3年たってもその小麦についた虫は死んでしまいます。
しかし、なぜ、このようなことが問題にならないのは先進国といわれる国で小麦の大部分を輸入に頼っているのは 日本と韓国のみだからです。
戦後、収穫後に撒く農薬「ポストハーベスト農薬」にあまり関心が無い頃から使用されていましたが輸入量が増え規制したくても追いつかない状況になってしまいました。アメリカ国内ではこのような農薬の使い方は禁止されています。
他の国は自給できるから、日本のように船での長距離輸送中のカビや虫の発生など考えなくて良いわけです。この殺虫剤は収穫後に散布されているので濃度が高く、小麦粉になっても移行します。
薄力粉、強力粉、天ぷら粉、ケーキミックス、から揚げ粉など、特にアメリカ産の小麦を主に用いたこれらの粉から頻繁に検出されているのは紛れもない事実です。オーストラリアではかつて全ての小麦に殺虫剤を混入していましたが、この10年で、使用を減らしてきてはいるようです。また、輸入小麦であっても、カナダ産に関しては残留農薬がこれまでほとんど検出されていないことがわかっています。カナダは冷涼な北回りで運搬し、涼しい北海道に荷揚げしているために農薬を使用しない若しくは少量で済んでいるのだと思われます。
もちろん国産小麦であれば、収穫後に殺虫剤を噴霧する必要はありませんが、全国民の需要を賄うだけの小麦粉は日本にはありません。


すぐに問題が起きるわけではありませんが、長年の蓄積が体にどういう影響が出るのかは誰もわかっていません。このような実態から輸出、輸入するためだけに新たに特殊な農薬が使用され、そしてその管理基準自体があやふやにされている事実を知ると怪しい食品としか言いようがありません。

2. 炭水化物
小麦の成分は、67~75%が炭水化物です。その炭水化物の内訳は、75%がブドウ糖の分子が枝分かれしながら繋がったアミロペクチンAと25%が直鎖状に繋がったアミロースです。アミロペクチンAはアミラーゼによって消化されますが、アミロースの一部は消化されないまま結腸にたどり着きます。

(1) アミロペクチンAと肥満
アミロペクチンAというでんぷん質は消化スピードが異常に早く、普通のでんぷんより血糖値を急上昇させる結果、インスリンの分泌が急激に増え血糖値が低下します。
その結果、LDLコレステロールを上昇させ動脈硬化の原因になります。
これを繰り返すことでインスリンに対して抵抗性が生まれ、インスリンの効きが低下してきます。血液中に増加した糖は脂肪として蓄えられてしまいます。これが小麦を摂取すると太る原因です。

小麦1

小麦の摂取は、血糖値の急上昇による「ハイ状態」と、その後の急降下による「ロー状態」を2時間ごとに繰り返すことになります。満腹状態と空腹状態が急激に入れ替わり続け、空腹時には頭にモヤがかかったり、倦怠感や震えなどの低血糖の症状が出たりすることもあります。

ただし、グルテンと違い、ライ麦や大麦にはアミロペクチンAは含まれません。
小麦(小麦パンGI値:89)の糖質アミロペクチンAは、単純糖質よりずっと効率よく吸収され、砂糖(GI値:59)よりはるかに血糖値をあげます。

アミロペクチンBは、じゃがいも(GI値:96)やバナナ(GI値:58)などに含まれ、血糖値を急上昇させる性質があります。

アミロペクチンCは豆類に含まれており、胃や小腸でほとんど吸収されず、大腸へと到達し、悪玉菌の餌となりおならの成分になります。
たとえば、大豆のGI値は14、インゲン豆は19、落花生は13、そら豆は30です。

(2) AGEと老化
高血糖は終末糖化産物(AGE)を作り、老化を促進します。一見体に良さそうに思える全粒粉パンですが、砂糖以上に血糖値を上げます。全粒粉パンを2枚食べることは、砂糖の入った炭酸飲料を1缶飲むことと変わりがないか、むしろひどくなります。

たんぱく質と糖が結合(糖化)し合成されることでAGEができます。このAGEは、しわやたるみの原因になったり、白内障や認知症の原因になったりします。
AGEには2つの種類があります。
  
① 外因性
食べ物自体にすでに含有しているAGEです。肉やチーズにも多く含有しています。更にAGEを1,000倍にするといわれているのが直火焼きや揚げ物など肉を加熱したものです。またベーコンやソーセージなども加工過程でAGEが増加されるとされています。

② 内因性
体内で合成されるAGEです。急上昇した血糖状態で体内のコラーゲンやエラスチンなどのたんぱく質と結合すると合成されてしまいます。
AGEは一度生成されると2度と代謝されることがなく、体内の様々な部位で蓄積されてしまいます。

小麦2

3. たんぱく質
小麦粉中には80種類以上、たんぱく質が6~15%のたんぱく質が含まれています。いろいろな特性を持つたんぱく質が混在していますが、その約85%はグリアジンとグルテニン(両者はほぼ同量)です。小麦粉に水を加えて捏ねると、このグリアジンとグルテニンが絡み合ってグルテン(gluten)ができます。
グルテニンは抗張力が強く、弾力性があり、一方グリアジンは軟らかく粘着性があります。
グルテンとは、小麦、大麦、ライ麦などの穀物から生成されるたんぱく質の一種です。パンやうどんのもちもち感や弾力の素になる働きをします。
しかし、グルテンはアメリカでは強い中毒性であるとして問題視されているため、グルテンを除去した「グルテンフリー」の食材や飲料が当たり前のようにスーパーに並んでいます。

また、グルテン、ω5グリアジンはアレルギー物質としても知られ、にきびや吹き出物の原因となることもあります。

(1) グリアジンと食欲の異常増進
グリアジンはヘロインと同様の中毒性があると化学的に実証され、非常に危険性があるといわれています。
グルテンは、体内に入るとペプシンと胃酸によって分解され、ポリペプチド混合物になります。このポリペプチド混合物は血液と脳を隔てる血液脳関門を通過することができます。
脳内に侵入したポリペプチド混合物はモルヒネ受容体と結びつき、エクソルフィンとなります。この状態は、危険なドラッグを摂取したときと全く同じ状態です。
幸せホルモンと呼ばれるセロトニンと同様の効果がエクソルフィンにはあります。また、エクソルフィンが摂食中枢を刺激し、脳は再び小麦を欲してしまいます。小麦抜きの食生活より1日約400kcal分も多く食べてしまうといった研究結果が報告されています。

また、エクソルフィンの影響で、神経伝達にも異常をきたし、うつ病や統合失調症などの精神疾患の原因にもなることも知られています。

(2) グルテンとセリアック病
消化器系の問題でグルテンに過剰反応してしまうことで起こるのが、セリアック病です(小麦アレルギーにかかるのは必ずしもグルテンに敏感なわけではなく、グルテンに関係なく小麦アレルギーになる人もいる)。
セリアック病は小麦、ライ麦などに含まれるグルテンに対する免疫反応が引き金になって起こる自己免疫疾患で、小腸の粘膜が炎症を起こしてしまい、栄養の吸収を阻止したりします。これが、下痢、腹部膨満感、過敏性腸症候群、潰瘍、腸癌、貧血、疲労感、骨や関節の痛みなどの症状を引き起こす場合もあり、時によって死に至ります。日本でのセリアック病罹患率は約0.7パーセントぐらいだそうですが、アメリカとイギリスでは約1パーセント。これは20世紀中盤と比べると4~5倍の人がセリアック病だと診断されていることになるそうです。
このようにセリアック病の症例が上昇中なので、食品会社が多くのグルテンフリー食品を販売するようになるのは自然の流れなのです。ただ、多くの医師は、あなたがセリアック病でないのならば、グルテンフリーになる意味は無いと考えているようです。

実際、Academy of Nutrition and Dieteticsが発行した記事によると、「消費者がグルテンフリー食品を購入する一番の理由はグルテンフリーの方が健康的であるとされているからですが…、セリアック病ではない人々に対しても健康促進効果があるという検証を証明する研究発表は全くありません。むしろ、グルテン自体に含まれる成分には健康に有益な栄養もあるため、人によってはグルテン回避が正当だと認められない場合があります。」と発表しています。またArthur Agaston医師も、多くのグルテンフリー食品はジャンクフードと同じぐらい飽和脂肪酸、砂糖、ナトリウムが入っているので、白米や片栗粉と同様に血糖値に影響したり、中毒性の引き金を引いてしまったりすることがあると勧告しています。さらに、研究はグルテンフリー食を続けると、鉄分、葉酸、ビタミンB1、カルシウム、ビタミンB12及び亜鉛の欠乏を引き起こす場合があるとも警告しています。
 
グルテンに過敏に反応する人は全てではないにしても、「ご飯よりもパンが好き」という方で、慢性的な体の不調を抱えている方はグルテンの中毒性に支配されている可能性があります。
「麺であれば蕎麦」、「パンよりもご飯、ご飯よりも玄米」をキャッチに、今一度、食生活を見直してみてはいかがでしょうか?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?