社員100人までの「社長の仕事」


 古田圡満著「社員100人までの『社長の仕事』」を読みました。著者は公認会計士・税理士で税理士法人古田土会計の代表社員です。

 「社員を大切にしている経営者は、上場している会社よりも未上場の優良会社に多いことは間違いありません。上場企業(大企業)は株主重視の経営をせざるを得ませんが、中小企業は社員を重視した経営をすべきです。」とありました。多くの会社を見てこられた方だからこそのご意見だと思いますが、京セラは間違いなく株主よりも社員を重視していることは、稲盛塾長の著書などで分かります。著者のおっしゃることが一般論で、京セラは大企業の中でも一味違うということなのだと思います。

 「『こんなに税金を払うくらいなら、経費で使おう』と考える社長がいます。しかし、この考え方は間違っています。」と喝破してくれました。あくまで私の体感でしかありませんが、『こんなに税金を払うくらいなら、経費で使おう』の方が多数派のように思います。「注目すべきなのは、税金を払った後に残る『税引き後の利益』です。これが内部留保です。内部留保がなければ、不況や貸し倒れにあったりすると、とたんに経営が苦しくなります。そんなとき、内部留保されたお金の多い少ないが社員をどれだけ守れるかと決めるといっても過言ではないのです。」とありました。ここもおっしゃる通りですが、内部留保があると、経営が安定するだけでなく、経営者の時間が作りやすくなると思います。運転資金の借り入れなんてしなくてよいくらいになれば、そうした手続きから解放されます。また、経費で使ってしまおうなんてことをやっていると、節税案件を持ってくる保険屋さんの営業の提案をせっせと吟味することになります。税金を払って、内部留保を溜めると決めたとたんにそうした時間を営業や社員教育等、成長路線に向けた仕事に使うことが出来ると思います。

 共感することばかりでしたが、弊社に足りないところも多くあって、経営計画書や、貸借対照表をアレンジした指標の出し方、著者独自の未来会計図表なんていうものもあったので、この辺りは真似してみたいと思います。

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